新年に入ってもドル買い強まる ドル円は一時157円台後半まで上昇=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2025/01/03 06:50
新年に入ってもドル買い強まる ドル円は一時157円台後半まで上昇=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、新年に入ってもドル買いが強まる中、ドル円も買い優勢となり、一時157円台後半まで上昇した。今年のFRBの利下げは予想以上に鈍いとの見方が根強く、一部では利下げはないとのタカ派な見方まで出ている。

 一方、ここに来て日銀が利上げに慎重姿勢を滲ませており、先週の植田総裁によるクリスマス講演も慎重姿勢を堅持していた。短期金融市場では1月の利上げ確率を40%、3月までなら70%で見ている。主要各国が利下げの中、唯一日銀だけが利上げを実施している。今年も昨年以上に注目が集まりそうだが、最近の日銀からの発言は利上げに慎重になっている雰囲気も出ている。

 市場では1月はFRBの利下げはないと見ているほか、日銀の利上げも見送られるとの見方が優勢となっている。日米の金利差縮小が遠のく中、ファンド勢中心に、以前ほどではないにしても、円キャリー取引の復活が期待されている模様。今月は160-165円のゾーンをうかがう展開になるとの見方がドル円を底堅くしている。

 ユーロドルは売りが加速し、一時1.02ドル台前半まで下げを加速させた。昨年11月の安値1.0335ドルを下回るとストップを巻き込んで下落。2022年11月以来の安値水準となっている。

 欧州経済への懸念や米国との金融政策の相違がユーロドルを押し下げている。輸出依存度の高い欧州経済が、トランプ次期政権が導入すると見込まれる関税で打撃を受けるとの懸念や、ECBがFRBよりも積極利下げを行うとの見方により、ユーロは下落している。ドイツやフランスなどでの政治不安も売りに拍車をかけている状況。

 多くのストラテジストは今年中にパリティ(1.00ドル)まで下落すると予測している。

 ポンドドルは1.23ドル台まで下げ幅を拡大。一時1.2350ドル付近まで下落し、昨年4月以来の安値水準となった。目先は4月の安値1.23ドルちょうどが意識される。ユーロ圏ほどではないものの、英経済も懸念が台頭しており、英中銀の追加利下げ観測を強めている。

 現在、市場では25年中に英中銀が0.50%か0.75%ポイントの利下げを行うと予測している。ただ、ベイリー英中銀総裁は今年4回の利下げの可能性も示唆しており、昨年12月の金融政策委員会(MPC)での委員の投票も9人のうち3人が利下げを支持していた。

 確かにインフレリスクは依然存在しているものの、最近のインフレ指標の上昇は数カ月前から広く予想されていたことでもあり、英中銀の計画を大きく狂わせるものではない。その意味では、市場が織り込む利下げは依然タカ派な印象もあり、今後数週間のうちにそれが修正されるようであれば、さらにポンドは下落する可能性があるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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