【QAあり】ANYCOLOR、3Q業績は大幅に伸長、コマース領域を中心にファンからの想定以上の強い需要を受けて通期計画を上方修正
2025年4月期 第3四半期決算
田角陸氏(以下、田角):みなさま、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。ANYCOLOR株式会社代表取締役CEOの田角です。それでは、2025年4月期第3四半期の業績について、CFOの釣井よりご報告します。
釣井慎也氏(以下、釣井):CFOの釣井です。2025年4月期第3四半期の決算ハイライトについてご説明します。
2025年4月期第3四半期は、売上高115億6,400万円、営業利益42億400万円、当期純利益29億円の着地となりました。いずれも第2四半期決算にてお示しした見通しを上振れています。
領域別にご説明します。ライブストリーミング領域は、メンバーシップ中心の収益構造が継続しており、メンバーシップ数が順調に増加しています。広告収益に関しても、YouTubeの再生時間が好調であることを背景に、見通しに対して上振れでの着地となっています。
コマース領域は売上高72億400万円と、予想の上限58億円に対して約14億円の上振れとなっています。第3四半期は大型の施策が少ない期であったため、前四半期比較で減収を見込んでいましたが、主に3つの要因によって見通し対比で上振れとなっています。
1点目に、第3四半期中に販売を開始した各種グッズが、想定を大幅に上回るかたちでファンのみなさまから好評をいただいたことです。2点目に、第2四半期末に滞留していたグッズの未発送残高の解消が第3四半期を通じて一定程度見られたことです。3点目に、第4四半期には「にじさんじフェス2025」という大型イベントを開催していますが、その関連グッズの一部を第3四半期に事前発送しているものがあることです。
一方で、グッズの未発送残高に関しては、第3四半期末時点において、第2四半期比でさらに2億5,000万円ほど増加している状況です。
この点については、発送予定のグッズが発送できずに未発送残高が増加しているのではなく、第3四半期中に想定を上回る需要があったグッズで受注生産となっているものが多くあることや、第4四半期に過去最大のグッズ販売を見込んでいる中で、その受注残高が大きくなっていることが要因です。発送に関するオペレーション状況自体は第2四半期末と比較し改善してきています。
イベント領域は、第3四半期に大型イベントをいくつか開催しています。「にじさんじ歌謡祭2024」のようなグループを挙げてのイベントに加え、VTuberによるソロライブ、ユニットライブを複数開催しました。いずれのイベントもファンの方々からご評価をいただき、収益の上振れにつながっています。
プロモーション領域は、第3四半期は先ほどお伝えしたイベント等でVTuberの稼働が大きい四半期であったため、案件実施数は第2四半期と比較して若干落ち込んでいます。一方で、案件単価は好調に推移し、概ね事前の見込み値どおりの着地となっています。
業績サマリー
業績サマリーです。第3四半期を含めた今期の収益推移について全体感を振り返ると、上期はコマースでの想定外の発送遅延や、イベントの中止や延期を要因として、業績予想対比で収益・利益ともにやや下回る状況が続いていました。一方、第3四半期以降はコマースを中心にファンの方々からの非常に強い需要を観測しています。
このため、第4四半期も含めた見込み値を総合的に勘案し、スライドに掲載のとおり業績予想を修正しています。
売上高および営業利益推移(四半期)
売上高および営業利益の四半期ごとの推移です。過去の四半期ベースで、数値として売上高・営業利益ともに最大の着地となりました。
コスト内訳推移(四半期)
コスト内訳推移です。直接変動費は売上高に対して49.8パーセントという着地でした。前年同期比で2.5ポイントのマイナスですが、前四半期比では5ポイント程度の増加となっています。
この要因としては、第3四半期はイベントによる収益貢献が大きかった四半期でしたが、イベント単体で見た収益性は必ずしも高くないということがあります。そのため、全体でのミックスとして見た直接変動費の比率が少し上がっています。
一方で、その他原価・販管費の金額は、スタジオの移転に伴う旧スタジオの原状回復費用など一過性の項目もありますが、売上の成長に伴い、売上対比の比率という意味では下がってきています。
VTuber数およびANYCOLOR IDの推移
VTuber数およびANYCOLOR IDの推移です。VTuberの数は「にじさんじ」「NIJISANJI EN」ともにデビューはなく、「NIJISANJI EN」から1名の卒業ということで、会社全体では1名の減少となっています。
