*13:34JST TrueData Research Memo(4):2024年3月期売上高は過去最高となり、12期連続増収を達成
■業績動向
● 2024年3月期の業績動向
True Data<4416>の2024年3月期の業績は、売上高1,593百万円(前期比10.6%増)、営業利益63百万円(同15.9%減)、経常利益62百万円(同14.4%減)、当期純利益60百万円(同76.5%増)となった。売上高については12期連続の増収で過去最高を更新した。各段階利益については、営業利益及び経常利益は成長投資による費用の増加で減益となるも、当期純利益は投資有価証券評価損を計上した前期に対して増益となった。業績予想に対し、売上高については達成率99.5%とほぼ計画どおり、営業利益及び経常利益についてはそれぞれ同79.9%、80.8%と未達だが、当期純利益は同96.7%とこちらもほぼ達成しての着地となった。
売上高については同社が新領域と位置付けるビジネスアナリティクス領域において、「POS分析クラウド」が当初計画を超える受注を獲得したこと等によってスポット型売上高が前期比80.3%増の225百万円と大きく貢献した。ストック型売上高についても主力サービスの「イーグルアイ」等が堅調に契約数を伸ばしたことにより前期比4.0%増の1,368百万円を計上し、2024年3月期までの7年間の平均成長率が17.0%と高水準を維持しており、同社の成長を支えている。
ストック型売上高について、主要サービス別では、消費財メーカー向けのSaaSサービス「イーグルアイ」が中堅消費財メーカー等を対象に契約社数を140社と前期比6社増やした結果、売上高は775百万円(前期比6.3%増)となり順調に推移した。消費財メーカー向けSaaSサービス「ドルフィンアイ」は売上高60百万円、小売業向けSaaSサービス「ショッピングスキャン」等は売上高300百万円とそれぞれ前期並みで着地した。スポット型売上高については、消費財メーカーが保有する大量のPOSデータを整形・解析する「POS分析クラウド」が、ビジネスアナリティクス領域のサービスとして計画を超える受注を獲得し、導入に必要な初期設定を初期売上として計上したことから、売上高が急伸した。導入後は、定期的な利用料がストック型売上に転じる予定である。なお、スポット型売上高では顧客がサービスを導入する際に発生する一時的な売上が計上されるため、売上高の将来に向けた成長性を測るためにはストック型売上高の動向に注目すべきであろう。2024年3月期の売上高全体に占めるストック型売上高の割合は85.9%と前期比5.4ポイント低下したが、前述のとおり「POS分析クラウド」に関わるスポット型売上高伸長の影響であり、今後はストック型売上への転換により貢献が見込めることからも、同社では売上高全体の90%程度をストック型売上高が占めるだろうとしている。
利益面では、基幹システム開発費の減価償却が2024年3月期第1四半期で終了したものの、人員増や研究開発投資、事業運営基盤の構築等により販管費が前期比161百万円増加したほか、スポット型売上高関連の売上原価の増加等(51百万円)により営業利益は前期比で減少となった。成長投資を理由とする減少要因を除けば前期比増益となることから、同社は売上とともに着実に利益を計上していると弊社では見ている。人材への投資としては今後のサービス強化・拡販に向け、営業及び専門人材を中心に約2割増員したほか、購買データと位置情報の組み合わせによる情報価値の向上、AIを活用した予測精度の向上など、新しいサービス開発に必要な研究開発投資も積極的に進めた。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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● 2024年3月期の業績動向
True Data<4416>の2024年3月期の業績は、売上高1,593百万円(前期比10.6%増)、営業利益63百万円(同15.9%減)、経常利益62百万円(同14.4%減)、当期純利益60百万円(同76.5%増)となった。売上高については12期連続の増収で過去最高を更新した。各段階利益については、営業利益及び経常利益は成長投資による費用の増加で減益となるも、当期純利益は投資有価証券評価損を計上した前期に対して増益となった。業績予想に対し、売上高については達成率99.5%とほぼ計画どおり、営業利益及び経常利益についてはそれぞれ同79.9%、80.8%と未達だが、当期純利益は同96.7%とこちらもほぼ達成しての着地となった。
売上高については同社が新領域と位置付けるビジネスアナリティクス領域において、「POS分析クラウド」が当初計画を超える受注を獲得したこと等によってスポット型売上高が前期比80.3%増の225百万円と大きく貢献した。ストック型売上高についても主力サービスの「イーグルアイ」等が堅調に契約数を伸ばしたことにより前期比4.0%増の1,368百万円を計上し、2024年3月期までの7年間の平均成長率が17.0%と高水準を維持しており、同社の成長を支えている。
ストック型売上高について、主要サービス別では、消費財メーカー向けのSaaSサービス「イーグルアイ」が中堅消費財メーカー等を対象に契約社数を140社と前期比6社増やした結果、売上高は775百万円(前期比6.3%増)となり順調に推移した。消費財メーカー向けSaaSサービス「ドルフィンアイ」は売上高60百万円、小売業向けSaaSサービス「ショッピングスキャン」等は売上高300百万円とそれぞれ前期並みで着地した。スポット型売上高については、消費財メーカーが保有する大量のPOSデータを整形・解析する「POS分析クラウド」が、ビジネスアナリティクス領域のサービスとして計画を超える受注を獲得し、導入に必要な初期設定を初期売上として計上したことから、売上高が急伸した。導入後は、定期的な利用料がストック型売上に転じる予定である。なお、スポット型売上高では顧客がサービスを導入する際に発生する一時的な売上が計上されるため、売上高の将来に向けた成長性を測るためにはストック型売上高の動向に注目すべきであろう。2024年3月期の売上高全体に占めるストック型売上高の割合は85.9%と前期比5.4ポイント低下したが、前述のとおり「POS分析クラウド」に関わるスポット型売上高伸長の影響であり、今後はストック型売上への転換により貢献が見込めることからも、同社では売上高全体の90%程度をストック型売上高が占めるだろうとしている。
利益面では、基幹システム開発費の減価償却が2024年3月期第1四半期で終了したものの、人員増や研究開発投資、事業運営基盤の構築等により販管費が前期比161百万円増加したほか、スポット型売上高関連の売上原価の増加等(51百万円)により営業利益は前期比で減少となった。成長投資を理由とする減少要因を除けば前期比増益となることから、同社は売上とともに着実に利益を計上していると弊社では見ている。人材への投資としては今後のサービス強化・拡販に向け、営業及び専門人材を中心に約2割増員したほか、購買データと位置情報の組み合わせによる情報価値の向上、AIを活用した予測精度の向上など、新しいサービス開発に必要な研究開発投資も積極的に進めた。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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関連銘柄
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