リスクは“逆(上方向)”と見るべき…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/07/31 11:35

◆ 乱高下! - “153円→155円→152円”


まさに乱高下…。
昨日は「日銀追加利上げ」を巡る思惑が交錯し、上を下へと激しく揺れ動きました。

まず本邦10年債利回りが“1.00%割れ”となる中、「日米金利格差は縮まらない」との思惑が先行しました。
このため欧州タイム序盤にかけて、ドル円は“155.214円”へと駆け上がっていきました。
もっとも主要イベントを控えて“様子見ムード”が漂っていることもあり、そこからのさらなる上値模索に至ることはありませんでした。

一方でNYタイムには、『日銀、追加利上げを検討』との報道が流れました。
欧米勢の一部を除き、「利上げ見送り」との見方が大勢を占めていたマーケットは、一気に“巻き戻し”へ傾斜せざるを得ませんでした。
こうして今度は“円買い(戻し)”が一気に進行する格好となり、“152.678円”へと急速に押し下げられ、概ねそのままの水準で昨日の取引を終えています。

◆ いよいよ大一番 - 日銀会合&FOMC


こうした中、いよいよ本日はその「日銀会合」、そして「FOMC」を迎えます。
後者に関しては「7月据え置き/9月利下げ」がすでにコンセンサスとなっていますので、それを“さらに強めるor巻き戻す”といった事態にでもならない限り、波乱は小さいと見られます。
ただ前者に関しては“思惑が割れて”いますので、“波乱の余地有”と見るのが妥当なところ…?

昨日報じられた前記「日銀利上げ検討報道」は“日銀関係者のリーク”と見られますので、“タカ派寄り”となる可能性は高いと考えられます。
ただ「FOMC」が“据え置き”と見込まれるだけに、“加速度的な円買い”というシナリオは描きづらい…?
それでいて26日発表の東京都区部CPIでは、生鮮食品・エネルギーを除くコアコアが“2022年8月以来の低い伸び(+1.5%)”となれば、利上げを急ぐ必要性も乏しい…?

とはいえども、後は結果次第…。
「追加利上げ」ともなれば“もう一段の円買い”となる可能性も否めなくなってきますが、リスク的には“逆(円売り戻し)”と考えつつ、発表の時を待ちたいところです。
そして仮にこの見方が正しいとすれば、その後はまた「円買い介入」も意識せざるを得ない…?

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※日銀会合・FOMCが予定されていますので、さらに値幅を拡大しております。

157.097(7/23高値)
156.953(7/3~7/25の50%戻し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、大台、ピボットハイブレイクアウト)
156.458(7/19~7/25の76.4%戻し)
156.362(日足・一目均衡表先行スパン下限)
156.216(7/16~7/25の61.8%戻し)
156.063(ピボット2ndレジスタンス)
155.988(7/24高値、大台)
155.773(7/3~7/25の38.2%戻し、20週移動平均線)
155.606(7/19~7/25の61.8%戻し、100日移動平均線)
155.403(7/16~7/25の50%戻し)
155.214(7/30高値、週足・一目均衡表基準線)
155.000(大台)
154.909(日足・一目均衡表転換線)
154.376(ピボット1stレジスタンス)
上値5:154.292(-1σ)
上値4:154.029(7/30高値後の61.8%戻し、大台)
上値3:153.663(7/30高値後の50%戻し)
上値2:153.296(7/30高値後の38.2%戻し)
上値1:153.000(大台)
前営業日終値:152.689
下値1:152.163(-2σ)
下値2:151.955(7/25安値、大台)
下値3:151.855(5/3安値、ピボット1stサポート)
下値4:151.682(4/10安値、200日移動平均線)
下値5:151.568(4/8-9安値)
151.098(月足・一目均衡表転換線)
150.971(50週移動平均線、ピボット2ndサポート、大台)
150.801(4/5安値)
150.272(3/21安値)
150.000(大台)
149.304(ピボットローブレイクアウト)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想