足元ではファンからの需要が既存・新規ともに強いものがあり、特にANYCOLOR ID数を見ると、新規ファンの流入が継続的に見てとれると認識しています。
従業員数の推移
従業員数の推移です。年間全体として見ると、新規採用は主に前期に集中し、下期に入ってからの採用は落ち着いています。
第4四半期に新卒採用があるため少し増える見込みですが、期初計画どおりに採用活動は進捗できています。
第3四半期における主要施策
スライドは第3四半期における主要施策の一覧です。
コマース領域をスライド左半分に掲載しています。左上の「いずれ菖蒲か杜若 Half Anniversary」は、「いずれ菖蒲か杜若」というグループのデビュー半年を記念したグッズです。このグループはマスコットキャラクターを含むデビューとして、オーディション段階から企画してきたものです。この半年記念グッズは、ぬいぐるみ商材を中心に、非常に好評をいただいています。
左下はいわゆるコンセプトグッズです。「NIJISANJI Mode Select」というラインナップの第2弾として、引き続き好評をいただいています。
右上の「Dytica Happy Pack 2025」は、お正月のタイミングに合わせて発売しました。こちらも非常に強い需要をいただいています。
右下の「にじさんじ ウィンターデート2024」は、毎年恒例のウィンターデート企画です。プロモーションなどの面でさまざまな工夫を行った結果、この施策単体で過去最高の売上を出すことができました。コマース領域のいずれの企画も、非常に順調だったと認識しています。
スライド右側のプロモーション領域では、「Google Pixel」さまとのコラボレーションを行いました。番組形式でのコラボレーションとして、継続的に案件を取り組ませていただいているものの一環となっています。「TOKYO LIGHTS 2024」とのコラボレーションに関しては、プロジェクションマッピングのイベントのオフィシャルアンバサダーとして、我々を起用いただき実施した案件です。
同じくスライド右側のイベント領域は、「にじさんじ歌謡祭2024」を中心に、その他複数のイベントを開催した四半期でした。
音楽コンテンツへの取り組み
第3四半期、第4四半期と多くのイベントを予定しているため、イベントや音楽コンテンツへの取り組みを少し補足したいと思います。先ほど「イベント単体で見た時の収益性は、必ずしも高くない」とお伝えしましたが、イベントを含む音楽コンテンツは、我々のビジネスにとって非常に良い循環を生んでいます。その一例として、スライドには昨年開催した「ChroNoiR(クロノワール)」のイベントを掲載しています。
このイベントに先立ち、音楽コンテンツをCDとして販売しました。これが我々のコマース領域の売上に貢献しています。次に、その楽曲をもとにイベントを実施しています。イベントチケットはイベント領域の売上として計上し、イベントに関連して販売する各種グッズはコマース領域の売上として計上しています。最後に、イベントを映像化したBlu-ray作品をイベント実施から一定期間経過したのちに販売し、その売上はコマース領域の売上に計上するという、一連のサイクルでイベントを含む音楽コンテンツに取り組んでいます。
例えば、スライドに挙げた例でご説明すると、CD販売が2024年2月、イベントが2024年4月、Blu-rayの発売が2025年3月となっています。売上の計上区分や計上時期は少し異なりますが、これらを一体として見ると非常に良い取り組みだと認識しています。
2025年4月期 第4四半期業績見通し
ここからは、第4四半期の見通しについてご説明します。第4四半期の見通しは、売上高が118億円から128億円、営業利益が44億円から49億円、四半期純利益が30億円から33億5,000万円と見込んでいます。
領域別では、ライブストリーミング領域は、第3四半期以前同様に堅調な推移を見込んでいます。
コマース領域は第3四半期に引き続き、過去最高の売上高を予定しています。内訳としては、「にじさんじ 7th Anniversary」を記念したグッズや、「にじさんじフェス2025」に関連したグッズ、第3四半期に上振れて受注生産となったもの、その他さまざまなグッズの企画を予定しており、第4四半期は非常に強い結果を見込んでいます。
イベント領域では、2月に「にじさんじフェス2025」を開催しました。こちらを中心に、その他にもVTuberによるソロライブやユニットライブを複数予定しています。
プロモーション領域についても、第3四半期から比較すると大きく伸びることを見込んでいます。年度末付近における企業さまからの強い需要を受け案件数が大きく増加するとともに、大型案件の数も多いことから、スライドに掲載したレンジでの数字を見込んでいます。
