1万5000円前に一服、警戒感から利益確定売り

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/02 22:50

あす(3日)の株式相場見通し

あす(3日)の東京株式市場は、日経平均株価の1万5000円台トライを前に、上昇一服となりそうだ。先週から続く短期間での急騰に対する警戒感も強まり、利益確定の売りが先行する可能性が高い。
 買いが継続している背景として、信用買い残の大幅な減少など需給の改善をベースに、米国をはじめとした海外株式の上昇、さらにNISA(少額投資非課税制度)の投資枠拡大や非課税年限の延長方針が伝えられたことが、買い継続の要因となった。
 ただ、市場関係者からは「1万5000円をクリアして、もう一段上のステージに上昇するためには、1日の東証1部の売買代金2兆円台定着が必須条件となる」との見方が出ていた。

 2日の東京株式市場は朝方から買い優勢、高値圏で頑強な動きをみせ、後場は先物主導で一段高となり、日経平均株価終値は前週末比303円高の1万4935円と大幅反発した。東証1部全体の85%が上昇する買い気の強さを示したが、売買代金は2兆円に届かなかった。

 日程面では、安倍首相がベルギー、イタリアなどを訪問(~7日)、社会保障審議会・年金部会、5月のマネタリーベース、4月の毎月勤労統計速報に注目。
海外では、インド準備銀行が政策決定会合、米5月の新車販売、ユーロ圏5月のCPIが焦点に。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想