雲のねじれの時間帯での変化に注目

著者:菊川弘之
投稿:2014/05/22 09:34

そろそろ、強弱の決着が付くか?

 昨日の黒田日銀総裁会見に合わせた追加緩和催促相場かのように、ドル円は200日移動平均線を割り込み、年初来安値の攻防に差し掛かったが、NY市場では押し目を買われて200日移動平均線を回復している。昨年の「5.23」株急落の背景となったのは、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)前議長が量的緩和縮小を示唆した事に加えて、中国の5月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が、景況感の境目となる50を割り込んだショックだったが、本日も10:45に5月の中国PMIが発表される。一目均衡表の雲のねじれの時間帯で、底打ち反転となるのか、それとも昨年同様、下げ加速となるのか?まずは、中国PMIに注目したい。
 ウクライナの大統領選挙を25日に控え、来週にはメモリアルデー(戦没者追悼記念日)に伴う休場が控えており、週末にかけてポジション調整が進みやすい地合いではあるが、火星の逆光期間(3月2日~5月20日)は終了し、ウクライナ新政権とロシアとの話し合い開始など地政学リスクに一服感が出て、6月~7月にかけてのTPP交渉の妥結期待などがあれば、リスクオン相場復活シナリオも浮上するかもしれない。
 CFTC建玉明細の大口投機玉動向を見ても、円売りポジションの解消は、かなり進んでいる。200日移動平均線の下値支持感が、PMI、ウクライナ選挙などを経て確認されれば、戻りの限度を試す展開へ、反対に雲のねじれの時間帯に年初来安値を更新するなら、100円割れを試すようなイメージ。引き続き、ドル円との逆相関のNY金もレンジを継続しており、ドル円の放れは、NY金の放れとのダブルチェックで確認したい。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想