修正業績予想との関係では、業績予想は見通しの下限部分に記載した売上高118億円、営業利益44億円に概ね対応した水準として設定しています。
質疑応答:コマース領域が伸長した背景について
釣井:「第3四半期の国内のコマース領域が、大きく増収に至った背景をどのように捉えていますか? 新しいファンを獲得できているという本質的に評価できるトレンドなのか、それとも一過性な要素も大きかったのでしょうか?」というご質問です。
数字中心にお答えすると、基本的には新しいファンと既存ファンの両方に支えられたものと認識しています。それを裏付けるものとして、第3四半期のオフィシャルストアでの売上を購入者数と1人当たり購入額に分けると、第3四半期は前四半期と比較して1人当たり購入額は減少したものの、購入者数が伸びています。
これはすなわち、既存ファンに加えて、新規のファンが獲得できていることの証左だと思います。既存ファンを中心に熱量が高まってきていることも、1つの要因と考えています。
質疑応答:国内・海外のファン層拡大に向けた取り組みについて
釣井:「今後の国内・海外のファン層拡大に向けて、どのようにコンテンツやキャラクターの拡充を図るのでしょうか? 特に国内においては、これまでの主流であるゲーム実況や雑談に加え、楽曲で新しいファンを獲得している印象もあります。御社としての手応えをお聞かせください」というご質問です。
田角:国内のコンテンツ制作の取り組みについては、幅広いファン層に向け、特にショート動画の取り組みを強化しています。結果として、楽曲を中心に、新規のお客さまに接触する機会になっています。
最近では、番組のようなコンテンツ部分も、非常に多くのお客さまに視聴いただけ、手応えを感じる取り組みとなりつつあります。楽曲や番組、ショート動画といった切り口で、継続的に新規のお客さまの獲得に取り組んでいきたいと思っています。
加えて、オフラインでの展開として、メディア露出や店舗で目にする機会、企業とのコラボレーションといった取り組みが増えるほど、「にじさんじ」やVTuberの認知が高まり、興味を持っていただけるきっかけになるという実感があります。そのような取り組みも強化していきたいと考えています。
海外に関しては、2025年4月期の施策として、音楽の展開を中心に行っています。「NIJISANJI EN」では、やはり非言語的なコンテンツがより重要という考えのもと、音楽展開を中心に考えながら、ショート動画などの取り組みも強化したい考えです。
質疑応答:中期経営計画のキャッシュアロケーション方針について
釣井:「中期経営計画のキャッシュアロケーション方針について、2025年4月期は期初計画を超過する見込みでしょうか? 次回の通期決算に向けてキャッシュフロー計画の変更を行う可能性はありそうでしょうか?」というご質問です。
2025年4月期は、概ね期初に想定したキャッシュフローで推移しています。フリーキャッシュフロー、すなわち営業キャッシュフローおよび投資キャッシュフローに関しては、期初見込みどおりに進捗していますが、先ほどご説明したように、業績予想の上振れを行った関係で、キャッシュフローはややポジティブに推移していると見ています。
一方で、財務キャッシュフローで、今期の中間配当として先月20億円弱の支出をしていることと、自己株式取得で75億円の還元を行っているため、還元関連で100億円弱の財務キャッシュアウトがありましたが、これもキャッシュアロケーションの方針に沿ったものです。
結果として、足元の現預金残高は110億円弱となり、期初想定の計画から大きくずれてはいないと思っています。
「通期決算以降でキャッシュアロケーションの見通しを変更する可能性があるか?」については、投資キャッシュとして見込めるものや、その他のバランスを見ながら、柔軟に考えていきたいと思っています。
質疑応答:第3四半期増収の要因について
釣井:「第3四半期増収の要因分析についてです。客数、客単価、購買頻度の状況を教えてください」というご質問です。
増収の要因分析を客数、客単価、購買頻度に分けると、先ほどのご回答と少し重複しますが、客数や購買頻度が上がる中で購入者数が増加していることが要因と考えています。
客数に関しては、既存の顧客に加えて、ANYCOLOR IDが着実に増加しており、新規顧客も大きく増加していることが見て取れます。また、購買頻度についても、熱量の高いファンに支えられ、いろいろなグッズを今期に出しています。グッズの出る量に応じて購買いただける頻度が増えるとともに、お客さまの単価も商材の変化などにより一定程度上昇傾向にあると認識しています。
質疑応答:海外事業のテコ入れ策と進捗状況について
釣井:「海外事業のテコ入れ策と進捗状況を教えてください」というご質問です。
