今週のポイント
今週は引き続きイラン情勢を注視する必要がありそうです。仮にイラン情勢をめぐる懸念が強まれば、原油価格には上昇圧力が加わり、リスクオフ(リスク回避)が強まると考えられます。原油価格の上昇はノルウェークローネやメキシコペソなど産油国の通貨にとってプラスになりそう。リスクオフが強まる場合には、米ドルが堅調に推移して、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは下値を試す展開になると考えられます。カナダドルは産油国の通貨ですが、米ドル/カナダドルについては原油価格の動向以上にリスクオン/オフの影響を受けるとみられます。
米ドル高・円安に振れた場合の本邦当局の対応にも注目です。仮に為替介入(米ドル売り・円買い介入)が実施される、あるいは介入しなくてもその準備とされるレートチェックがあれば、米ドル/円が大きく下落して、豪ドル/円やNZドル/円など対円の通貨ペアはそれに引きずられるとみられます。
22日にはTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。TCMBは前回3月の会合で政策金利を37.00%に据え置きました。TCMBは25年7月から26年1月まで5会合連続で利下げを行っており、政策金利が据え置かれたのは6会合ぶりでした。
TCMBは今回も政策金利を据え置くとの見方が市場では優勢。そのとおりの結果になれば、TCMBの声明で先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるかに注目です。前回会合の声明では、「実際のインフレ率やインフレ期待、およびそれらの基調を踏まえ、中間目標に沿ったディスインフレの道筋に必要な引き締め度合いを確保するように政策金利を決定する」、「金融政策の決定は、インフレ見通しを重視しつつ会合ごとに慎重に行う」、「インフレ見通しが顕著かつ持続的に悪化した場合、金融政策スタンスを引き締める」などと表明されました。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.20500NZドル~1.22500NZドル>
先週(4/13- )の豪ドル/NZドルは堅調に推移し、17日には一時1.21879NZドルと、8日につけた13年ぶりの高値(1.21939NZドル)に接近しました。
RBA(豪中銀)のハウザー副総裁のタカ派的な発言や、豪州の3月雇用統計の堅調な結果が、豪ドルにとってプラスになったと考えられます。
RBAは2月と3月の2会合連続でそれぞれ0.25%の利上げを実施しており、現在の政策金利は4.10%です。ハウザー副総裁は4月13日の講演で、「豪州のインフレ率は高すぎる(※)」と指摘。「インフレ率を2~3%の目標レンジに戻す必要がある」とし、「政策金利を(目標レンジに戻すのに)適切な水準に設定したという強い確信はない」と述べました。
(※)RBAがコアインフレ率として注視するCPI(消費者物価指数)トリム平均値は、25年10-12月期(四半期)が前年比3.4%、26年2月(月次)が同3.3%でした。RBAのインフレ目標は2~3%(中間値は2.5%)です。
16日に発表された豪州の3月雇用統計の結果は、失業率が4.3%、雇用者数が前月比1.79万人増。失業率は市場予想どおり、雇用者数は市場予想の2.00万人増を下振れました。ただ、雇用者数の内訳をみると、フルタイム雇用者が前月から5.25万人増加(パートタイム雇用者は3.46万人減少)しており、雇用者数の結果はヘッドラインが示唆するほど弱くないとみることができます。
市場では、RBAは次回5月4-5日の会合で0.25%の追加利上げを行うとの見方が優勢。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、17日時点で市場が織り込む5月会合での利上げ確率は約7割です。
今週は豪州の主要な経済指標の発表は予定されていない一方、NZの1-3月期CPIが21日に発表されます。その結果が豪ドル/NZドルの相場材料になりそうです。
OISに基づけば、市場ではRBNZ(NZ中銀)は次々回7月の会合で0.25%の利上げを行うとの見方が優勢です。
NZのCPI総合の市場予想は前年比2.9%と、上昇率は前期(25年10-12月期)の3.1%から鈍化し、RBNの目標レンジ(1~3%)に戻るとみられています。イラン戦争に起因する原油価格上昇の影響は4-6月期CPI(7月発表予定)で大きく出てくると考えられ、ブレマンRBNZ総裁は4月8日の会合後の会見で4-6月期の上昇率は4.2%になるとの見通しを示しました。
NZのCPIが市場予想を上回る結果になれば、RBNZによる利上げ観測が強まるとともに、NZドルにとってプラスになりそう。その場合、豪ドル/NZドルは上値が重い展開になる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.38500カナダドル>
米ドル/カナダドルは17日に一時1.36486カナダドルへと下落し、3月13日以来およそ1カ月ぶりの安値をつけました。米国とイランが7日に2週間の停戦で合意し、イランのアラグチ外相が17日にホルムズ海峡を完全に開放すると表明しました。それらを受けて安全資産とされる米ドルに対して下押し圧力が加わったことが、米ドル/カナダドル下落の主な要因と考えられます。
ただ、イランの革命防衛隊は18日、ホルムズ海峡を再び封鎖したと発表。トランプ米大統領は19日、イランが和平合意を受け入れなければ、同国の発電所や橋を全て破壊すると述べました。今後のイラン情勢次第ではリスクオフ(リスク回避)が強まる可能性があり、その場合には米ドル/カナダドルは上昇に転じそう。
カナダの3月CPIが20日に発表されます。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、市場ではBOCは10月の会合で利上げを行うとの見方が優勢です。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOCによる利上げ観測が強まるとともに、カナダドルにとってのプラス材料になる可能性があります。
著者のおすすめ
最新人気記事
-
クボテック(7709) 当社株式の上場廃止の決定及び整理銘柄への指... 04/22 17:00
-
明日の株式相場に向けて=半導体復権へ、沸騰するメモリー関連株 04/23 17:30
-
「人工知能」が9位にランク、世界的な競争激化などで日の丸連合結成の... 04/23 12:20
-
「ペロブスカイト太陽電池」が14位にランク、原油の先高懸念で再生可... 03/12 12:20
-
東京株式(大引け)=445円安、日経平均6万円達成で利益確定売り 04/23 16:28
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 05:34
-
-
今日 05:30
-
今日 05:30

