【QAあり】HENNGE、前期比増収増益で好調に推移 コーポレート・ブランディングを強化しARR成⻑加速と生産性向上へ

投稿:2024/11/14 08:00

2024年9月期 通期決算説明

小椋一宏氏(以下、小椋):みなさま、こんにちは。HENNGE株式会社代表取締役社長CEO兼CTOの小椋です。当社グループの決算説明動画をご視聴くださり、ありがとうございます。

本日はまず、取締役副社長の天野から2024年9月期の通期業績などについてご説明した後、私から2025年9月期の業績見通しと成長戦略についてお話しします。どうぞよろしくお願いします。

連結業績サマリー (対前年同期比、12か月累計比較)

天野治夫氏(以下、天野):2024年9月期通期の連結業績についてご説明します。連結業績のサマリーは、スライドのとおりです。

売上高は期初の通期業績予想に即した着地となりました。各段階利益については、期初の通期業績予想を上回り、特に当期純利益については、第3四半期に特別利益を計上したため、期初の通期業績予想を大きく超過しました。

売上高の推移

連結売上高の四半期ごとの推移は、スライドのとおりです。HENNGE One事業の売上高はすべてリカーリングの性質をもっており、四半期ごとに増加する傾向となっています。

2024年4月以降、HENNGE Oneの価格改定が始まったことで、第3四半期に引き続き、当四半期もHENNGE One事業の売上高は大きく伸長しました。

売上高 (対前年同期比、12か月累計比較)

連結売上高の前年同期比は、スライドのとおりです。

売上総利益の推移

売上総利益および売上総利益率の四半期ごとの推移は、スライドのとおりです。

売上総利益 (対前年同期比、12か月累計比較)

売上総利益および売上総利益率の前年同期比は、スライドのとおりです。為替変動やセキュリティ強化などによるHENNGE Oneのインフラコスト増や、開発人員の拡充などがあるものの、ARPU(ユーザあたり単価)の上昇などにより、売上総利益率は上昇しました。引き続き高い水準を維持しています。

営業費用の構造 (対前四半期比)

営業費用の構造の前四半期比は、スライドのとおりです。人件費等は、期末決算に伴う賞与や諸手当などの計上により、また、その他販管費は、9月に実施した1億円規模の採用広告などの採用促進費用が計上されたことなどにより、前四半期と比べると大きく増加しました。

営業費用の構造 (対前年同期比、12か月累計比較)

営業費用の構造の前年同期比は、スライドのとおりです。2024年9月期は採用が難航したことで、人件費は計画よりも低い水準となりました。

しかしながら、9月に実施した期初計画外の採用広告などの採用促進費用の増加や、セキュリティ強化などに伴いHENNGE Oneのインフラコストが期初の想定よりも増加したことにより、結果として、営業費用の総額は概ね計画どおりとなりました。

売上高と営業費用の推移

売上高と営業費用の四半期での推移は、スライドのとおりです。

従業員の推移

従業員数の過年度からの推移は、スライドのとおりです。2024年9月期は、期初計画では50名以上の純増を目指していましたが、人材獲得競争の厳しさ、採用マーケット全体からの当社の認知度の低さ、採用力不足などにより、28名の純増となりました。

キャッシュ‧フローの推移 (対前年同期比、12か月累計比較)

キャッシュ・フローの推移は、スライドのとおりです。

事業トピックス

事業の進捗についてご説明します。事業トピックスはスライドのとおりです。

第4四半期の広告宣伝活動

第4四半期の広告宣伝活動は、スライドのとおりです。リブランディングしたHENNGE Oneの新たな価値をより多くの方に伝えるため、全国各地でさまざまなイベントに出展、共催、登壇しました。

採用広告の展開

2024年9月に採用候補者からの認知を向上すべく、全国の主要駅や一部の大学構内などで採用広告を展開しました。

HENNGE Oneの3つの機能 (2024年7月〜)

2024年7月に、HENNGE Oneに3つの機能を追加しました。今後も最新の市場ニーズに対応し、「テクノロジーの解放」の実現に取り組んでいきます。

HENNGE One KPIのハイライト (対前期末比、12か月進捗)

KPIの進捗についてご説明します。前期末からのHENNGE Oneの各KPIの進捗は、スライドのとおりです。

HENNGE One KPI (対前年同期末比)

HENNGE OneのKPIの前年同期末比は、スライドのとおりです。

HENNGE One平均月次解約率の推移

平均月次解約率は、スライドのとおりです。当四半期も、従来の解約理由に加え、2024年4月からの価格改定をきっかけとした解約が発生しました。大きめの企業の解約が何件か発生したこともあり解約率は上昇しましたが、2024年4月からの価格改定により解約率はある程度上がる前提で想定しており、期初想定の範囲内です。