田角:これまでタレントやファンとの信頼関係の構築についてお話ししてきました。前回からのアップデートとしては、足元では海外事業に携わる人員を拡充しています。また、「にじさんじフェス2025」では、「NIJISANJI EN」メンバーによるステージでのパフォーマンスも披露しました。
2025年4月期は音楽展開を行ってきたことから、2026年4月期以降の施策についても、音楽展開やイベント展開も含め、策定中の段階です。
社内の体制強化に関しては、十分だとは認識していませんが進捗している状況です。加えて、個別の施策についても、新たな施策を検討している状況です。
質疑応答:VTuber市場の成長性と競争環境の変化について
釣井:「VTuber市場の成長性と競争環境の見方について、変化があれば教えてください」というご質問です。
田角:VTuber市場の成長性という観点では、引き続きお客さまの強い需要や、新規のお客さまの増加があります。
我々の顧客層の中心は10代・20代ですが、アプローチを増やすことで、さらに若年層やその親世代も可能性がある客層ではないかと思っています。したがって、既存のお客さまに対しては引き続き魅力的なコンテンツを出しつつ、新規のお客さまへのアプローチも展開できる状況だと考えています。
質疑応答:2026年4月期の業績予想について
釣井:「2026年4月期の業績予想について、プラス要因とマイナス要因について教えてください」というご質問です。
プラス要因は、第2四半期・第3四半期のお客さまからの強い需要です。既存のファンに加えて新規のファンが流入していることや、ファン自体の熱量の高まりなどが、特にこの下期から見て取れています。
別の角度からお伝えすると、主要施策の中でも、デビューして半年や1年、2年といった比較的最近デビューしているVTuberについても、しっかりと業績に貢献してきていることが見て取れます。最近デビューしているVTuberの活躍機会をさらに拡大していく余地があるという意味でも、その点はプラス要因であると認識しています。
一方で、お客さまの単価をこれまでと同じペースで伸ばし続けるというよりも、海外も含め、新規ファンの獲得をより中心に据えた成長をしっかりと持続していかなければならないということは、我々の継続的な課題でもあります。マイナス要因ではないかもしれないものの、今後の業績を考えていく上での1つのポイントだと思っています。
質疑応答:新規VTuberの発掘と育成について
釣井:「新規VTuberの発掘と育成について、新しい変化があれば教えてください」というご質問です。
田角:だいたい四半期ごとにオーディションを行っていますが、直近のオーディションでも応募人数は過去最高クラスでした。発掘という意味では、より幅広い層にオーディションの機会が広がっていると考えています。また、VTuber候補生へのレッスンでは、いろいろな形式をトライアルとして実施しています。
中長期的に活躍する人材の発掘のため、効果的なレッスンなどの取り組みをした部分は、新しい変化といえるのではないかと思います。
質疑応答:来期の業績成長のための施策について
釣井:「来期の業績についてです。各カテゴリでどのような業績成長を見込んでいるか、施策としてどういったものを考えているか、現段階でご試算いただける範囲で教えてください」というご質問です。
来期の業績予想は次の通期決算のタイミングで開示するものですが、領域別で見ると、これまでと同様、コマース領域とプロモーション領域の2つが成長の中心になってくると考えています。
それぞれの領域の内訳をご説明します。コマース領域は、既存ファンに加えて新規ファンをしっかり獲得していくことが中心になると思っています。施策としては、今期も貢献していますが、ぬいぐるみ商材など、キャラクターとしての魅力を感じていただける商材をより拡充していきたいと思っています。
プロモーション領域は、企業さまからの案件になります。さまざまなお客さまからリピートで案件をいただく中で、案件数も増加傾向にあり、また案件単価という観点でも大型の案件をしっかりと実施できているため、今後も同様の取り組みを継続していきたいと思っています。
それ以外の領域のうち、ライブストリーミングに関しては、新規ファンの流入などにより、再生時間やメンバーシップ数などが順調に推移していることから、ファン層の拡大に応じた成長を期待しています。
イベントに関しては、どうしてもイベント実施数や実施規模に一定の制約があるため、イベント領域で業績を拡大していくというよりも、ファンのみなさまに楽しんでいただけるようなイベントを定期的に実施していきたいと思っています。
質疑応答:四半期での業績予想の立て方について
