【QAあり】チェンジHD、サイバーセキュリティ市場に本格参入 SMBC・三井住友海上とJV基本合意で新たな成長基盤構築へ
当社グループ ミッション
福留大士氏:チェンジホールディングス代表取締役社長の福留です。2025年3月期上期の決算説明会を開催します。どうぞよろしくお願いします。
まずは当社のご紹介です。「人を変え、ビジネスを変えて、日本を変えます。」というミッションを掲げて立ち上げた会社です。
問題意識から危機意識へ
スライドに示したような人口減少、特に労働人口の減少を軸に、持続可能な社会をどのように作っていくかを我々の挑戦のテーマとしています。
我々の描く道のり
そのような人口減少に答えを出していく上で、デジタルの力が非常に大きいと考えており、「Digitize & Digitalize Japan」というコンセプトで事業を展開しています。
現在2期目の中期経営計画を回しているところで、今年度が最終年度となり、次回はPhase3の「DJ3」になります。
“DJ2”の勝負領域
「DJ2」以降の勝負領域、特に「DX」×「地方創生」において、「Digital」「Social」「Local」が交差するところにデジタル技術を活用することによって、地域が抱える社会課題を解決し、地域を持続可能にすることをビジネスの中心と捉えています。
当社グループと事業領域
当社グループと各社の事業領域は、スライドのとおりです。
25.3期 上期 決算サマリー
上期の決算サマリーです。上期は目標を大幅超過して達成しました。
前期の特殊要因として、10月から新しいふるさと納税の規制が始まりました。通常、ふるさと納税の売上と利益が第3四半期の12月に集中するところが、9月に前倒しになったために需要の先食いがあり、前年度はイレギュラーとなったのですが、そこからの反動減を補って好調に推移しています。
また、後ほど執行役員の石川耕からもご説明しますが、大型アライアンスがありました。先日発表したとおり、サイバーセキュリティ領域で、三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)と三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)と、共同事業の推進に向けて基本合意しました。
このサイバーセキュリティ事業は昨年の秋にはじめた事業であり、マーケティングやセールス、営業の基盤ができてきたところです。いよいよこれから商材を揃えて、事業を大きく成長させていくフェーズに入ったと考えています。
上期 業績概況(連結)
上期の概況です。まずは数字についてご説明します。もともと第1四半期は、営業利益20億円を想定して計画を立てていましたが、着地としては38億4,800万円となりました。上期の営業利益目標に対して2倍弱となり、92.4パーセントの超過達成となりました。
業績概況 補足
対目標の超過要因として、ディジタルグロースアカデミアの再評価益が計画に対して上振れたことがあります。さらに、「ふるさとチョイス」のOEMが好調であること、公共DXも順調に推移していることから、パブリテック事業の領域で10億円程度のプラスがありました。
本社費等の調整費もプラスに働き、約18億円のプラスとなりました。
一方、対昨年同期でいうと、ふるさと納税の先食いにより前期がイレギュラーな数値となりました。これは非常に特殊な要因であり、インパクトも非常に大きくありました。減益要因であるNEW-ITトランスフォーメーション事業はプラス25億円、パブリテック事業、特にふるさと納税のビジネスに関しては前期に対してマイナス20億円となりました。
このマイナス分は第3四半期に乗ってくるわけですが、前期は第2四半期の9月末にこの需要が集中したということで、この特殊な要因を含めてこのように着地しています。
本社費等の調整費の増加については、連結子会社の増加、特にイー・ガーディアンの本社費が増加しているところが、インパクトとしては大きくなっています。
業績概況 補足 ~新4領域別の概況~
領域別の売上収益の概況です。NEW-ITトランスフォーメーション事業の人材不足解消の領域に関しては53パーセント、サイバーセキュリティ事業の領域に関しては48.3パーセントとなっています。民需に関してはあまり季節性がなく、順調な状況です。予算に対して多少のプラスマイナスはあるものの、ほぼ予定どおりとなっています。
パブリテック事業に関しても順調に推移しています。前期は先ほどもお話ししたとおり、地方創生領域の「ふるさとチョイス」の需要の先食い分により、通期の実績に対して上半期で47.8パーセントの進捗となり、例外的な状態でした。
例年はこの時点で、25パーセントから30パーセントの間というところですので、今期は想定どおりに推移しています。ここに第3四半期からどんどん乗ってくるというのが、この地方創生領域の特徴でもあり、順調に進捗していると考えています。
公共DX領域に関しても同様です。前期は27パーセントでしたが、今期は29.7パーセントの進捗で、特に問題なく進んでいます。
第2四半期 主なトピック ~SMBC・三井住友海上とJV 基本合意~
SMBCグループと三井住友海上とのジョイントベンチャーの基本合意についてです。簡単にお話しすると、SMBCグループの幅広い顧客基盤と、顧客であるCEO・CFOといった経営層への直接の接点を我々が活用し、非常に強い営業のパートナーとして、このジョイントベンチャーを位置づけたいと思っています。
これにより我々としては顧客の開拓が一気に進みます。当社の連結子会社であるサイリーグホールディングス(以下、サイリーグ)においても、さまざまな商材を抱えて提案する基盤が整うと考えています。
第2四半期 主なトピック ~「LoGoフォーム」都内自治体へ導入~
その他のトピックです。自治体向けの電子申請ツール「LoGoフォーム」の、都内の自治体への導入が決定しました。東京都内のほとんどの自治体に導入が決まっています。
例えば港区では、まだ法律上の課題が残る手続きを除いて、今まで紙ベースで運用されていた手続きがすべて「LoGoフォーム」に置き換わり、デジタルで対応できるような体制が整っています。