当社としては、引き続き安定的で持続可能な成長モデルを維持できるものと考えています。理論上の平均契約年数は15年以上です。

HENNGE One契約企業数と契約ユーザ数の推移

HENNGE Oneの契約企業数と契約ユーザー数の四半期ごとの推移は、スライドのとおりです。引き続き販売パートナーとの連携強化が進んだことにより、比較的中小規模の契約を安定して獲得することができています。

一方で、契約ユーザー数については、大きめの企業の解約などの影響により微増にとどまりました。

HENNGE One ARRとARPUの推移

ARRとARPUの四半期ごとの推移は、スライドのとおりです。当四半期のARPUは、2024年4月からの価格改定の影響もあり、順調に増加しました。

当四半期末時点で価格改定の対象となる既存顧客のうち、企業数ベースで約5割の新プランへの移行が完了しています。引き続きHENNGE Oneの価値をご理解いただくための活動を進めていきます。

2025年9月期の方針

小椋:2025年9月期の通期業績見通しについてご説明します。2025年9月期は、コーポレート・ブランディングを強化し、中長期的なARR成長の加速と生産性向上を目指していきます。

現在の主力サービスであるHENNGE One事業は、2025年9月期中でのARR100億円達成を目指します。マーケティング、採用、事業投資などについては、ARR100億円の先の事業拡大を見据えて活動していきます。

これらに加え、中長期的なARR成長の加速のためには、コーポレート・ブランディングの強化が重要であると考えています。一朝一夕で達成できるものではないため、しっかりと将来を見据えて投資していきます。

連結業績見通し (通期)

連結業績見通しについては、スライドのとおりです。2025年9月期も20パーセント以上の売上高成長を目指し、各段階利益も増益を見込んでいます。

売上高の推移 (通期)

売上高の過年度からの推移と、2025年9月期の見通しは、スライドのとおりです。

営業費用(原価+販管費)の推移 (通期)

広告宣伝費と広告宣伝費を除いた営業費用の過年度からの推移と、2025年9月期の見通しは、スライドのとおりです。広告宣伝費には一部コーポレート・ブランディングのための費用を予算計上しています。

経営理念

当社の成長戦略についてご説明します。HENNGEの経営理念は「テクノロジーの解放」です。私たちはテクノロジーが大好きで、テクノロジーが世の中を良くしていくと強く信じています。

この力をできるだけたくさんのお客さまに届けることによって、世の中を少しでもよい方向に動かしたいというのが私たちの思いです。

HENNGEは創業以来25年以上、この「テクノロジーの解放」を理念として掲げており、さまざまな分野、さまざまな方法でテクノロジーを解放してきました。その結果、SaaSはテクノロジー解放のための最もフェアで洗練された効率的な手段であるという考えに至っています。

私たち自身もSaaSを提供していますし、お客さまのSaaS活用を通した変革を応援していきたいと考えています。

LTV最大化

このようなテクノロジーの解放を通して、私たちがお客さまに届けているテクノロジーの総量、私たちの理念の実現の証左となるのが、LTV(ライフタイムバリュー)、すなわち私たちが保有する契約の総価値です。私たちの成長戦略は、このLTVの最大化を目指しています。

LTVの最大化、つまり将来にわたって得られる累計売上総利益額の最大化を追求することで、さらなる事業成長のための投資を増額しても、安定的に利益を増やすことができるモデルを堅固なものにしていきたいと考えています。

現在、平均契約年数と売上総利益率は、すでに高い水準にあります。したがって、LTVの最大化にはARRの最大化が必要な状況です。私たちは投資対効果の高い活動を積極的に行い、ARRを積み増すことに注力します。

また、ARRは3つの要素に分解できると考えています。契約企業数、平均ユーザー数、ユーザあたり単価(ARPU)です。私たちは現在、契約企業数とARPUの向上に注力することで、ARR成長を目指しています。

成⻑戦略の進捗 (HENNGE One)

HENNGE Oneにおける3つのKPIの実際の推移は、スライドのとおりです。

HENNGE Oneを主力とする当社グループのビジネスは、基本的にサブスクリプションモデルです。当期中に獲得した契約は、解約されない限り積み上がっていき、翌期以降の売上の基盤となっていきます。

スライドのとおり、HENNGE OneのARRは、順調にかつ安定的に積み上がってきていることがご確認できるかと思います。特にこの数年は、東京以外の主要都市でもクラウド型のワークスタイルに移行する企業が増加しており、この波を捉え、販売パートナーとの連携強化により、効率的に多くの比較的中小規模の契約を獲得できています。