釣井:「第3四半期のコマースの売上高が業績予想に対して大きく上振れています。事前発送などの影響は事前に織り込めるようにも思いますが、業績予想はどのように立てているのでしょうか?」というご質問です。
前四半期が終わったタイミングから決算発表までの1ヶ月ほどの期間に、受注の状況やその他を勘案しながら期初計画に対してずれていないか精査した上で、翌四半期の売上予想を立てています。
イベントグッズの事前発送については、第4四半期の中でも、「にじさんじ」7周年やその他の施策などを鑑みて、2月に発送が非常に大きく膨らむことを見込んでいます。その中で、発送キャパシティを考慮して発送を少し分散させることを考えた結果、事前発送が若干早まったという特殊要因も、この第3四半期にはあったと思っています。
いずれにしても、前四半期が終わった時点で、その時点での受注や販売状況、その他を勘案して翌四半期の売上を予想しています。
質疑応答:キャピタルアロケーションの方針について
釣井:「キャピタルアロケーションの方針についてです。第1四半期に発表された3年間で300億円以上という還元方針の中、初年度は配当を約40億円、自己株式取得を75億円実施されました。営業利益などが上振れていることを考慮すると、同規模の還元が今後2年間続くという理解でよいのでしょうか?」というご質問です。
ご質問いただいたとおり、初年度の還元は、配当約40億円と自己株式取得75億円の合計115億円を予定しています。今後2年間でいうと、差分が当初の計画に基づく還元方針ということになります。配当を一定のペースで継続していくとともに、その時々のマーケットやキャッシュポジションの状況などを勘案しながら、追加的な還元を実施していきたいと考えています。
質疑応答:イベントの改善点や取り組みについて
釣井:「2025年4月期は多くのイベントを実施されていますが、費用がコントロールされているという印象を受けています。前期との違いや改善点、取り組みなどについてコメントいただけますか? また、足元で実施された『にじさんじフェス2025』でも、同様の傾向があったか教えてください」というご質問です。
イベント領域で、コストをしっかりコントロールできるようにするという意識は、当然あります。イベント領域に限らず、コマース領域での製造原価のコントロールなど、コントロールできる部分については、会社としてしっかりと取り組みを行っています。
とはいえ、イベントは費用が少しかさむ部分がどうしてもあります。先ほどのご説明でも触れましたが、イベントに関連して販売できるグッズには、音楽コンテンツや映像商材などいろいろなものがあり、それらを総合した全体で収益と費用を見ています。
その中ではしっかりと収支のコントロールができていると考えており、今後も継続していきたいと思っています。同様に、この第4四半期に実施する「にじさんじフェス2025」だけでの収支も当然重要ではありますが、イベント前後のグッズ販売や、その後予定される映像詳細の販売なども含めたかたちで考えるのが重要だと思っています。
質疑応答:新スタジオの稼働状況について
釣井:「昨年10月から新スタジオの稼働が開始し、コンテンツ増加などに寄与していると思いますが、今の稼働状況はいかがでしょうか? また過去に比べて、案件の取りこぼしがなくなるなどのプラス効果は出ているのでしょうか?」というご質問です。
田角:新スタジオの面積は以前の3倍ですが、スタジオで稼働する人員は3倍になったわけではありません。ただ、稼働時間や稼働件数を移転前と比較すると、しっかりと増加してきています。
特に、営業案件で活用するスタジオの件数も、足元で増加しているという報告を受けています。
質疑応答:発送遅延問題について
釣井:「未発送は引き続き増加とのことですが、第3四半期では、発送遅延の問題はどの程度解消しましたか? また、第4四半期以降は、想定以上の受注に対応できる体制を十分に整えていますでしょうか?」というご質問です。
第2四半期までに計上していた未発送分は、第3四半期に概ね発送できました。このことから、キャパシティの問題で発送が遅延するという状況は、一定程度解消されたと思っています。
第4四半期以降の状況については、先ほどもお伝えしたように、2月にイベントの実施や周年グッズの発売などがあることから、2月単月で非常に大きなボリュームの発送を見込んでいます。発送キャパシティとの兼ね合いでいろいろな調整が必要になると思われましたが、足元を見る限りは概ね問題なくこなせており、良いかたちで推移できていると認識しています。
質疑応答:スタジオ規模拡大の効果について
釣井:「スタジオ規模を3倍に拡大されましたが、その効果は第3四半期、第4四半期でどの程度表れましたか? 領域ごとにあれば教えてください」というご質問です。