日本国内でもかなり先進的なデジタル化がなされており、このような東京での成功事例をさらに横展開していこうと考えています。
今回パートナーになってくださったのは、オーイーシーという大分県の会社です。我々は地方創生の会社であり、このような事業展開における販売パートナーにも、地方の会社が多数あります。今回も東京都の案件ではあるものの、オーイーシーの東京拠点と連携しながら、このビジネスを獲得した経緯があります。
第2四半期 主なトピック~調達インフォ 全面リニューアル~
「調達インフォ」についてです。こちらはうるる、ジチタイワークスの2社と共同で展開しており、公共DXの中でも、調達領域の改革を狙っています。今回この「調達インフォ」をリニューアルし、有料導入自治体が100機関を突破しました。
このリニューアルで、生成AIを使った仕様書の自動作成機能を追加できるようになりました。仕様書の作成業務、つまり類似の仕様書の学習データを基に自動で仕様書を作成し、最大8割の工数と時間を削減することを可能としています。
今後もこのような調達周りのDXの加速を手掛けていくために、この「調達インフォ」が先鞭をつけています。
第2四半期 主なトピック ~「JRE MALLふるさと納税」にOEM~
「ふるさとチョイス」は、JR東日本の豊富な顧客基盤とネットワークを持ち、かつ駅をはじめとしたリアルとの融合に強みがある「JRE MALL」と連携し、我々が裏側(システム)をサポートすることで「JRE MALLふるさと納税」のOEMをスタートしています。
我々はKDDIやクレディセゾンといったプレイヤーとともにふるさと納税市場を盛り上げていますが、OEMでふるさと納税ビジネスの裏方を担うことによる事業展開も加速させています。
第2四半期 主なトピック ~能登豪雨で代理寄付が貢献~
2024年9月に能登半島豪雨が発生し、代理寄付を通じて数多くの寄付が集まりました。災害に見舞われた時、被災地の自治体で、例えば寄付金を受け入れるための業務がかなり多くなってしまい、復興作業や災害対応に時間を割かないといけない時に事務が逼迫する課題があります。
それを解消するのが「代理寄付」です。例えば能登半島にある自治体の代わりに、日本全国のいろいろな自治体が協力して、事務処理を代行しながら寄付を集め、そのお金を寄付金として能登の自治体に渡すというような、被災地の自治体が事務処理の負担なく寄付金を受領できるものです。そのような活動が功を奏して、寄付がしっかりと集まるようになってきています。
この代理寄付については、我々は手数料をいただいていません。あくまで社会貢献活動であり、ふるさと納税の制度趣旨に沿った取り組みだと考えています。こちらが評価されて「2024年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
第2四半期 主なトピック ~東光コンピュータ・サービス 子会社化~
2024年8月14日に、東光コンピュータ・サービスを完全子会社化しました。この狙いについてご説明します。
東光コンピュータ・サービスは秋田県大館市にあり、日本の森林組合の40パーセントを顧客基盤とし、業務システムを提供しています。今後、森林組合とカーボンクレジットを創出し、新たな収益源にしていくことを考えている会社です。
森林組合以外では、文教の市場にも強みを有しています。みなさまもご存じのとおり、秋田県は日本を代表する教育県であり、ほとんどの小中学校と取引がある状況です。文教のマーケットの中でも新しい取り組みを行い、全国に展開していきたいと考えています。
第2四半期 主なトピック ~アバター×ロボットで完全リモート接客~
DFA Robotics社が、ワタミ、アバターダイニングラボとともに、外食業界における完全リモート接客という実証実験を行っています。スライドの画像のように、配膳ロボットとIoTを活用することで、特にインバウンド需要の増加や、サービス産業の人手不足に対する解決策を提供しています。こちらの取り組みは継続していきたいと思っています。
第2四半期 主なトピック ~開示情報の拡充~
開示情報の充実を目的に、IR用の会社紹介資料をあらためて作成しました。当社グループの成り立ちや歩み、あるいは業況、市場環境等に言及しています。
あわせて、上場来の比較可能なデータを整理したファクトシートを用意しています。BS、PL、キャッシュフローといった観点で数字をとりまとめています。
地方創生領域 ~ふるさとチョイス大感謝祭 10th~
今後の展望についてご説明します。「ふるさとチョイス大感謝祭」は例年2万人くらいの来客があるイベントです。我々が得意とするリアルの領域をしっかりと強みにするという意味で、今年も実施しました。
ポイント禁止を筆頭に、ふるさと納税が制度趣旨に沿った運用がなされるよう、我々がポータルサイト事業者として本来果たすべきことを鑑みて強みを磨き込んでいく考えです。
公共DX領域 ~直近注力領域の伸長を加速~
公共DXについてご説明します。先ほどの補足にもなりますが、最終的にはスライドに記載した領域の全業務・全自治体に対して、標準化済みで容易にデジタル化できる、高い投資対効果を誇るソリューション群を展開していきます。
そのゴールに向けて現在注力しているところは、まず「調達」です。生成AIを使った仕様書作成の自動化のように、一つひとつの手続きを分解して自動化する、あるいは割く時間を飛躍的に短くするという、自治体職員にとってさらに使いやすいサービスに進化させていきます。
同時に、公共DX領域は20兆円のマーケットです。我々のような公共調達に参加している地場の事業者や全国の自治体など、サービス・役務や物品を提供する事業者にとって使いやすい調達のDXを進めることにより、調達コストを下げたり、調達にかかる事務処理を効率化したりすることで、調達マーケットの適正化を図りたいと考えています。
もう1つ注力している「手続」については、都内の自治体への「LoGoフォーム」の導入が決定しています。すでにあらゆる自治体からフォーム作成代行の引き合いがあります。もともとはWordやExcelで作成されたアンケートや申込書、申請書といった紙の様式をデジタル化するニーズです。