また、拡大する市場ニーズに対応した新サービス・新機能を数多くリリースすることで、ARPUも増加させることができました。その結果、ARRも2024年9月期において18億円以上増加し、ARR成長率も大きく伸ばすことができました。

中期目標

2025年9月期中でのARR100億円の達成を目指していますが、次のマイルストーンは2029年9月期でのグループ全体のARR200億円に設定します。

既存事業の推進を軸に据えつつ、将来のARRの成長率の変曲点を作るため、日本以外での地域拡大やM&A等に挑みながら、200億円の先も成長する、より盤石な基礎を作り上げたいと考えています。そのため、2029年9月期の営業利益率の目標は20パーセントとします。

⻑期ターゲット (イメージ)

私たちは、これからも経営理念である「テクノロジーの解放」を継続し、2035年9月期から2037年9月期に、ARR1,000億円、潜在的な営業利益率50パーセントを実現するビジネスモデルを構築していきたいと思っています。

この達成には、今後10年以上にわたり、ARRの年平均成長率が20パーセントから30パーセントである必要があり、決して容易ではないと認識しています。

能動的な新規市場の開拓や、M&A等による付加価値拡大のサイクルを継続し、私たちが目指す将来像への達成確度を上げていきます。

World Class IT Companyへの道

これらの実現にはさまざまな障壁が現れると思います。それらの困難を乗り越え「World Class IT Company」となるべく、一丸となって事業を推進していきます。

そのために欠かせないのが、強いHENNGEブランドです。例えば、質の高い人材がHENNGEの理念に共感し、魅力を感じていただくことができれば、採用は推進しやすくなります。

また、ビジネスパートナーのみなさまから、HENNGEとコラボレーションすることで、ともにビジネスを加速させたい、HENNGEと一緒であればなにかおもしろいことができるに違いないと思っていただければ、M&Aやアライアンス等もスムーズに進めることが可能になります。

お客さまからHENNGEの実績に裏付けられた優位性を評価していただき、信頼を得られれば、新規開拓を効率的に推進することが可能になります。また、お客さまにHENNGEの先見性と、それがもたらす価値を確信していただければ、ARPUの向上にもつながると考えています。

強いHENNGEブランドは短期間かつ容易に確立できるものではないため、今後も継続的にブランド構築のための活動にも注力し、ARR1,000億円への道筋を確固たるものにしていきたいと思っています。

企業価値の持続的向上のために

私たちは今後も事業を成長させ、企業価値の継続的な向上を実現していきたいと考えています。企業規模が大きくなると、例えば上位市場へのくら替えなどの可能性が高まり、コーポレート・ガバナンスの強化や、株主還元の充実を図ることが必要となります。

取締役会の専門性や背景の多様化、創業者持株比率の適正化など、独立性と透明性が高められた体制の構築も必要になります。さまざまな要求事項や課題に対応すべく、まずは監査等委員会設置会社への移行を予定しており、今後もコーポレート・ガバナンスの強化を推進していきます。

また、企業価値を高め、長期的な成長を促進するためには、株主還元も重要であると考えています。2024年12月開催予定の定時株主総会にて、1株当たり3円の配当を実施する旨を付議する予定です。今後は累進的な配当を目指します。

以上、2024年9月期通期決算についてご説明しました。

2024年9月期 総括

小林遼氏(以下、小林):ご質問をお待ちしている間に、2024年9月期を振り返りたいと思います。

連結業績サマリーに記載のとおり、2024年9月期の売上高は100.6パーセントと、期初策定の通期業績見通しを達成しています。

決してコンサバに設定しているターゲットではなく、ある程度ストレッチを効かせた上で、このターゲットを達成しなければならないと期初に考えていたため、この結果はポジティブに評価できると思っています。

HENNGE One事業単体では99.7パーセントの達成となり、0.3パーセントほど届きませんでしたが、こちらも概ね順調かと思っています。また2024年4月から価格改定を行い、着実に進捗しています。

プロフェッショナル・サービス及びその他事業に関しても、ある程度期初に想定したとおりに活動できたと考えており、売上高はその結果がついてきていると思っています。

コスト面では、数値上は営業利益も経常利益も少し上振れにはなっていますが、活動自体はさまざまなことを着実に行ってきました。

もちろん、採用に対する課題は解消したわけではありません。50名超の純増を目指し、結果的に28名の純増に終わっているところもあるため、期初計画に対して人件費は下回っているというのが実態です。

こちらは、当社の認知度に課題があるということで、そこを挽回すべく、採用に関連するブランド力向上のための活動をこの9月に1億円規模で実施しました。その結果、費用はおおよそインラインで終わっています。