先ほど田角から回答した内容とやや重複しますが、スタジオ規模拡大により、短期的に収益が大きく変わることはありませんが、いろいろなかたちでコンテンツの充実が図れているとご理解いただければと思います。
質疑応答:第4四半期でのVTuberの新規デビューについて
釣井:「第4四半期でVTuberの新規デビューの予定はありますか? 今期は7名の純増ですが、これは期初想定どおりでしょうか? また、デビュー数を増やす課題について、来期の目線を含めて教えてください」というご質問です。
田角:現時点では「NIJISANJI EN」から4名のデビューを公表しています。もちろんデビュー人数の目標は持ちつつ、VTuber候補生や市場動向、毎回のデビュー時のお客さまの反応などを踏まえて施策を調整しながら、しっかりと中長期で活躍できるタレントの輩出を目指していきたいと考えています。
質疑応答:コマース領域の今後の成長について
釣井:「コマース領域の今後の成長についてです。熱量の高いコアファンの客単価、購買頻度をさらに上げていくことは可能だと考えていますか? また、新規ファンの獲得やライトファンの熱量を上げていくことを重要視していますか?」というご質問です。
田角:先ほど釣井からもお伝えしたとおり、客単価や購買頻度を上げていくというよりは、しっかりと新規のファンを獲得したいと考えています。若年層やその親世代などの方々に対しても、アプローチを増やしていきます。
ライトに応援してくださる方も含め、基本的には新しいファン層を獲得していくことが最も重要だと考えています。
質疑応答:物流遅延への対応について
釣井:「物流遅延について、解消時期や根本的な改革案、契約事業者の変更などについて教えてください」というご質問です。
第2四半期までに意図しない物流遅延が多く生じていたとお伝えしましたが、要因は3つあります。
1つ目は、オフィシャルストアの管理会社と当社の間での連携不足です。2つ目は製造側の遅延で、特定商材について製造キャパシティがタイトになっていたことです。3つ目はECストアの仕様で、複数商材を購入した時はまとめて配送するため、最も発送時期が遅いものに合わせて遅延してしまうことです。
1つ目の管理会社との連携では、現場サイド、マネジメントサイドなど、いろいろなレイヤーで連携を強化しています。連携による足元の変化をご説明することは難しいですが、かなり密な連携が取れてきていると思っています。その結果として、先月2月の物流が最も大きく膨らむ時期に、発送をしっかりとこなせたことにつながっていると思っています。
2つ目の製造サイドでは、お付き合いする製造会社の拡充などによって、しっかりと改善を図ってきています。
3つ目については、発送時期を考慮して販売開始時期を調整していくことも必要だと思っています。
いずれにしても、根本的な改革という意味では突然ゼロになるものではないですが、少なくとも意図しないかたちでの遅延や、お客さまのクレームにつながりうるかたちでの遅延は、かなり解消できてきていると思っています。
質疑応答:顧客属性について
釣井:「顧客属性の変化や男女比率、年代別構成などについて教えてください」というご質問です。
田角:この第3四半期をもって顧客属性や男女比率、年代が大きく変化したということは特にありません。
質疑応答:株式流動性の向上策の考え方について
釣井:「株式流動性の向上策の考え方について教えてほしいです」というご質問です。
多くの投資家の方々に売買をしていただくためには、株式の流動性は非常に重要な要素だと思っています。上場してもうすぐ3年という状況ですが、上場する時に株主であったベンチャーキャピタルなどの方々の株式は、現時点ではすべて市場に流通している状況だと認識しています。
そのような意味では、売買の対象となり得る株式自体は増えてきていると思っています。また、より多様な投資家の方々に、我々が投資対象になり得ると思っていただけるよう、個人や機関投資家を問わず、コミュニケーションの頻度をさらに上げていきたいと思っています。
質疑応答:第3四半期のコマースの上振れ要因の内訳について
釣井:「第3四半期のコマースの上振れについてです。ご説明いただいた3つの要因で分けると、それぞれ何億円ほどの内訳になるのでしょうか?」というご質問です。
要因は先ほどお伝えした、ファンからの需要の上振れ、第2四半期からの未発送残高の一定の解消、そしてライブグッズの一部事前発送の3つです。上振れ幅としては、コマースが72億円の着地で見込みが55億円から58億円であったため、15億円程度の上振れとなっています。
要因別に明確に切り分けると難しいのですが、ライブグッズの事前発送が3億円から4億円程度あり、それ以外に先ほどお伝えした2つの要因により上振れたものとなっています。
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