こちらはトラストバンクだけでなく、グループ横断でサービス提供体制を拡充できるよう取り組んでいます。SaaSのビジネスだけでなく、上流のコンサルや下流のBPOといった領域でもしっかりと収益化していく狙いです。
サイバーセキュリティ領域 ~JV概要~
石川耕氏:チェンジホールディングス執行役員、およびサイリーグ取締役COOの石川耕です。よろしくお願いします。
あらためてみなさまにお知らせですが、SMBCグループと三井住友海上と一緒にジョイントベンチャーを設立することが決まっています。SMBCグループ、および、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(以下、MS&ADグループ)の中核会社である三井住友海上と一緒に、チェンジグループのサイリーグとして新会社を作ります。
出資比率等の詳細について、現時点でまだお伝えできませんが、プレスリリースや新聞記事等で我々の名前がしっかりと出ていることから、我々の出資が影響力を及ぼさない程度の比率ではなく、3社共同で事業にコミットするものだとご想像いただけるかと思います。
みなさまもご承知のとおり、サイバーセキュリティの被害はニュースになった大企業のみならず、中堅企業・中小企業でも非常に増えています。そのようなお客さまを持つSMBCグループとしても、サイバーセキュリティを経営の重要な課題として捉えています。
しかし、サイバーセキュリティは専門的で難しい印象があったり、「自分の会社には関係ないでしょう」という意見を持たれたりと、経営層と専門部署との間で対策における認識齟齬が起きているという話もあります。
そこで、経営層を含む顧客基盤を保有するSMBCグループの力を活かし、経営層とサイバーセキュリティ部署、もしくはIT部署をつなぎ、適切なサイバーセキュリティ対策を行うための支援を推進していこうというのが設立の背景です。
予定する提供サービスとしては、セキュリティアセスメントやコンサルティング、またこれを踏まえたサイバーセキュリティ関連ソリューションの提供です。
冒頭で福留から話したように、この会社ですべてまかなうのではありません。サイリーグが今後仲間にしていく会社、もしくは、すでに仲間である会社のソリューションを媒介し、中堅・中小企業、さらには大企業も含めて、サイバーセキュリティをしっかりと日本社会に実装していくことを目指します。
サイバーセキュリティ領域 ~JV参画各社の役割・強み~
3社の実際の役割に関してです。SMBCグループはメガバンクとして多数の顧客リレーションがあります。経営層に対しても、サイバーセキュリティに投資しない場合はどのようなリスクがあるのかなど、経営視点で問題提起することができるため、SMBCグループは顧客開拓のスタートを切る役割となっています。
他行と比べても、SMBCグループは非金融事業の子会社やジョイントベンチャーを設立した経験があり、そのノウハウも活かされます。我々だけでは足りないような、SMBCグループ各社が持つセキュリティソリューションをはじめとしたさまざまなSIの力も連携し、大きな仕事に取り組むための母体となります。
三井住友海上は、MS&ADグループの中にサイバーリスクに限らず各種リスクをアセスメントしており、サイバーセキュリティにも対応するMS&ADインターリスク総研という会社があります。この会社のサイバーセキュリティソリューションやアセスメントソリューションを一緒に活用していきます。
保険会社ですので、サイバーセキュリティ保険もソリューションの1つとして考えています。ジョイントベンチャーが保険商品を取り扱うことの詳細についてはまだ言えない部分があり、銀行という業態の関係で難しいところもあります。
しかし、実際のサイバーセキュリティにおいては、本物のスーパーハッカーや内部犯罪などが組み合わさってくると、ソリューションだけでは対応できない部分が出てきます。そのような時に会社を守るには保険もセットで考える必要があり、そのようなところのパートナーになりたいとも考えています。
我々サイリーグとチェンジホールディングスは、2024年3月に仲間になったアイディルートコンサルティング、2023年に仲間入りしたイー・ガーディアンの子会社であるEGセキュアソリューションズの、各社のソリューションを展開していきます。
アイディルートコンサルティングの前身はデジタルアーツコンサルティングと言って、こちらにコンサルティングの実働部隊がいます。今回のジョイントベンチャーが狙いとする中堅企業もすでにターゲットにし、いろいろなソリューションや実際のオペレーションを担っています。
このようなノウハウを活かしながら、日本全体の中堅・中小企業、およびそれを取り巻く大きな会社も含めて幅広くソリューションを提供し、セキュリティの底上げを目指していきたいと考えています。
サイバーセキュリティ領域 ~業界再編に向けた道のり~
そのほかにも、サイリーグおよびチェンジホールディングスが、サイバーセキュリティ領域で取り組もうとしていることをご説明します。
例えば、ウイルス対策ソフトやファイアウォールといった1つのソリューションを売るのではなく、戦略構築に始まりアセスメント、運用、実際に事故が起きた際のインシデント対応まで含め、バリューチェーン全体をしっかり固めることにより、日本のサイバーセキュリティの底上げを進めていきます。
そのために、アイディルートコンサルティングや、EGセキュアソリューションズの持つ上流工程からアセスメント・診断だけではなく、今後は運用や監査、評価制度登録、インシデント対応などにも各社の力を集めていきたいと思っています。
チェンジグループの中核の1つである事業会社のチェンジに関しては、長年の教育・トレーニングのノウハウがあります。EGセキュアソリューションズ、アイディルートコンサルティングもセキュリティのトレーニングを行っています。サイバーセキュリティの教育トレーニングというところでも、連携しながらバリューチェーンを構築したいと考えています。
実際にどのように広げていくかですが、名前を挙げた各社のマーケティング力は強いとは言えません。大きなSIerや代理店、例えば大塚商会といった名前は中堅企業の経営者もご存知ですが、チェンジグループ各社はそこに該当しません。
