明日の株式相場に向けて=半導体復権へ、沸騰するメモリー関連株
きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比445円安の5万9140円と4日ぶりに反落。朝方寄り付き早々に先物主導で上下に振り回されたが、そのさなかに6万円大台にワンタッチした。しかし、そこからの動きが面妖極まりなく、先物に翻弄されるがまま、6万円台を指呼の間に捉えつつも見えない壁に阻まれるかのように伸び切れず届かない。程なく軟化してマイナス圏に沈むと、その後はひたすら下値を掘り続ける展開となった。市場関係者は「6万円台に乗せたことで目先達成感からの売りが出た」というが、6万円大台ラインを超えていたのは、わずか数秒単位である。達成感も何も、瞬きしている間に岸を離れてしまい、いわば6万円にタッチした刹那に機械的かつ精密な売りプログラムが作動したような値運びであった。この日は後場寄りに先物絡みの投げが出て売り物が切れ、その後は漸次下げ渋ったものの、ショート筋が慌てて買い戻すような気配もなく地味な戻り足となった。値下がり銘柄数は全体の75%を占めたが、これは前日に日経平均が3日続伸を果たした時よりも少ない。イラン情勢をあまり気にする風でもなく、プライム市場の売買代金は9兆円近くに達するなど高水準に膨らんだが体温が感じられない。日経平均の5分足チャートを見れば察しがつくように、先物を経由したAIによる自動運転相場の色彩が濃い1日であった。
時計の針を前日に戻すと、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇、ナスダック指数は1.6%高とダウを上回り、再び青空圏へ突入した。特筆されるのは半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)で、この日はついに16連騰を記録、こちらは2.7%高とナスダック指数を更に1%超上回り、最高値街道を邁進する展開となっている。AIデータセンターの建設ラッシュで創出されるのは、膨大な電力需要やGPU・HBMなどのAI半導体特需、そして今はストレージ向けNANDメモリーにも引き合いが殺到する状況にある。NANDメモリー専業の米サンディスク<SNDK>やキオクシアホールディングス<285A.T>の株価が大化けを果たしたのは、まさにAIデータセンター関連の新たなシンボルストックとして認知されたからにほかならない。
米株市場の半導体株人気が東京市場にも波及しているが、今の半導体セクターへの資金流入はこれまでとは色合いが違う。米株市場でそれが如実に示されているのは、エヌビディア<NVDA>の株価とSOX指数の相関関係が崩れていることだ。かつては双方の株価連動性は非常に強く、チャート的にもフラクタルな関係にあったが、今はエヌビディアの株価の上値の重さが際立つなかで、SOX指数の方は火柱のような上げ足をみせ、完全に遊離した状態にある。SOX指数の波動はむしろサンディスクやマイクロン・テクノロジー<MU>の株価と瓜二つだ。これは、マーケットの関心がGPUからメモリーに移行したことを意味する。NANDメモリーはエンタープライズ向けSSDの需要沸騰によって一気に主役の座にのし上がってきた。これにGPUとセットで搭載されるHBM(高帯域メモリー)が半導体復活相場のダブルエンジンとなっている。もちろんエヌビディアが凋落したということではなく、マーケットが新たな株高ドライバーをメモリーに見出したということである。
きょうの東京市場は半導体関連については上昇一服場面で、その幕間を原子力関連がつないだ格好だが、全体を見渡しても株価を下げている銘柄が多かった。ただしこれは、健全なニュアンスでの調整といってよく、次に向けたクールダウンと捉えておきたい。米国を基点とする新しいビッグウェーブが半導体セクターを刺激している。GPUはエヌビディアの独占状態で、ある意味囲い込まれた市場だが、メモリー関連株人気は、相場としてはまだ若く関連銘柄の裾野に広がりがあるのが特長だ。東京市場でも相場を押し上げる活力の源となり得る。きょうは韓国株KOSPIが最高値街道を走り、台湾加権指数も前日まで連日で史上最高値を更新していた。KOSPIと台湾加権は半導体の塊である。SOX指数だけではく、世界的に半導体セクターが復活の狼煙を上げている。
メモリー関連ではキオクシアを筆頭にイビデン<4062.T>やレゾナック・ホールディングス<4004.T>、住友ベークライト<4203.T>。更に半導体商社ではトーメンデバイス<2737.T>や丸文<7537.T>をマーク。また、当欄で長きにわたってフォローしてきたミナトホールディングス<6862.T>も上値の伸びしろはまだ十分にありそうだ。小型材料株では、AKIBAホールディングス<6840.T>も再び見せ場をつくる場面が想定される。
あすのスケジュールでは、3月の全国消費者物価指数(CPI)が朝方取引前に発表されマーケットの関心を集める。なお、今回は2025年度の全国CPIも併せて開示される。このほか、3月の企業向けサービス価格指数も取引前に発表される。前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われ、後場取引時間中には3月の全国百貨店売上高が発表される。個別ではファナック<6954.T>やキーエンス<6861.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>などの決算発表に投資家の注目度が高い。また、この日はIPOが1社予定されており、東証スタンダード市場に梅乃宿酒造<559A.T>が新規上場する。海外では3月の英小売売上高、4月の独Ifo企業景況感指数、4月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)など。プロクター・アンド・ギャンブル<PG>の決算発表も予定される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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