巧妙化するサイバー攻撃、セキュリティー対策関連を見直す

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/12 15:34

法案提出も追い風に

11日は与野党6党が、サイバーセキュリティ基本法案を衆院に提出すると一部報道で伝わったことで、セキュリティー関連銘柄に物色の矛先が向かった。

 大手企業を狙ったサイバー攻撃が後を絶たない。今年に入って増えているのが大手通販サイトを装った偽サイトや人気ブログサービスを閲覧するだけでウイルスに感染する被害。手口は年々高度化しており、サイトを運営する企業、個人ともにセキュリティー対策を改めて見直す必要に迫られている。

 総務省所管の独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)の解析ではサイバー攻撃関連の通信が昨年1年間に少なくとも約128億件あったことを報告しているが、これは2005年の調査開始以来、過去最多の件数だ。直近では、大手ドラッグストアチェーンの通販サイトでの画像や会社概要の情報を無断で使用した偽サイトが発見され、問題となった。この他、大手旅行サイトや人気ブログサイトがウイルスに感染するように改ざんされたケースもある。

 これらサイバー攻撃を防止するには、個人は最新のウイルスソフトで対応しなければならない。企業側もセキュリティー構築やサイト監視を行う情報システム企業からのより一層のサポートが必要になる。関連企業としては、ウイルス対策ソフトのソースネクスト<4344>トレンドマイクロ<4704>、24時間有人対応監視ではセキュアヴェイル<3042>、セキュリティー監視サービスのラック<3857>などが挙げられる。

◆セキュリティー関連銘柄

銘柄<コード>       コメント
ソースネクスト<4344>  「ウイルスセキュリティ」が個人向けで人気
トレンド<4704>     ウイルスソフトで国内トップ
デジアーツ<2326>    有害情報遮断、情報漏洩防止フィルタリングソフト国内最大手
セキュアヴェイル<3042> 24時間有人対応監視に特色
ラック<3857>      セキュリティー監視サービスが高い評価
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想