おもしろいソリューションをするコンサルティング会社や、アセスメントできる会社、もしくはそのような会社が扱うツールがあっても、なかなか認知を獲得できないことがあります。認知獲得のために、先ほどお話ししたジョイントベンチャーのように大手銀行の顧客基盤を使っていくことも1つの手法となります。
あるいは、各社でできないようなWebやリアルでの発信を通じて、我々自身がマーケティング活動を行い、また、グループ全体を通じた見込顧客の紹介を一緒にしていこうと考えています。
サイバーセキュリティ領域 ~Gr内外を問わない情報発信~
認知の獲得に関しては、すでに動いている部分があります。2024年11月に開催する「OTセキュリティ防御サミット」というイベントにおいては、我々サイリーグとチェンジホールディングスともに集客に努めています。
OTセキュリティというのは、製造業のOT、いわゆるアザーテクノロジーで、IT・PCなどとは違う領域のセミナーになります。ここに興味がある方、もしくは製造業の方は、ぜひこちらにご応募いただければと思います。
このような少し変わったセミナーに関して、各社では集客を十分にできないところを、サイリーグや製造業のネットワークを活かして集客を行っています。
スライド中央の登壇者に、EGセキュアソリューションズの徳丸浩という、Webセキュリティの分野では著名な者がいます。こちらもグループ内のシナジーということで、参加者の方々に良い情報を提供することができると思っています。
このようなかたちで、サイリーグホールディングス、チェンジホールディングスとして、サイバーセキュリティの市場で価値の高いものを提供していこうとしています。今後にご期待ください。
人材不足解消 (仮) 領域 ~メタモルフォーゼ 進展中~
野田知寛氏:チェンジホールディングス執行役員の野田です。ここからは、私が担当している人材不足解消領域に関してご説明します。
まず、当該領域で我々が何を成そうとしているかをお伝えします。ありとあらゆる産業の事業者の方々が、人の採用が非常に難しい状況下にあると思っていますが、我々はこの人材不足解消領域において、そのような事業者に「採用以外の解」を出していきたいと考えています。
現在はDXやGXを活用するなど、各事業者がさまざまな新しい一手を打たれていると思いますが、担い手であるところの人材はどうしても必要として、採用を強化する場合がほとんどです。
しかし、売り手市場でなかなか人が採れない中で、既存の人員が離職していき、結果的に事業を前進させるための一手が打てないといった悪循環があるのではないかと捉えています。
そうであれば、企業が事業を前進させるために必要なピースを当社グループが提供していき、この悪循環を断ち切ろうというのが「採用以外の解」に当たります。
この人材不足解消領域は、チェンジホールディングス配下の7社のグループ会社から成り、サービスとしては、AI、デジタル化、IoT、ロボットリプレースメント、BPO、業務再編、リスキリング教育などのソリューションを提供しています。
現在はグループ会社間のサービスの相互導入を図りながら、これまでグループ外にキャッシュアウトしていたサービス利用料は抑えていく方針です。
例えば、チェンジが外部事業者に委託していたBPOサービスなどの間接業務などをイー・ガーディアンに委託するほか、アイディルートコンサルティングの人材育成を、チェンジやディジタルグロースアカデミアなどに委託先を切り替えていくことで、グループ全体での営業利益の押し上げに取り組みつつ、各社のソリューションを導入していくコンサルタントの育成を同時に進めています。
加えて、その過程において、ソリューションそのものも磨き込みをかけているさなかです。サービスが複数ありますが、実際にそれらをどのような目線で組み替えながらお客さまにご案内しているのかを、次のスライドでご説明します。
人材不足解消 (仮) 領域 ~サービス組替え・進化のアプローチ~
グループ各社のソリューションを並べるだけでは、人手不足の解消につながらないのは明らかです。我々は顧客と目線を合わせながら、各社のソリューションの組み替えと組み合わせを行っています。
具体的なアプローチを4つ、スライドに並べています。1つ目は、既存人員の生産性向上です。各事業者の既存の人員一人ひとりが生み出す価値や、取り扱える業務量を引き上げていくことで、事業者の課題解決につながるとしています。
2つ目は離職抑止です。昨今のように人的資本経営が重視される中では、従業員の能力が発揮できる環境を整えていくことにもフォーカスが当たっています。テクノロジーを使いながら職場や業務のアンマッチを解消し、軽減していった結果エンゲージメントが高まっていくとして、このようなことを通じて離職抑止を図っています。
3つ目はテクノロジーの活用・自動化です。さまざまな業務の中で、人の手ではなくテクノロジーが業務を代替できるものはたくさんあると思います。これを推進して、より少ない人員で多くを成せる仕組みを作っていきたいという会社に向けた施策を実施しています。
4つ目は旧来とは異なる人員のアクセスです。これまでは、自社の事業を運営している面々のスキルセットや経験などのベースを考えながら、人を採用していくことが中心だったかと思います。この採用が難しい状況下にあって、旧来の採用層からは外れる人員、例えば女性やシニア層、外国人といった方々をターゲットにしています。また、BPO、いわゆる外部人員を助っ人として活用することで、自社で新しい取り組みを行おうとした時に人手を充足させられるようご案内しています。
以上4つの視点を持って、ソリューションの組み替えを進めています。
言葉を変えれば、顧客課題の特定に直結するところがあります。サービスのご案内というよりは、これらの視点をもってクライアントと会話をしながら、どの領域に手入れをしていく必要性があるかを考えてソリューションを組み換え、提案しています。
人材不足解消 (仮) 領域 ~グループ横断のクロスセル展開~
中長期的な目線も持ちつつ、短期的にはこの人材不足解消領域においても数字を積み上げていかなければなりません。そこで、グループ横断のクロスセルも展開しています。
