インドルピー安に一服感【フィスコ・コラム】
配信元:フィスコ
投稿:2026/02/15 09:00
*09:00JST インドルピー安に一服感【フィスコ・コラム】
昨年春先からのインドルピー安に一服感が広がり始めました。米トランプ政権との関係改善が主因とみられますが、主要国・地域との通商関係を深めていることも大きく寄与しているもようです。モディ外交に支えられた高成長で、ルピーは底堅さを維持しそうです。
ドル・ルピーは昨年5月ごろに83ルピー付近から上昇(ルピーは下落)し始め、今年1月末には一時92ルピー付近までほぼ一貫して値を上げました。米国の利下げ観測後退に伴うドル高が進んだことに加え、インド株からの資金流出や原油高による貿易赤字拡大でルピーは下落基調を強めました。インド準備銀行(中銀)が過度な介入を避け、成長や輸出競争力を意識した政策運営を優先したこともその要因です。
こうした下落局面は、今年1月下旬を境にいったん歯止めがかかりました。転機となったのは、米国との通商関係に改善の兆しが見え始めたことです。トランプ政権は対中圧力を強める一方、インドに対しては摩擦を抑える姿勢を示し、関税や投資を巡る対話が再開。対米輸出の先行きに対する警戒感は後退し、短期資金の流出圧力も和らいだとみられ、インド経済の成長持続力を再評価したルピー買いに転じました。
同時に、米国以外の主要国・地域との通商関係強化も下支え要因として意識されています。欧州連合(EU)とは貿易協定交渉が再び前向きに進み、カナダとは資源やクリーンエネルギー分野での連携が浮上。さらに、直近ではマレーシアとの協力拡大により、ASEAN市場との結び付きも強まりました。輸出先の分散が進めば、貿易収支の改善余地が広がり、外貨獲得力の底上げにつながります。
仮にルピー高に転じた場合、名目国内総生産(GDP)で世界4位への浮上が見込まれるインド経済に、輸出主導から内需・投資主導へと成長構造を移行させる余地が生まれます。ルピー安は輸出企業の採算を押し上げる一方、物価を上振れさせる要因となります。これに対し、ルピー高局面では輸入物価の上昇が抑制され、インフレ圧力の低下や調達コストの安定を通じて、設備投資や個人消費を下支えする効果が見込まれます。
通貨安リスクの後退は、海外資金の流入環境を改善し、株式投資や直接投資の拡大につながります。成長を伴う緩やかな通貨高は、経済運営に対する信認の高まりを反映した動きと位置付けられるでしょう。モディ外交を背景としたインドの成長力が維持されればルピーは安定した値動きを保ちつつ、次の均衡レベルを探る展開が想定されます。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
<CN>
ドル・ルピーは昨年5月ごろに83ルピー付近から上昇(ルピーは下落)し始め、今年1月末には一時92ルピー付近までほぼ一貫して値を上げました。米国の利下げ観測後退に伴うドル高が進んだことに加え、インド株からの資金流出や原油高による貿易赤字拡大でルピーは下落基調を強めました。インド準備銀行(中銀)が過度な介入を避け、成長や輸出競争力を意識した政策運営を優先したこともその要因です。
こうした下落局面は、今年1月下旬を境にいったん歯止めがかかりました。転機となったのは、米国との通商関係に改善の兆しが見え始めたことです。トランプ政権は対中圧力を強める一方、インドに対しては摩擦を抑える姿勢を示し、関税や投資を巡る対話が再開。対米輸出の先行きに対する警戒感は後退し、短期資金の流出圧力も和らいだとみられ、インド経済の成長持続力を再評価したルピー買いに転じました。
同時に、米国以外の主要国・地域との通商関係強化も下支え要因として意識されています。欧州連合(EU)とは貿易協定交渉が再び前向きに進み、カナダとは資源やクリーンエネルギー分野での連携が浮上。さらに、直近ではマレーシアとの協力拡大により、ASEAN市場との結び付きも強まりました。輸出先の分散が進めば、貿易収支の改善余地が広がり、外貨獲得力の底上げにつながります。
仮にルピー高に転じた場合、名目国内総生産(GDP)で世界4位への浮上が見込まれるインド経済に、輸出主導から内需・投資主導へと成長構造を移行させる余地が生まれます。ルピー安は輸出企業の採算を押し上げる一方、物価を上振れさせる要因となります。これに対し、ルピー高局面では輸入物価の上昇が抑制され、インフレ圧力の低下や調達コストの安定を通じて、設備投資や個人消費を下支えする効果が見込まれます。
通貨安リスクの後退は、海外資金の流入環境を改善し、株式投資や直接投資の拡大につながります。成長を伴う緩やかな通貨高は、経済運営に対する信認の高まりを反映した動きと位置付けられるでしょう。モディ外交を背景としたインドの成長力が維持されればルピーは安定した値動きを保ちつつ、次の均衡レベルを探る展開が想定されます。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
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