融資実施に高い壁、株式価値希薄化リスクも
買い先行。主力取引銀行であるみずほコーポと三菱東京UFJが計2000億円規模の支援融資を検討していると伝えられており、当面の資金繰りにメドがつくとして好感されている。しかし、現時点では検討段階であり、満額回答が得られるかは不透明。銀行からしてみれば、台湾・鴻海からの出資メドが立たず、リストラ策も不十分との見方から、シャープへの融資は「盗人に追い銭」となる可能性があると判断するかもしれないのだ。対シャープ向けの債権の債務者区分引き下げも予想され、「はいそれ」と融資するわけにはいかないだろう。担保の厳格化なども求められ、融資規模が縮小される可能性は十分にありうる。仮に銀行からの融資ではなく、他社からの資本注入という形になれば、大規模な株式価値希薄化は避けられない。「上昇した局面は売り」といえそうだ。