ユーロ売り主導、独各州のインフレ鈍化を受けて 欧州株は堅調に=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/08/29 20:27
ユーロ売り主導、独各州のインフレ鈍化を受けて 欧州株は堅調に=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ユーロ売りが主導している。日本時間午後5時発表のドイツ各州ごとの8月消費者物価指数が前月比、前年比ともに伸び鈍化を示したことに反応。ユーロドルは1.11台前半から1.10台後半に、ユーロ円は161円付近から160円割れ目前まで下落。対ポンドでもユーロが売られている。その後に発表された8月のユーロ圏景況感が改善したことでユーロ売りは一服しているが、反発力は鈍い。市場ではECBの9月利下げを完全に織り込み、10月利下げ観測もやや上昇している。ポンドはユーロに連れ安。ポンドドルは1.32台前半から1.31台後半へ、ポンド円は191円台前半から190円台前半まで軟化した。足元では下げ渋りとなっている。ユーロポンドは0.84の節目水準に接近し、約1カ月ぶりのポンド高水準となっている。対ユーロでのポンド買いは健在だ。一方、豪ドル、NZドル、カナダドルなどは堅調に推移している。決算後の米エヌビディア株の下落にもかかわらず、欧州株や米株先物・時間外取引が堅調なことがリスク動向に敏感な資源国通貨群を下支えしている。ドル円は144円台半ばから後半にかけての揉み合いと落ち着いた取引となっている。内閣府発表の月例経済報告では基調判断が15カ月ぶりに上昇修正されたが、ほとんど反応しなかった。

 ドル円は144円台半ばでの取引。東京朝方の144.22近辺を安値に買われ、東京午後には144.86近辺に高値を伸ばした。ロンドン時間に入ってからは前日NY終値144.59レベルを挟んで売買が交錯しており、特段の方向性はみせていない。内閣府発表の月例経済報告では基調判断が15カ月ぶりに上昇修正されたが、ほとんど反応しなかった。欧州株高などにも円売りの動きはみられず。

 ユーロドルは1.11付近での取引。東京市場からロンドン朝方までは1.11台前半でじり高の動き。高値を1.1140近辺に小幅更新した。その後は上値を抑えられている。日本時間午後5時にドイツ各州ごとの8月消費者物価指数が発表され、いずれの地域でも前月比がマイナスに転じ、前年比は伸びが鈍化した。ユーロ売りが強まり、安値を1.1072近辺に更新。その後は8月ユーロ圏景況感の改善を受けて下げ渋りも、1.11ちょうど付近までの動きにとどまっている。対ポンドでもユーロは売られている。

 ポンドドルは1.32付近での取引。ユーロに連れ安となっている。ロンドン早朝にかけて高値を1.3227近辺に伸ばしたが、その後は売りに押されて安値を1.3169近辺に広げた。足元では1.32付近で推移している。ポンド円は東京朝方の190.26近辺を安値に、ロンドン朝方には191.50近辺まで上昇。しかし、ユーロに売りが入ると190.30付近まで反落した。その後は190円台後半での揉み合いとなっている。ユーロポンドは下落。0.8430台から0.8403近辺まで売られ、約1カ月ぶりのポンド高水準となっている。7営業日連続の陰線を示現している。きょうはユーロ安材料でユーロポンドが下落した。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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