その活動の結果は現在分析中のため、わかり次第共有できればと思っています。

各種KPIも、概ね順調に増えている状況です。平均ユーザ数は継続的に下落傾向にありますが、決して悲観するものではなく、私たちの販売パートナーとのリレーション強化により、契約企業数で着実に実績を作れています。

これはアプローチしているお客さまがSMB寄りになっているということであり、今後も安定的に契約企業数を積み上げていくため、販売パートナーとの連携を強化していきたいと考えています。

もちろん、エンタープライズも視野に入れた活動をしっかり行いたいと思っています。

私たちはこれまで、ガバナンス系の発表などを決算資料の中に組み込むことがありませんでしたが、今回初めてコーポレート・ガバナンスに関連することも記載しています。その背景や2024年9月期の総括について、天野と小椋からコメントします。

天野:2024年9月期の株主総会が12月24日に予定されていますが、そちらへの上程に向け、会社形態を監査等委員会設置会社へ移行することを取締役会で決議しました。

また、当社としては初めて配当を行う予定であり、それも株主総会に上程します。このようにさまざまなコーポレート・アクションが増え、ワクワクしています。

業績についても、HENNGE OneのARRの年間成長率が26.3パーセントと、私たちが上場した2019年9月期と同じように20パーセント台後半に戻ってきています。

このように成長率のカーブがぐっと上がってきているのも、この2年間、3年間ぐらいかけて取り組んできたことの結果がとうとう出てきたということで、手応えを感じています。

小椋:私はこれまで、3ステップで成長の型を作っていく中で、まずはARR100億円を目指すということを3年ほど前に申し上げ、着々と進めてきました。

そして2025年9月期で、それを予測できる状況になりつつあるのは、このサイクルがしっかりと進捗している証だと感じています。

この3つのステップとは、まず広告宣伝により認知を獲得しつつ新機能を開発・発表し、次にそれを新規顧客向けに展開する、そして既存顧客にも拡販していくというものです。2025年9月期に向け、順調にサイクルが進捗しているというのが大変感慨深いです。

そのようなこともあり、2025年9月期についてはARR100億円を目指す中、2026年9月期以降については、ARR200億円を次のマイルストーンとして設定しました。

さらにはその先のARR1,000億円も踏まえて、中長期的な見通しとして、私たちの中ではどうすればそこにたどり着けるか、という新しい目標をセットしたところです。

2025年9月期がひとつのサイクルの終わりになると同時に、新しい挑戦の始まりであるという意味では、2024年9月期はいい結果で終われたと考えています。

司会者:質疑応答に移ります。なお、事前にご質問いただくことが多いと想定した項目については、当社のIRサイトQ&Aを開示しています。併せてご覧いただければ幸いです。

質疑応答:社長の和装スタイルの変更について

司会者:「社長の和装スタイルは、業績がどのようになったときに変えるのでしょうか? いつも気になっています」というご質問です。

小椋:変えるという意識ではありませんでしたが、実は、同じように見えて少しずつ変わっており、HENNGEしています。映像には映っていませんが、最近は足元をスニーカー風の足袋にしており、少しずつ違う新しい要素を取り入れているところです。

そのため、どのようになったら変えるのか? というご質問には、実はHENNGE Oneと同じように、毎年少しずつちょうどいいかたちで進化しているというお答えになると思います。

質疑応答:第4四半期の新プラン移行と契約企業数の増加について

司会者:「第4四半期での新プラン移行割合は何割程度でしょうか? 契約企業数が前四半期比で98社増とSMBを中心に比較的大きく増加しましたが、これは取り組みの結果なのか自然な増加なのか、背景を教えてください」というご質問です。

小林:第4四半期における新プラン移行割合は、4月から9月までの期間で、契約企業数ベースで約5割となっています。

前回の決算説明会では第3四半期の移行割合を約3割とお伝えしていましたが、その差が第4四半期で動きました。大きなサプライズはなく順調に進んでいるという認識です。この移行は来年3月まで続きますが、ある程度順調に動くのではないかと思っています。

また契約企業数は、特にSMBを中心に増加している状況です。先ほども少しお伝えしたとおり、販売パートナーとの協業やリレーションの強化が、かなり効いていると考えています。我々だけではリーチが難しい地域の方々へリーチできるようになるなど、結果、相対的にSMBの契約が伸長しています。

これに関しては決して自然体ではなく、販売パートナーとのリレーション強化にかなり力を入れてきた結果だと考えています。我々の過去の広告宣伝活動や営業メンバーの働きかけなどが、結果につながってきているという認識です。