スライドの縦軸には各事業会社と主力サービスが、横軸には業界が並んでいます。簡単な図解ですが、各事業会社が得意としている業界や、既存の顧客基盤があるところを「◎」「〇」で記しています。
この図解のとおり、各事業会社が得意とする業界の重複はそこまで多くないのが実態です。見方によっては、相互開拓できる余地が非常に大きいと捉えており、このホワイトスペース、いわゆる開拓の余地があるところを刈り取っていこうと考えています。
それを進めていくための力点が2つあります。1つ目はスライド右上の「注力A」と記載があるところです。取引の規模や利益率の観点から、昨年グループインしたイー・ガーディアンのサービスを拡販してもっと使っていただき、顧客基盤の振興を図っていくというところです。
非常に関係性の良いお客さまがたくさんいらっしゃって、これまではBPOや投稿監視などのサービスでお付き合いしてきましたが、そこに対して、よりイー・ガーディアングループのサービスや、この縦軸に並んでいる事業会社の各サービスの重ね売りを行っていきます。
2つ目、スライド中央の「注力B」については、グループ各社の顧客基盤に、イー・ガーディアンのソリューションを展開していく取り組みです。
前のスライドでもご説明しましたが、我々の各事業会社のお客さまから「こんなことがしたい」という新しい取り組みのご相談をいただくことがあります。しかし、人手がない、リソースが足らないといった声も非常に多く、このあたりのリソースの手当を、イー・ガーディアンのBPOサービスを使って取り組んでいきたいと考えています。
ここまでは足元の取り組みですが、中長期的には、まずは下期にいろいろなチャレンジを行いながらサービスに磨きをかけていきたいと考えています。下期の結果だけではなく、来中期経営計画の結果にもつながってくるところですので、このあたりの結果も引き続き、モニタリングしていただければと思っています。
質疑応答(要旨)①
Q:今後、Amazonのふるさと納税への参入が見込まれますが、チェンジグループとして対応策及びふるさと納税以外の見通しについて教えてください。
A:Amazonのふるさと納税市場への参入で見込まれる影響をカバーするために、リアルにフォーカスしています。
店舗等で顧客にリーチすることはAmazonが持っていないチャネルであると考えます。当社グループは豊富な顧客基盤を抱えているパートナー企業へOEMを提供しており、これらの施策は功を奏しています。現在はポイント付与がふるさと納税市場を席巻していますが、当社グループはポイント付与を行わずに、OEMの取り組みや富裕層へのアプローチ、返礼品のラインナップ等で競合他社に善戦しています。
今後Amazonがふるさと納税市場に参入し、競争環境の変化が予測されますが、当社グループはこれまでどおり当社グループの戦略と体制を実行していき、差別化した独自のサービスでポジションを築いていきたいと考えています。
なお、ふるさと納税事業以外での事業領域でも利益を創出してきていますので、それぞれの事業をさらに発展させ、引き続き利益のバランスを改善させていきたいと考えています。
質疑応答(要旨)②
Q:通期の業績予想を据え置いた理由と背景を教えてください。
A:2025年3月期の営業利益は期初予想20億円に対し、実績約38億円と大幅に目標を超えて達成しました。
通期業績見込みを判断するためには、今後の進捗状況の見極めが必要であることから、通期の業績予想はいったん据え置いています。今後、見通しに変更が生じた場合には速やかにお知らせします。
質疑応答(要旨)③
Q:イー・ガーディアンを除く各グループ会社の業績は計画どおりでしょうか?
A:業績計画に対する上振れ要因として、ディジタルグロースアカデミアの持分法適用化による再評価益があります。他各社の業績は概ね計画どおりに推移しました。
質疑応答(要旨)④
Q:下期もプラス要因はあるとのご説明でしたが、どの領域が牽引するのでしょうか? 新規のM&Aを行った場合、さらに上積みされるということでしょうか。
A:地方創生領域、自治体DX領域、人材不足解消領域が牽引すると考えています。これらの3領域に加え、M&Aを行った場合、計上のタイミングにもよりますが、実績値に反映されます。
質疑応答(要旨)⑤
Q:公共DXについて、大手SIerは、自治体のデジタル標準化案件への需要の強さについてコメントしていますが、御社の手がける分野やソリューションとの競合状況や、御社への需要、業績へ与える影響(時期も含めて)、期待などがあれば教えてください。
A:デジタル庁は地方公共団体情報システム標準化基本方針を主導し、地方自治体の基幹業務システムの統一・標準化を推進しています。この計画には多額の投資がされ、大手SIerがパッケージの開発に取り組んでいます。政府はシステムの移行期限を2025年度末としていますが、進捗は芳しくないと報道されています。
また、このシステム改革の対象は自治体の基幹システムの標準化であり、住民に対するサービス等の向上には結びつかないと考えています。
当社グループはこのような一時的な需要ではなく、自治体業務のデジタル化を推進し、住民接点を強化するようなSaaSビジネスを強化・浸透させていきたいと考えています。自治体内部のコミュニケーションを効率化する「LoGoチャット」や、各種申請、申込やアンケートをデジタル化できる「LoGoフォーム」はすでに多くの自治体に利用いただいています。
全国の自治体へのDXの普及には、各自治体が持つ個別事情を加味しないと実現できません。当社グループは現場を知りつくし、データを大量に積み上げてきています。これらのアセットを活用し、DX化を広めていきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑥
Q:石破茂首相が掲げる「地方創生」に期待することがあれば教えてください。
A:石破氏は、初代の地方創生担当大臣であり、「まち・ひと・しごと」をコンセプトに、地方創生の政策を作り上げてきました。
