為替週間見通し:伸び悩みか、日米の金融政策を受けてドル下押しも

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/27 14:40
*14:53JST 為替週間見通し:伸び悩みか、日米の金融政策を受けてドル下押しも 【今週の概況】
■日銀7月利上げ観測でリスク回避の円買い強まる

今週のドル・円は下落。日本銀行は7月30-31日開催の金融政策決定会合で利上げを議論するとの一部報道を受けて、リスク回避の円買いが活発となった。自民党の茂木幹事長は7月22日に都内で講演し、「段階的な利上げの検討も含め、正常化する方向で着実に進める方針をもっと明確に打ち出すことが必要だ」と述べたことがドル売り・円買いを促した。日銀は国債買い入れの減額計画と同時に、利上げを実施するとの見方も浮上し、ドル・円は25日の取引で一時152円を下回った。ただ、円安がある程度是正されたことによって日本銀行は追加利上げを急ぐ必要はないとの思惑も浮上し、リスク回避的なドル売り・円買いは縮小した。

26日のニューヨーク外為市場でドル・円は154円73銭まで買われた後、153円15銭まで反落した。この日発表された6月コアPCE価格指数は市場予想を上回ったため、ドル買いが一時優勢となったが、総合価格指数の伸び率は鈍化し、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げを織り込むドル売りが続いた。ドル・円は153円76銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:151円94銭-157円61銭。

【来週の見通し】
■伸び悩みか、日米の金融政策を受けてドル下押しも

来週のドル・円は伸び悩みか。7月30-31日開催の日本銀行金融政策決定会合では、国債買い入れ減額の具体的な計画内容が発表される予定だが、追加利上げの是非について議論されるとみられる。政府・与党からも円安抑止の観点から日銀の金融正常化が言及され、政策決定の注目度が高まっている。ただ、ドル・円相場は一時152円を下回り、ドル高円安はある程度是正されていることから、今回の政策決定会合でも政策金利の据え置きが決定される可能性が高まっている。

一方、同じ日程で行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが予想されている。FOMCの声明内容から年内2回の利下げの手がかりを得ることができれば、リスク選好的な米ドル買い・円売りは抑制されるとみられる。

【日本銀行金融政策決定会合】(7月30-31日開催)
日銀は7月30-31日開催の金融政策決定会合で、国債買入れ減額の具体的な計画内容を発表するが、追加利上げの是非についても議論する見通し。政策金利の据え置きが決まった場合、金融政策の早期正常化への期待は低下し、リスク選好的な円売りが強まる可能性がある。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(7月30-31日開催)
FRBは7月30-31日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利の据え置きを決定する公算。ただ、インフレの緩和によって9月利下げの可能性は高まっており、FOMCの声明内容が注目される。

ドル・円の予想レンジ:151.00円-156.00円


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配信元: フィスコ

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