【株急落・市場の声】「半期末控え国内年金勢の日本株買いに期待」アイザワ証券・三井氏
4日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比で一時1800円を超す下げとなった。8月の米ISM製造業景況感指数が好不況の境目となる50を5カ月連続で下回り、市場予想に対して下振れして着地した。米国景気の減速懸念が強まるなかで、エヌビディア<NVDA>の株価が急落し、1日の時価総額の減少額として米国史上最大となったことも投資家心理を冷やしている。エヌビディアに関しては米司法省が反トラスト法違反の疑いで、調査を本格化させたとも伝わっている。この先、日本株は再び下値を探る展開となるのか。アイザワ証券・投資顧問部ファンドマネージャーの三井郁男氏に今後の展望を聞いた。
●「株安・円高のスパイラルに至らず、3万6000円台は維持か」
三井郁男氏(アイザワ証券・投資顧問部ファンドマネージャー)
米株式相場はこれまで高値圏で推移しており、利食いが入りやすい状態にあった。「マグニフィセント7」への物色集中が分散に向かう流れのなかで、9月3日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が急落した。中国の景気不安に米ISM製造業景況感指数の公表を受けた米国景気の減速懸念も重なった状況で、日本株は短期的に戻りにくい局面を迎えることとなりそうだ。
一方、8月上旬の急落局面のように、株安と円高がスパイラル的に進行している訳ではなく、先月ほどの大きな悲観が生じている感じではない。日本国内に関してはデフレからの脱却への期待が膨らむなかで、内需は底堅く賃上げ効果が見込まれ、設備投資動向もしっかりとしたものとなっている。この先株安が進んだとしても、日経平均は3万6000円台を維持するとみている。押し目を形成したところでは、上場企業による自社株買いが相場の下支え要因となるだろう。半期末を控えていることも注目ポイントだ。日本株は4月以降、グローバル対比でパフォーマンスが低い状況にあった。その結果、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など国内年金勢の日本株のアロケーションがアンダーウエートとなっている可能性があり、今後は日本株に配分を積み増す動きが期待できる。
円高懸念がくすぶるなかで外需セクターは手掛けにくい半面、百貨店を中心とした小売セクターや建設セクターなど内需株は底堅く推移しそうだ。三菱地所<8802.T>など不動産株もファンダメンタルズ自体はそれほど悪いものではない。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の設備投資の恩恵を受けるNTTデータグループ<9613.T>や富士通<6702.T>などのIT・ソフトウェア関連は、大型株とともに中小型株も循環物色の候補となるだろう。
出所:MINKABU PRESS
●「株安・円高のスパイラルに至らず、3万6000円台は維持か」
三井郁男氏(アイザワ証券・投資顧問部ファンドマネージャー)
米株式相場はこれまで高値圏で推移しており、利食いが入りやすい状態にあった。「マグニフィセント7」への物色集中が分散に向かう流れのなかで、9月3日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が急落した。中国の景気不安に米ISM製造業景況感指数の公表を受けた米国景気の減速懸念も重なった状況で、日本株は短期的に戻りにくい局面を迎えることとなりそうだ。
一方、8月上旬の急落局面のように、株安と円高がスパイラル的に進行している訳ではなく、先月ほどの大きな悲観が生じている感じではない。日本国内に関してはデフレからの脱却への期待が膨らむなかで、内需は底堅く賃上げ効果が見込まれ、設備投資動向もしっかりとしたものとなっている。この先株安が進んだとしても、日経平均は3万6000円台を維持するとみている。押し目を形成したところでは、上場企業による自社株買いが相場の下支え要因となるだろう。半期末を控えていることも注目ポイントだ。日本株は4月以降、グローバル対比でパフォーマンスが低い状況にあった。その結果、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など国内年金勢の日本株のアロケーションがアンダーウエートとなっている可能性があり、今後は日本株に配分を積み増す動きが期待できる。
円高懸念がくすぶるなかで外需セクターは手掛けにくい半面、百貨店を中心とした小売セクターや建設セクターなど内需株は底堅く推移しそうだ。三菱地所<8802.T>など不動産株もファンダメンタルズ自体はそれほど悪いものではない。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の設備投資の恩恵を受けるNTTデータグループ<9613.T>や富士通<6702.T>などのIT・ソフトウェア関連は、大型株とともに中小型株も循環物色の候補となるだろう。
出所:MINKABU PRESS
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