石破政権には、ふるさと納税に限らず、地方創生のための制度設計の強化や地方が競争力を持つための投資に期待しています。これから本年度の補正予算も決まることから、当社グループができることを推進していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑦
Q:素晴らしい将来展望ありがとうございます。しかし、年始の目標の株価上昇には材料視されておりません、グループ決算をガチャガチャいじるだけで、他社のチェンジホールディングスに対する評価が強弱分かれているように感じます。しかも低株価での評価です。
素人目線でも素直に素晴らしい決算と受け取れる決算の出し方を望みます。
A:決算情報をクローリングして自動生成された一次リリースの報道記事には、単純に前期水準と比較した数値が掲載され、本日の引け後のPTSの推移はこの影響が出ているように見えます。
決算の内容がみなさまに正確に伝わるような資料の作成や、さまざまな手段での情報発信等を継続的に実施していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑧
Q:残念ながら、未だに株価は低迷しているのが実情です。これは今後の業績成長に対する懸念と、長年の株価低迷に伴う株価への不信感が未だに強いことが原因だと思っています。この表れがPER10倍程度にとどまっていると推察しています。
そこでPER向上対策として前回、情報発信力の強化を提案しましたが、その改善状況はいかがでしょうか? 御社は「ふるさと納税」一本足打法と見られがちなのでそれ以外、例えばサイバーセキュリティ、ロボットやカーボンクレジットなどの情報発信がまだまだ不足しているように思えます。ぜひ改善のほどお願いします。
A:当社グループを理解していただくため、現在は機関投資家向けの面談回数を増やす等の取り組みを実施しています。
またご指摘のとおり、当社がふるさと納税事業以外で推進しているサイバーセキュリティ、ロボットやカーボンクレジット事業について、広く一般に発信していくよう広報機能を強化していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑨
Q:資金余力があるにもかかわらず、優待を復活させ株式利回りを上げて魅力を高め時価総額を一定の水準まで上げようとされないのはなぜですか? 資金繰りの影響でしょうか。
A:資金余力は十分にありますが、成長のために継続的に投資をしていく必要があります。一方で、将来的に配当性向を一定の水準まで引き上げることについては検討しています。
株主優待は、重要な施策であることは理解していますので、引き続き検討していきます。
質疑応答(要旨)⑩
Q:当初の中期経営企画で掲げた目標の未達や下方修正が行われたことは残念でした。確かに業績は伸びていますが、その内容が制度リスクの高いふるさと納税のテイクレートアップと、M&Aによる資産を業績に変換したようなものが多く、オーガニックグロースや業績シナジーの見える化ができていないことに課題があると認識しています。
業績連動のボーナスや新株予約権のも良い施策とは思いますが、もう少し長期保有者への還元意識があっても良いのではないでしょうか? 御社のサービスを利用した、具体的には「めいぶつチョイス」で使用できるクーポンコードや、「チョイスPay」などアンテナショップや旅行先で使用できる電子マネーのようなものを優待として出すことなど、考えてみてはいかがでしょうか。
A:ご提案ありがとうございます。株主のみなさまに当社グループのサービスを利用いただくことは、貴重な機会であると考えます。
株主還元施策として、自社の製品やサービスを活用した取り組みを検討していきます。
質疑応答(要旨)⑪
Q:5月の決算発表時に自己株式の取得を行いましたが、その時と今の株価はほとんど横ばいです。今でも「1,200円近辺の株価は安すぎる」という社長のお考えに変わりありませんか?
A:現在のPERは過去と比較しても最低水準であると考えています。利益が上がっても株価が上がらないのはPERの低下が原因であると考えており、当社の成長力を投資家のみなさまに継続的にお示しすることでPERを上げていきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑫
Q:次期中期経営計画の発表時期はいつを予定していますか?
A:現在、次期中期経営計画を策定しています。今年度中に策定を終えて通期決算発表時に次期中期経営計画を発表する予定です。
質疑応答(要旨)⑬
Q:株価低迷により、資本政策に何か悪影響は出ていることはありますか? M&A等への活用も目的として取得した自己株式は含み損の状態かと推測しています。
A:借入余力を含め現時点で当社には十分な投資資金があります。
なお、取得した自己株式の利用用途は未確定ですが、M&Aへの活用も含め検討していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑭
Q:4つの領域があると思うのですが、一番注目してほしい領域を教えてください。
A:4領域それぞれに注目するポイントがあります。
・人材不足解消:事業の拡大や戦略を遂行するための人的資源をテクノロジーをはじめとしたサービスで代替していくためのソリューションを確立することで、採用以外の答えを創り出します。
・サイバーセキュリティ:サイリーグホールディングスがジョイントベンチャーを含め、バリューチェーンのカバレッジを拡大していきます。
・地方創生:観光やカーボンクレジット等、ふるさと納税に次ぐ新領域の成長と、ふるさと納税がキャッシュカウとして継続していく戦略を遂行していきます。
・自治体DX:これまでのSIerとは違った切り口で調達をはじめとした様々な領域でサービスを展開していきます。
質疑応答(要旨)⑮
Q:チェンジグループは地銀のDXに関して直接、間接的にコンサルティングを進めていたかと思います。地銀のシステム開発に関してIBM等の大手企業が参入するとの報道もありましたが、競業他社と比較しての強みや弱みをどのように認識しているか教えてください。
また、レッドオーシャン化を受け、チェンジホールディングスとしてアプローチの変更や、軸足のシフトを考えていますか?
