タナベ Research Memo(6):ブランド&PR、HRの経営コンサルティング領域が好調(1)

配信元:フィスコ
投稿:2024/08/02 13:16
*13:16JST タナベ Research Memo(6):ブランド&PR、HRの経営コンサルティング領域が好調(1) ■タナベコンサルティンググループ<9644>の業績動向

2.経営コンサルティング領域別売上動向
経営コンサルティング領域別の売上動向を見ると、ブランド&PRが新たに加わったカーツメディアワークスの業績貢献を含め大きく伸長したほか、ストラテジー&ドメイン、デジタル・DX、HR領域も堅調に推移した。ファイナンス・M&Aは微増にとどまったものの、すべてのコンサルティング領域において増収を達成した。

(1) ストラテジー&ドメイン
ストラテジー&ドメイン領域の売上高は前期比3.9%増の2,281百万円となった。主に大企業・上場企業向けに「長期ビジョン・中期経営計画(ビジネスモデル)の策定・推進」や「グローバル戦略の策定・推進」「地域活性化戦略」「ESG・サステナビリティ対応」などをテーマとした案件が伸びたほか、2023年3月期から取り組みを強化している行政/公共向けの経営コンサルティングが好調に推移した。また、「長期ビジョン・中期経営計画策定」専門サイトを通じたリードの獲得も、コンサルティング案件の創出に貢献した。

(2) デジタル・DX
デジタル・DX領域の売上高は前期比5.0%増の2,741百万円となった。業績好調な企業はさらなる成長を目指し、データ活用に重点を置いたデジタル投資を増やしている一方、業績が低迷している企業ではデジタル技術を活用して業務プロセスの改善や生産性向上に取り組む動きが活発化しており、計画的にDX人材を育成するニーズも増加傾向となっている。こうしたなか、主に大企業・上場企業向けの「DXビジョン」「マネジメントDX(ERP導入・IT化構想・業務改善など)」「デジタルマーケティング」「ブランディングDX(Webサイト・SNSなど)」や、行政/公共向けの「DX人材育成」をテーマとした案件が好調に推移した。また、「デジタル・DXの戦略・実装」専門サイトを通じたリードの獲得も、コンサルティング案件の創出に貢献した。

また、「プロフェッショナルDXサービス」の新たなメニューとして、2023年10月よりタナベコンサルティングとグローウィン・パートナーズの連携により「サービス業 DX Cloud-経営プラットフォームコンサルティング」の提供を開始した。サービス業界向けのDX支援サービスで、日本オラクル<4716>のクラウドERP「NetSuite※」の導入によるデータの統合管理と、データの有効活用に向けた運用体制構築支援を行う。タナベコンサルティングの提供する「中期経営計画・事業戦略策定コンサルティング」やグローウィン・パートナーズが提供する「会計・人事・IT(ERP)コンサルティング」を合わせて提供することで、導入効果の最大化を実現し顧客企業の成長を支援する。「NetSuite」は同社も数年前に導入済みであり、自社の導入例も交えながら特にDXが遅れている地方のサービス企業の需要の掘り起こしに取り組んでいる。

※「NetSuite」はERP/財務会計及びCRM(顧客管理)、Eコマースなどを含む主要な業務アプリケーション機能を単一のシステムで提供するビジネス管理ソフトウェアで、導入社数は世界で3.8万社超とクラウドERPとしてトップの実績を誇る。


(3) HR
HR領域の売上高は前期比7.0%増の2,418百万円となった。経営環境や労働環境の変化に対応した人材マネジメントシステムの再構築や人的資本経営に対するコンサルティングニーズが引き続き旺盛で、上場企業を含む大企業や中堅企業向けに「組織・人事戦略の策定(人事PMI)」「人事制度構築」「アカデミー(企業内大学)設立」「タレントマネジメント(HRテック含む)」「経営者人材の育成」などをテーマとした案件が好調に推移した。特に「アカデミー(企業内大学)」はオンライン形式で社員の教育(eラーニング)を実施するクラウド型サービスで、リアル(集合教育)と組み合わせることにより人材の早期育成を実現するソリューションとして引き合いが増加しており、導入社数も前期末の約150社から170社超へと拡大した。また、人材育成セミナーや「HR戦略」専門サイトを通じたリードの獲得も進み、コンサルティング案件の創出に貢献した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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