“燃料電池車関連相場”の先行きに強弱感対立

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/29 01:44

短期的には過熱感も、中長期的に話題となる息の長いトピックス

週末27日の東京株式市場は、前日の米株式の反落に加え、後場寄り付き前に外国為替市場で1ドル101円30銭台と円高・ドル安が進行したことをきっかけに、株価指数先物主導で仕掛け的な売りが出たようだ。ただ、日経平均株価終は、前日比213円安の1万5095円と、25日移動平均線(1万5033円)を割り込まずとどまったことや、今後1万5000円を下回る水準では、年金資金による買いへの期待感もあるようだ。

 トヨタ自動車<7203>が、25日に今年度内にセダンタイプの新型燃料電池自動車(FCV)を発売すると発表したことがきっかけとなり、26日にはFCVの実用化を支える水素や水素充填施設(水素ステーション)関連の銘柄群が一斉に買い進まれた。
27日も、スチームリフォーミング(水蒸気改質)型水素製造装置など水素ステーションのエンジニアリング技術で定評のある三菱化工機<6331>は引き続き大商いを集めて大幅続伸となり、水素ステーションの展開でリーダー役を果たす岩谷産業<8088>も、前日に匹敵する大商いを伴って、前日比3円安の722円と比較的頑強な値動きで踏みとどまった。
 市場関係者のあいだでも、この“燃料電池車関連相場”の先行きについては、強弱感が対立しているようだ。短期的にみれば、人気が過熱した銘柄については、当然反動の売りで調整を強いられることになるが、中長期的には今後も折に触れて話題となる息の長い相場となる可能性もある。また、まだまだ過熱とは言えない関連銘柄も多いことから、今後も注視していく必要がありそうだ。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想