A:地銀のDX化は、基幹システムのクラウド化をはじめとした既存システムへの投資に対する市場の状況が変わってきていると認識しており、勘定系システムは競争が激化していくと考えています。
基幹システムはDX化が進む一方で、フロントや顧客接点は課題が多く、大手のSIerはこれらSoEのノウハウを十分に持っていないと考えます。
SoEの領域では当社が進んでいますので、引き続き顧客接点のデータの蓄積や、AIエージェント等の戦略で地銀向けビジネスに取り組みたいと考えています。
競合他社との差別化としては、当社グループは地銀のビジネスそのものの強化をできる点が挙げられます。地銀のクレジットカード会社にふるさと納税の決裁手数料を支払うことで地銀に収益基盤作る等、総合的な地銀との連携は当社グループの強みであるといえます。
質疑応答(要旨)⑯
Q:ビーキャップが企業間コミュニケーションツールとして、NFT事業者とビーコンを活用した事業(クリプトリエの「MintMonster」)を試行されたと記憶しています。チェンジグループ内では、分散型台帳と地域通貨プラットフォームの子会社があるにもかかわらず、他社のプラットフォームを利用した背景をお聞きしたいです。
また、Web3.0の領域での子会社の強みや、Web3.0領域の将来性をどう見ているのかもぜひお聞かせください。
A:クライアントへのサービス提案は、原則はグループ内で該当する技術を持った会社が行いますが、ソリューションが直接競合しない場合などであれば、いただいた案件に対し最適な提案をするために外部サービスも積極的に取り入れていくという基本的な考えです。
Web3.0領域は分散型台帳等の技術を活用したサービスは緒に就いたばかりですが、継続的に研究開発をしていきたいと考えています。特に地域通貨の可能性について追及していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑰
Q:震災でのドローン活用について教えてください。また、エアロネクストとの業務提携の状況について教えてください。
A:被災地でのドローン活用は、被災状況の見える化や救援物資の物流等、非常に可能性があると考えています。また、過疎地域の物流網の構築をエアロネクストと協力しながら事業展開を進めています。
質疑応答(要旨)⑱
Q:人材不足解消領域について質問させてください。現状はグループ会社間の生産性を向上させ、人材不足対策する取り組みやコスト削減で利益貢献するものと理解しています。この先、外販して売上向上、利益貢献する取り組みは考えられているのでしょうか?
A:グループ内取引を通じてサービスの磨きこみや人材の強化を行うことで、現在、すでにサービス提供を行っている業界以外へ展開する際のソリューションセールスの検証を実施しています。
本年度下期から来期にかけて広く展開していくため人材とソリューションを充実させる準備をしており、売上・利益の向上につなげていきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑲
Q:イー・ガーディアンのBPOサービスはAIに淘汰されやすい業務のように思うのですが、どのようにお考えですか?
A:単純事務処理はAIによる自動化にシフトしていきます。イー・ガーディアンはAIを活用することで、人手をかけずにアウトソーシングを受託することができるようになり、また、既存の人員はより高いスキルを習得し、新しいアウトソーシングにつなげていくことができると考えています。
質疑応答(要旨)⑳
Q:ビーキャップについて、2024年度は大幅な減益ですが、理由を教えてください。また今期の状況についても教えてください。
A:ビーキャップはエンタープライズの顧客を開拓しており、すでに大手企業にも導入されています。これによる販管費の増加、システムのリプレイス等の費用が計上されていますが、今期以降の進捗は順調です。
質疑応答(要旨)㉑
Q:能動的サイバー防御の関連法案提出が来年以降に延期される見通しですが、イー・ガーディアン及びサイリーグホールディングスへの今後の事業拡大に支障はあると考えますか?
A:能動的サイバー防御は世界的に見ても重要な論点であり、今後当社サービスとしてラインナップされることも考えられますが、現時点では当社グループの事業には組み込まれていないことから、法案提出延期による当社の事業拡大に大きな影響はありません。
今後を見据え、中央省庁の案件を着実に獲得していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)㉒
Q:サイリーグホールディングスと三井住友フィナンシャルグループ、三井住友海上火災保険の合弁会社設立は大きなニュースだと思いますが、収益が発生するタイミングはいつになりますか?
また、福留社長の言うサイバーセキュリティ領域の「仲間」が増える予定はありますか?
A:この会社の収益化は2025年の設立、サービス普及後となります。
また、今後仲間を増やすため、現在常にさまざまな会社とコミュニケーションを取っています。
質疑応答(要旨)㉓
Q:ふるさと納税事業について、利用者のリピート率は何パーセントで推移しているか教えてください。
市場が伸びているのにもかかわらず、2021年度をピークとして頭打ちしている原因が、新規顧客が流入していないからなのか、既存利用者が離れているからなのか、教えてください。
A:ふるさと納税事業は2021年度からみても総寄付額は上がっており、コンスタントに成長しています。
当社のプラットフォームの全体の約80パーセント以上がリピーターで、残り約20パーセントがここ数年での流入顧客でありインセンティブに敏感な層であると考えています。この約2割の顧客に対して施策を打ち、離反を防ぐことが重要であると考えています。
質疑応答(要旨)㉔
Q:「ふるさとチョイス」のOEMの好調によって業績を押し上げているようですが、この傾向は今後も続いていきますか?
A:ふるさと納税事業は、豊富な顧客基盤を抱えた大手企業と引き続き提携を進めていきたいと考えています。
パートナーとのアライアンスを通じた事業を拡大していくことでエコシステムを作り出していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)㉕
Q:法人向けのふるさと納税の状況を教えてください。
A:法人向けふるさと納税は、市場全体が拡大しています。当社の関連会社であるホープがサービス提供する企業版ふるさと納税は順調に推移しています。
質疑応答(要旨)㉖
Q:今後のふるさと納税市場の見通しについて教えてください。制度変更後、1ヶ月が経ちますが利用者の行動はどう変化していますか?
A:2024年10月より、ふるさと納税の返礼品に関するルールに一部変更がありましたが、この変更によるインパクトはなかったと整理しています。
しかしながら、2025年10月よりポイントを付与するサイトを通じた寄付の募集が禁止されることは利用者の行動に大きく影響すると見込んでいます。今後、ふるさと納税の本来の趣旨に沿った地方創生をテーマにした取り組みにどう戻していくかが課題になると考えています。
質疑応答(要旨)㉗
Q:ふるさと納税に関して御社の返礼品を他社が真似することはできるのでしょうか? 来年の制度改正により他社も返礼品の充実を志向した場合に、「ふるさとチョイス」の返礼品を真似されて御社の強みが薄くなる等の懸念はありますか?
