アジア株 上海株は反発 空売り・クオンツ取引の監視強化 来週の重要会議を前に株価下落阻止狙う

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/11 11:20
アジア株 上海株は反発 空売り・クオンツ取引の監視強化 来週の重要会議を前に株価下落阻止狙う

東京時間11:00現在
香港ハンセン指数   17732.17(+260.50 +1.49%)
中国上海総合指数  2954.77(+15.40 +0.52%)
台湾加権指数     24255.16(+248.08 +1.03%)
韓国総合株価指数  2892.88(+24.89 +0.87%)
豪ASX200指数    7894.20(+77.39 +0.99%)

アジア株は総じて上昇、前日の米株大幅高を好感して買い優勢で始まった。パウエルFRB議長の議会証言は特に市場を驚かせるような発言もなく無難に終わったことで、安堵感が広がっている。インフレについて、やるべきことはまだあるとコメントしたがFRBが年内利下げするとの見方は変わらず。

香港株は大幅反発、米利下げ期待が高まっている。ただ、中国の景気回復の遅れが懸念されており徐々に上げ幅を縮小する可能性も。きのうも米利下げ期待で1%超上昇したが終盤にかけ上げを縮小し、結局マイナスで取引を終えた。

自動車や不動産、エネルギー関連、医療品、素材など幅広い銘柄が上昇している。アリババやJDドットコム、シャオミ、美団、テンセントホールディングスなどハイテク関連も上昇。バイドゥは1.1%高と続伸。上海市で完全無人の自動運転タクシーが承認されたことが引き続き好感されている。同報道を受け、きのうは一時13%急騰した。ただ、一方で北京市でバイドゥの無人自動運転タクシーが歩行者をはねたとの報道も伝わっている。

上海株は反発。中国証券監督管理委員会(証監会)はきのう遅く、証券市場の公正性・信頼性を維持することを目的に、空売りやクオンツ取引の監視を強化するため、これまでで最も強力な措置を講じると発表した。中国共産党・第20期中央委員会第3回総会(3中総会)の開催を来週15日に控え、株価下落を阻止することが狙いか。

ただ、このような措置を受けた中国株上昇は一時的だろう。長引く不動産不況や中国CPI予想外の伸び鈍化、人民元安進行、EUや米国との関係悪化。さらにトランプ氏復活に伴う米中貿易摩擦激化への警戒感から投資家心理は冷え切っている。上海株は下落し続けており、今週およそ4カ月ぶり安値をつけた。為替相場ではオンショア人民元が対ドルで昨年11月以来の安値圏に沈んでいる。株価上昇にはマーケットが驚くような「大規模」な景気支援策が必要だ。

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)