今週のポイント
FRB(米連邦準備制度理事会)は17-18日にFOMCを開きます。市場は利下げが行われると予想しており、FOMCの焦点は利下げ幅(0.25%か0.50%か)になっています。
11日発表の米国の8月CPI(消費者物価指数)などを受けて、0.50%の利下げ観測が後退すれば、米ドルが全般的に堅調に推移しそう。米ドル/カナダドルは上値を試し、一方で豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは下値を試す展開になると考えられます。
主要国の株価動向にも注目です。米国の景気減速への懸念などから主要国の株価が軟調に推移すれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、クロス円に下押し圧力が加わるかもしれません。
メキシコペソについては、司法制度改革をめぐるメキシコ議会の動きに要注意です。司法制度改革によって司法の独立性が脅かされると市場は懸念しており、それが足もとのメキシコペソ軟調の主な要因となっています。司法制度改革案は4日に議会下院で承認されて、上院に送付されました。今週中に上院で審議が始まるとの報道があります。司法制度改革案が成立に向けてさらに前進する場合、メキシコペソに対する下押し圧力は一段と強まる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07200NZドル~1.09000NZドル>
豪ドル/NZドルは8月16日に一時1.10515NZドルへ上昇した後に反落し、9月6日には1.07931NZドルへと下落する場面がありました。
豪ドル/NZドルの為替レートは“豪ドル/米ドル÷NZドル/米ドル”で算出されます。市場の注目がFRBの金融政策へと向かって米ドル主導の相場展開となるなか、足もとの豪ドル/NZドル下落は “豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルの変動幅の差”による影響が大きいと考えられます。
今後、市場の関心がRBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の金融政策にも向けば、豪ドル/NZドルは上昇傾向に転じる可能性があります。RBAは23年11月に利上げを実施した後、政策金利を4.35%に据え置いており、「必要なら、追加利上げを行う」との姿勢です。RBNZ(NZ中銀)は8月の政策会合で0.25%の利下げを行ったうえ、「今後さらに利下げする可能性」を示しました。RBAとRBNZの金融政策スタンスには違いがあります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34500カナダドル~1.37000カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は9月4日に政策会合を開き、0.25%利下げすることを決定。政策金利を4.50%から4.25%へと引き下げました。利下げは3会合連続です。
マックレムBOC総裁は会合後の会見で、「インフレ率が7月時点の予測におおむね沿って鈍化し続ければ、政策金利のさらなる引き下げを予想するのが妥当だ」と述べ、追加利下げを示唆。マックレム総裁はまた、今後発表されるデータとそれがインフレ見通しに与える影響を評価するとし、「必要なら、より大幅な措置を講じる用意がある」とも述べました。BOCのこうした金融政策スタンスは、カナダドルにとってマイナスと考えられます。
米ドル/カナダドルについては、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策も重要です。8月のCPI(11日発表)など米経済指標の結果によって9月17-18日の米FOMCでの0.50%の利下げ観測が後退する場合(米ドルにとってプラス)、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わりそうです。
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