ドル円、148円台を維持できずに急降下 次の手掛かり探し=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/08/13 05:50
ドル円、148円台を維持できずに急降下 次の手掛かり探し=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って一旦148円台に上昇したものの、148円台を維持できずに147円台前半に急降下している。円キャリー取引の巻き戻しは一服し、ドル円は急落からの下げを取り戻しているが、上値追いには慎重になっている印象。

 円キャリー取引のポジション調整はひとまず終了との見方もあるが、円を再び積極的に売って、ドル円を押し上げようという雰囲気まではない。タカ派色を強めていた日銀も、株急落で一歩引いている感じもある。元日銀審議委員から、年内の追加利上げは無理との見解も出ていたようだ。

 いずれにしろ、次の手掛かり材料探しといったところで、水曜日の米消費者物価指数(CPI)や明日の米生産者物価指数(PPI)といった米インフレ指標と、木曜日の米小売売上高で消費動向を確認し、9月FOMCの動向を探りたい雰囲気となっている。

 9月FOMCについて短期金融市場では、0.25%の利下げは確実視しているものの、株急落で盛り上がった0.50%の大幅利下げについては、半分に満たない程度の可能性で見ている。

 ストラテジストからは、円キャリー取引の急速な巻き戻しはまだ余地を残しており、円高の持続を支えるはずだとの見解も出ていた。

 ユーロドルは1.09ドル台前半の狭い範囲で振幅。市場ではECBの9月利下げ期待をほぼ確実視しているが、ユーロドルはすでに織り込んでおり、むしろドルの材料が今週のユーロドルを動かしそうだ。

 欧州債よりも米国債利回りの方が、ユーロドルを大きく動かしているとの指摘が出ている。これは予想担当者がほぼ米金利の見通しのみにエネルギーを集中させるべきことを示唆しているという。ユーロドルにとってFRBの重要性のほうが高く、ECBの重要性は低くなっている。米金利の優位性が必ずしも確かではない。例えば2012年は市場がユーロ債務危機に気を取られていたため、欧州債の方が重要度が非常に高かったという。しかし、全体的には米2年債と10年債利回りのほうがユーロドルの動きにとって重要だという。

 ポンドドルは本日も買い戻しが続いており、一時1.28ドル手前まで上昇する場面が見られた。7月の中旬以降から先週まで続いた下げは一服しており、買い戻しの流れが続いている。200日線もサポートされており、長期の上昇トレンドは維持しているようだ。

 今週は明日の英雇用統計、14日水曜日には7月の英消費者物価指数(CPI)が発表される。注目されている賃金上昇率は前回からは緩むものの、なお高水準が見込まれている状況。また、英消費者物価指数(CPI)は今年初となる伸び加速が見込まれており、来月の追加利下げを巡って、英中銀を悩ませる内容になる可能性が高いと見られている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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