A:「ふるさとチョイス」の返礼品を他社が同じように取り扱うということは制度運営上可能であると考えますが、返礼品の納品を「ふるさとチョイス」のみに限定している事業者がいることや、共同開発した商品含め「ふるさとチョイス」独自の商品が1万点以上ある等、優位性は高いと評価しています。
また、新しい取り組みとして、オーダーメイド型の返礼品の提供を始めています。このようなオリジナリティのある返礼品のラインナップを今後も充実させ、差別化を図っていきたいと考えています。
質疑応答(要旨)㉘
Q:ふるさと納税のポイント付与が来年で最後になりますが、最後だから導入してシェアを取ろうという考えはありますか?
A:一切ありません。ふるさと納税によるポイントの付与が規制されるということは、総務省はポイントの利活用を是としていないという意思表示です。当社グループがそれを活用してシェアを取りにいくことはありません。
現在、ポイント付与がふるさと納税市場の競争の軸になっていることは理解していますが、ポイント付与以外の自助努力をするべきとの結論に至りました。総務省の制度趣旨に沿った運営を徹底したいというのが経営の考えです。
質疑応答(要旨)㉙
Q:ふるさと納税について、第2四半期期間中に米の品薄がニュースになっていましたが、米の返礼品への駆け込み需要は見られましたか? 可能であれば、QA発表時に影響額の試算をお示しください。
A:具体的な額は開示できませんが、お米の返礼品が常に「ふるさとチョイス」のランキング1位の週がありました。報道の影響は大きく、小売店でお米が品薄の状態の中、お米の返礼品が多く選ばれた事実はあります。
質疑応答(要旨)㉚
Q:ガバメイツとトラストバンクが同時に参画しているプロジェクトがあれば教えてください。
A:自治体のマーケットに対しサービスを展開しており、共同でプロジェクトを展開している事例もあります。
質疑応答(要旨)㉛
A:東光コンピュータ・サービスは、自治体のDX化に関するサービス展開は検討されていますか?
Q:東光コンピュータ・サービスは、自治体向けの事業も展開していますので、自治体のDX化の協業も進めていきたいと考えています。
質疑応答(要旨)㉜
Q:LoGoシリーズについて、現在はかなりディスカウントしていると株主総会でお話しされていましたが、今後値上げの予定はあるか教えてください。
A:LoGoシリーズについて、現時点で値上げの予定はありません。
ITサービスは価格に対して高い付加価値を創出するべきと考えています。当社グループが提供するサービスの付加価値は定量化しており、価値に見合った価格を算定すると値上げの余地はあるものの、現時点で単純な値上げはしない考えです。
質疑応答(要旨)㉝
Q:富士通が地方自治体の基幹業務システムの統一・標準化における期限内の移行を断念したとの報道が出ていますが、チェンジグループのソリューションの標準化への対応は大丈夫でしょうか?
A:地方自治体の基幹システムの標準化を2025年に完了させるのは難しいと評価しています。
当社グループのSaaSビジネスは最初から標準化されており、自治体ごとに独自の仕様を作りこむことはせずに、1000以上の自治体の方に同じ仕様のシステムを使っていただいています。
質疑応答(要旨)㉞
Q:LoGoシリーズは無償提供の自治体も含めた総数の伸びが鈍化しているように見えます。現状は中期経営計画からみた進捗は想定どおりでしょうか?
また、数年後にはそれぞれ有償、無償の自治体数の目標はありますか? クロスセル、アップセルを想定されて追加しようとしている機能など、可能な範囲で教えてください。
A:「LoGoフォーム」「LoGoチャット」は計画どおりに進捗しています。全国自治体数には限りがありますので、現在の利用数を加味すると新規獲得数は鈍化のフェーズに入ったと言えます。
しかしながら、全国に1700以上の自治体がある中で、LoGoシリーズは1400自治体以上の高いシェアを獲得していることから、今後は製品ラインナップの拡充にいかに注力できるかが勝負になると考えています。
質疑応答(要旨)㉟
Q:チェンジグループのシステムを使用している地方自治体や企業は増加しているかと思われますが、全地方自治体のどのくらいが御社のシステムを採用されていますか? また、未だ採用していない地方自治体はどのくらいありますか? 今後採用される可能性も含めて教えてください。
A:「LoGoチャット」は1466自治体、「LoGoフォーム」は755自治体に利用いただいています。全国自治体数である1788の獲得に向けてデファクトを取っていきます。
質疑応答(要旨)㊱
Q:親子上場の見直す機運もありますが、東証の基準変更に先行してイー・ガーディアンとの関係の見直し(完全子会社化や資本関係の解消)は視野にありますか?
A:現時点でイー・ガーディアンとの関係の見直しは考えておりません。利益相反等の課題をしっかり管理した上で、引き続き事業上のシナジーを高めていきたいと思います。
質疑応答(要旨)㊲
Q:DFA Roboticsの社長が変わっているようですが、前社長は退職されたのですか?
A:波多野氏は代表取締役を退任していますが、現在も取締役として経営に携わっています。なお、現在代表取締役は松林氏が引き続き務めており、事業を先導しています。
質疑応答(要旨)㊳
Q:売上と営業利益のうち、SaaSのような毎月一定の収益が計上されるものの割合はどれくらいでしょうか?
A:当社グループ全体のビジネスに占めるSaaSの割合は約10パーセント、BPOやプラットフォーム収益は約70パーセントから80パーセントであり、これらは一定の収益が継続的に発生していることから、安定した収益基盤であるといえます。
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