2025年大阪・関西万博に向けた自動運転実証実験に自動運転用特殊塗料「ターゲットライン(R)ペイント」を提供

　日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社（本社：東京都品川区、代表取締役社長：塩谷健、以下「当社」）は、大阪市高速電気軌道株式会社（本社：大阪市西区、代表取締役社長：河井英明、以下「Osaka Metro」）が実施する、2025年大阪・関西万博会場への来場者輸送に向けた自動運転実証実験に対し、自動運転用特殊塗料「ターゲットライン(R)ペイント」を提供しました。
　本実証実験では、自動運転レベル4の許可取得に向け、大阪・関西万博で実際に使用される大型EVバスが2024年3月から2025年4月の期間、舞洲・夢洲の公道上を走行します。ターゲットライン(R)ペイントは、走行ルート内のGPS信号が届きにくい夢舞大橋に塗装されており、自動走行の安定化に寄与します。なお、本実証実験に用いられる大型EVバスの発表式典が2024年7月23日(火)に行われました。



7月23日(火)自動運転EVバス発表式典で公開されたEVバス


ターゲットラインペイント施工箇所


　当社が開発した「ターゲットライン(R)ペイント」は、自動運転用センサーが認識できる特殊塗料です。この塗料を走行経路に塗装することで、車両に搭載されたセンサーがラインを認識・追従し、自動運転を実現します。これにより、橋梁やトンネル、ビル、山林など衛星測位システムが届きにくい場所でも、自動走行を支援することが可能です。また、塗装するだけで自動運転用のインフラ整備が可能なため、導入コストやメンテナンスコストの削減が見込めます。さらに、目視で路面色と同化しやすい色の設計が可能で、道路の路面表示と誤認しにくく、安全面や景観にも配慮しています。


目視で見たターゲットラインペイント


センサーで見たターゲットラインペイント


　本実証実験は、Osaka Metroが2025年大阪・関西万博の来場者輸送に向けて、自動運転レベル4の認可取得を目的に行う公道実証実験です。大阪・関西万博で実際に走行予定の大型タイプのEVバスが「舞洲駐車場～万博会場」のコースを自動運転レベル2で走行し、自動運転レベル４の認可取得に向けた事前のリスクアセスメントに基づく検証を行います。走行コースに「夢洲」と「舞洲」をつなぐ夢舞大橋が含まれており、車両通過時のGPS精度の低下が課題となっていました。そこで、自動走行の安定化を目的に当社のターゲットライン(R)ペイントを橋梁上に導入しました。

　現在、2025年大阪・関西万博におけるレベル4自動運転の実現に向け、「新大阪・大阪駅ルート」「舞洲駐車場～万博会場ルート」「万博会場内　外周道路」の3つの実証実験が進行中です。本実証実験である「舞洲駐車場～万博会場ルート」に加え、「新大阪・大阪駅ルート」にも当社はターゲットライン(R)ペイントを提供しています。今後も、自動運転社会の到来に向け、ターゲットライン(R)ペイントを通じて自動運転に安心・安全を提供してまいります。


■実証実験概要


走行ルート図


■参考資料
2024年2月16日　大阪市報道発表資料
「万博での自動運転に向けた実証実験について」
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/cmsfiles/contents/0000619/619975/zissyouzikkennitsuite.pdf