質疑応答:第4四半期の広告宣伝費の効果について

司会者:「第4四半期に行った屋外広告等の多額の広告宣伝費について、足元の引き合いなど効果をどのように感じていますか? 採用や顧客獲得において、何か効果を計測する定量的な分析や定性的なコメントがあれば教えてください」というご質問です。

小林:この9月に、東京・名古屋・大阪・福岡を中心にさまざまな採用広告を出しました。各地域における大学食堂のトレイに、HENNGEのロゴを入れたアピールなども行いました。

それらの実施内容に対する結果は、現在分析中です。定量的に示すのはなかなか難しいですが、例えば広告の中にQRコードを入れて採用特設サイトへ誘導するといった施策を行い、実際にかなりのアクセスを得ています。

直近の採用数などにすぐに影響するようなことはないと考えていますが、今後はコンバージョンレートなどへの影響を注視していくことが必要だと思っています。

また今回行った施策に対して、もう少し工夫すれば、例えば特設サイトへの流入量が増えたのではないかということも考えられます。そのあたりの分析も継続的に実施していきたいと思っています。

小椋:私は非常に保守的なため、広告を出す場合は本当に効果があるのかをはじめ、誰に向けた広告なのかなどを事細かに突っ込んで確認するタイプです。

屋外の広告に関しては、効果測定にどうしても限界があるため、現実的にはエリアとターゲット層が絞れているかを決めた上で投下することが、実現可能な手段だと考えています。

広告に載せたQRコードからのアクセス数自体は数えられますが、どうしても限界があるのが実際のところです。まず、完全な計測は難しいとお伝えしておきます。

一方、定性的な効果としてはかなり反応をいただいたという印象です。面接に来られた方や、もともと知っている人たちからご連絡をいただいたりすることもありました。そのため、私たちが想定しているターゲット層に、想定以上に見られているという実感が得られました。

改善の余地はたくさんあるため、通常の広告で我々が行っているものと同じようなプロセスで費用対効果を改善していく予定ですが、初手としては比較的良いフィードバックが得られたという印象です。

天野:私は新宿駅の大型広告を見に行きました。広告には、採用につながる、お客さまに知っていただく、認知を高めていくということの他にも、社内の士気が高まるという補完的な効果もあるのではないかと思っています。

業績に一定の結果が出て、さらに次の挑戦に入りつつある中で、大型の広告を出して、会社の団結力が高まっていく様子を垣間見ることができました。そのような観点からも効果があると感じています。

質疑応答:2029年9月期のARR200億円目標の実現性について

司会者:「2029年9月期のARR200億円目標達成について期待しています。こちらの達成はオーガニック成長のみを想定しているのでしょうか? もしくは値上げなど何かを織り込んでいる要素があるのでしょうか? 可能であれば、ARR200億円の内訳について、N×n×ARPUの視点から教えていただきたいです」というご質問です。

小林:2029年9月期のARR200億円について、まず軸となるのは既存事業であると考えています。まだマーケットにはポテンシャルがありますし、我々自身で新しいサービスや機能を追加する余地があると考えています。そのため、既存事業を成長させるところが第1のステップだと思っています。

ただし、この先5年間で年平均成長率20%以上を維持する点については、規模が拡大し分母が大きくなるにつれて難易度が増すことも理解しています。そのためオーガニックだけではなく、非オーガニックの部分についても頼らざるを得ないと思っています。

したがって2025年9月期の方針の中で、事業投資にもフォーカスしていくとお伝えしています。M&Aを含めた事業投資が、この先我々にとって重要な戦略になると思っています。

ARR200億円におけるKPIの内訳は、お伝えが難しいところです。ご理解いただけますと幸いです。

小椋氏からのご挨拶

小椋:本当に重要な節目になる1年間が始まったところです。

2025年9月期は次の目標として示しているARR200億円、そしてARR1,000億円に対して踏み出していく第1ステップでもあります。私どもも、非常に士気高く挑むつもりでがんばっています。

今後も持続的な成長ができるビジネスモデルを築いていきます。50年後、100年後も成長し続けているような会社を作ることが、私どもが目指している世界です。

ぜひ末永くお付き合いくださいますよう、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。

その他お知らせ

司会者:当社では、決算資料の他、以下の資料も同日に開示しています。併せてご覧ください。なお、次回、2025年9月期第1四半期の決算開示は、2025年2月4日午後3時半を予定しています。

「業績予想と実績値の差異に関するお知らせ」

「剰余金の配当(初配)に関するお知らせ」

「事業計画及び成長可能性に関する事項」

「人的資本に関する取り組み」

配信元: ログミーファイナンス

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