明日の株式相場に向けて=「猫の目」関税に振り回されない銘柄を狙う
週明け14日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比396円高の3万3982円と反発。引け際に急速に伸び悩み、終値での3万4000円台回復はならず。4月7日に日経平均は2600円あまりの急落で投資マインドを動揺させたが、その後は1日置きに高い日と安い日を繰り返し、陰線と陽線を交互に連ねてきた。順番通りにきょうは上昇して引けたのだが、残念ながら陽線ではなく際どく陰線であった。400円近い上昇であれば通常では大幅高と言ってもよいが、前営業日まで直近5営業日の変動幅は最低でも1000円を上回っていたから、きょうはにわかにボラティリティが収縮したように見えてしまう。
関税政策を巡るトランプ米大統領の二転三転する言動に、マーケットも辟易気味である。次にどちらに舵を切るのか。右が左かそれともブレーキを踏み込むか。トランプ米大統領本人も分からないような状況に陥っているのではないかという疑念すら抱いてしまう。足もと米国株は底入れ足をみせているが、今なお資金退避の思惑がくすぶる。米国売りを想起させるのが米長期金利の急上昇(米国債売り)とドル安の同時進行だが、これを裏返せば東京市場は円高という逆風に晒されることになるため始末が悪い。半導体関連は依然として投資対象としての輝きに乏しく、参戦するなら内需セクターに目を向けるのが妥当だ。
そうしたなか、大阪・関西万博が13日に開幕したが、初日の一般来場者は約11万9000人であったという。同関連株を内需関連のテイストで物色する動きが目立つ。万博開催期間は今年10月13日まで約半年と結構長い期間にわたる。正直なところ秋口までテーマ買い対象として脚光を浴び続けることは考えにくいが、手掛かり材料に乏しい国内において、当面は株価の刺激材料となる。インバウンド関連と重複する銘柄が多く、例えば宿泊施設などは分かりやすく収益機会が広がることになる。ロイヤルホテル<9713.T>は万博需要の取り込みに傾注し、設備のバリューアップなどに動いている。また、ホテル特需を享受する穴株としてはCSSホールディングス<2304.T>にも着目。同社はホテルやレストランの食器洗浄及び衛生管理業務(スチュワード事業)を手掛ける。訪日外国人観光客数の急増で商機を捉えているが、これに万博特需が上乗せされることになる。
更に三精テクノロジーズ<6357.T>が面白い存在だ。ジェットコースターなどの遊園地向け機械設備で世界トップクラスの実績を持っている。今から55年前の1970年の大阪万博で「動く歩道」を出展した実績がある。今回の万博でも現時点ではまだ未出展ながら、会社側によると同社が得意とする「4足歩行ロボット」や「2足歩行ロボット」などロボティクス領域で、期間内の出展に向け鋭意取り組む方向という。業績は絶好調で、25年3月期営業利益は前の期比61%増の51億円予想で過去最高を6期ぶりに大幅更新する見通しだ。投資指標面でもPER6倍台、PBR0.5倍台、配当利回り4.3%前後と3拍子揃ったバリュー株で見直し余地がある。
また、サイバー防衛関連はグローバル景気の動向に関係なく、AI・IoT全盛時代において国家安全保障の観点から官民協力で対応していくことが必須である。一般的な観点でのディフェンシブ銘柄とは類を異にするが、今の世界情勢の中で相対的に注目度が高まりやすい。標的型攻撃に特化した純国産エンドポイントセキュリティーソフト「ヤライ」を展開するFFRIセキュリティ<3692.T>や、データセキュリティーで自社開発の「ALogシリーズ」を展開し、サイバーセキュリティー人材の育成でも優位性を持つ網屋<4258.T>、中堅企業を軸にセキュリティー対策支援を手掛け、25年3月期、26年3月期とトップラインの高い伸びが期待されるフーバーブレイン<3927.T>などをマークしたい。
このほかバイオ関連株の強さが目立っている。とりわけ再生医療関連に物色の矛先が向いているが、ここにきてそのテーマ買いの象徴として強烈な戻り足を演じているのがサンバイオ<4592.T>だ。きょうは22年3月以来約3年ぶりに2000円台を回復した。急騰を開始した2月上旬から大勢3段上げの様相をみせ、累積売買代金の突出する1600~1700円どころを上に放れてきたことで、久しぶりに需給相場の匂いを発散させている。
あすのスケジュールでは、国内では20年物国債の入札が行われる。海外では、3月の英失業率、2月のユーロ圏鉱工業生産、4月の欧州経済センター(ZEW)の独景況感指数のほか、米国では3月の輸出入物価指数、4月のNY連銀製造業景気指数などがある。なお、この日はクックFRB理事が講演を行う予定。なお、タイ市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
関税政策を巡るトランプ米大統領の二転三転する言動に、マーケットも辟易気味である。次にどちらに舵を切るのか。右が左かそれともブレーキを踏み込むか。トランプ米大統領本人も分からないような状況に陥っているのではないかという疑念すら抱いてしまう。足もと米国株は底入れ足をみせているが、今なお資金退避の思惑がくすぶる。米国売りを想起させるのが米長期金利の急上昇(米国債売り)とドル安の同時進行だが、これを裏返せば東京市場は円高という逆風に晒されることになるため始末が悪い。半導体関連は依然として投資対象としての輝きに乏しく、参戦するなら内需セクターに目を向けるのが妥当だ。
そうしたなか、大阪・関西万博が13日に開幕したが、初日の一般来場者は約11万9000人であったという。同関連株を内需関連のテイストで物色する動きが目立つ。万博開催期間は今年10月13日まで約半年と結構長い期間にわたる。正直なところ秋口までテーマ買い対象として脚光を浴び続けることは考えにくいが、手掛かり材料に乏しい国内において、当面は株価の刺激材料となる。インバウンド関連と重複する銘柄が多く、例えば宿泊施設などは分かりやすく収益機会が広がることになる。ロイヤルホテル<9713.T>は万博需要の取り込みに傾注し、設備のバリューアップなどに動いている。また、ホテル特需を享受する穴株としてはCSSホールディングス<2304.T>にも着目。同社はホテルやレストランの食器洗浄及び衛生管理業務(スチュワード事業)を手掛ける。訪日外国人観光客数の急増で商機を捉えているが、これに万博特需が上乗せされることになる。
更に三精テクノロジーズ<6357.T>が面白い存在だ。ジェットコースターなどの遊園地向け機械設備で世界トップクラスの実績を持っている。今から55年前の1970年の大阪万博で「動く歩道」を出展した実績がある。今回の万博でも現時点ではまだ未出展ながら、会社側によると同社が得意とする「4足歩行ロボット」や「2足歩行ロボット」などロボティクス領域で、期間内の出展に向け鋭意取り組む方向という。業績は絶好調で、25年3月期営業利益は前の期比61%増の51億円予想で過去最高を6期ぶりに大幅更新する見通しだ。投資指標面でもPER6倍台、PBR0.5倍台、配当利回り4.3%前後と3拍子揃ったバリュー株で見直し余地がある。
また、サイバー防衛関連はグローバル景気の動向に関係なく、AI・IoT全盛時代において国家安全保障の観点から官民協力で対応していくことが必須である。一般的な観点でのディフェンシブ銘柄とは類を異にするが、今の世界情勢の中で相対的に注目度が高まりやすい。標的型攻撃に特化した純国産エンドポイントセキュリティーソフト「ヤライ」を展開するFFRIセキュリティ<3692.T>や、データセキュリティーで自社開発の「ALogシリーズ」を展開し、サイバーセキュリティー人材の育成でも優位性を持つ網屋<4258.T>、中堅企業を軸にセキュリティー対策支援を手掛け、25年3月期、26年3月期とトップラインの高い伸びが期待されるフーバーブレイン<3927.T>などをマークしたい。
このほかバイオ関連株の強さが目立っている。とりわけ再生医療関連に物色の矛先が向いているが、ここにきてそのテーマ買いの象徴として強烈な戻り足を演じているのがサンバイオ<4592.T>だ。きょうは22年3月以来約3年ぶりに2000円台を回復した。急騰を開始した2月上旬から大勢3段上げの様相をみせ、累積売買代金の突出する1600~1700円どころを上に放れてきたことで、久しぶりに需給相場の匂いを発散させている。
あすのスケジュールでは、国内では20年物国債の入札が行われる。海外では、3月の英失業率、2月のユーロ圏鉱工業生産、4月の欧州経済センター(ZEW)の独景況感指数のほか、米国では3月の輸出入物価指数、4月のNY連銀製造業景気指数などがある。なお、この日はクックFRB理事が講演を行う予定。なお、タイ市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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