*13:58JST バルテスHD Research Memo(8):自己資本比率は52.3%、手元現預金は18億円
■業績動向
(3) 財務状況
バルテス・ホールディングス<4442>の2024年3月期末の財務状況は、流動資産は3,526百万円(前期末比632百万円増)となったが、主に現金及び預金の増加225百万円、売掛金及び契約資産の増加136百万円などによる。固定資産は1,869百万円(同674百万円増)となったが、主に有形固定資産の増加12百万円、のれんの計上などによる無形固定資産の増加544百万円、投資その他の資産の増加117百万円などによる。この結果、資産合計は5,396百万円(同1,306百万円増)となった。
負債合計は2,569百万円(前期末比887百万円増)となったが、これは主に買掛金の減少48百万円、長短借入金の増加735百万円などによる。純資産合計は2,826百万円(同419百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加518百万円などによる。この結果、2024年3月期末の自己資本比率は52.3%(前期末は58.9%)となった。
(4) キャッシュ・フローの状況
2024年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは457百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益820百万円及び減価償却費101百万円の計上などで、主な支出は売上債権及び契約資産の増加59百万円、仕入債務の減少55百万円、法人税等の支払額448百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは859百万円の支出となったが、主な支出は有形固定資産の取得による支出77百万円、投資有価証券の取得による支出50百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出622百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは625百万円の収入となったが、主に長期借入金の増加による収入827百万円などであった。この結果、現金及び現金同等物は225百万円の増加となり、2024年3月期末の残高は1,740百万円となった。
2. 2024年3月期のセグメント別状況
(1) ソフトウェアテストサービス事業
売上高は9,074百万円(前期比10.6%増)、セグメント利益は851百万円(同12.9%減)、営業利益率9.4%(同2.5pt減)となった。
案件数は3,384件(前期比13.3%増)と順調に拡大したが、当初計画に対しては下回った。案件増となった主な要因は、新規大型再構築案件の上流工程にPMO※1、QMO※2として多数参画したこと、マイグレーション※3案件の獲得が増加したこと、ターゲット業界(金融等)へのアプローチが好調であったことによる。
※1 Project Management Officeの略で、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムのこと。
※2 Quality Management Officeの略で、組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システムのこと。
※3 マイグレーションとは、ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること。
「単価」は765千円(同25千円増)となった。主な要因としては、エンタープライズ領域の売上割合増、既存顧客の継続好調、テスト自動化導入支援の積極提案などが挙げられる。稼働人員数は972名(同26名減)となったが、前期はテスト事業のビジネスパートナー活用がピークであったのに対して、今期は正社員の採用・教育に注力したことによる。また、案件の大型化も進んでおり、1億円以上の案件の売上高は5,123百万円(前期比24.4%増、前々期比106.7%増)となり、順調に増加している。
(2) Web/モバイルアプリ開発サービス事業
売上高は1,256百万円(前期比54.4%増)、セグメント利益は30百万円(同56.9%減)、営業利益率2.5%(同6.3pt減)となった。シンフォーが加わったことで案件数は1,077件(同40.6%増)と増加し、売上高も大幅増となったが以前からのバルテス分は減少した。このため、全体の利益率が低下しセグメント利益は減益となった。
(3) オフショアサービス事業
売上高は31百万円(前期比23.1%減)、セグメント損失24百万円(前期は利益0百万円)となった。フィリピンでの現地日系企業からの引き合いは増加傾向にあったものの、コロナ禍の影響が残り取引規模が縮小し、案件数が68件(同30.6%減)となったことから損益は赤字となった。
3. 2024年3月期のトピックス
(1) 持株会社体制への移行
持続的な成長を実現し、経営資源の最適化を推進するために2023年10月から持株会社体制へ移行した。
移行の目的として同社は、(1)ソフトウェア品質向上の価値提供を行う事業の強化、(2)グループガバナンスの強化、(3)経営者人材の育成の3つを挙げている。
(2) ホワイト企業認定のプラチナランクを取得
一般財団法人 日本次世代企業普及機構(ホワイト財団)が展開する「ホワイト企業認定制度」において、最高ランクとなるプラチナランクを取得した。
満点取得:人材育成・働きがい、リスクマネジメント、健康経営
90%得点獲得:ワーク・ライフバランス、ビジネスモデル/生産性
57%UP得点獲得:ダイバーシティ&インクルージョン
(3) Forbes Asiaが発表した「Asia’s 200 Best Under A Billion」に初選出
Asia’s 200 Best Under A Billionとは、アジア太平洋地域にあり、売上高が1,000万ドル超、10億ドル未満の上場企業2万社超のうち、長期的に堅実な成長が見込める企業200社をForbes Asiaが選出するもので、日本企業では同社を含む26社が選出された。
主に、「直近1年、3年の売上高」「ガバナンス」「一株当たり当期純利益(EPS)」「経営品質」「自己資本利益率(ROE)」の指標が評価されて選出された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<AS>
(3) 財務状況
バルテス・ホールディングス<4442>の2024年3月期末の財務状況は、流動資産は3,526百万円(前期末比632百万円増)となったが、主に現金及び預金の増加225百万円、売掛金及び契約資産の増加136百万円などによる。固定資産は1,869百万円(同674百万円増)となったが、主に有形固定資産の増加12百万円、のれんの計上などによる無形固定資産の増加544百万円、投資その他の資産の増加117百万円などによる。この結果、資産合計は5,396百万円(同1,306百万円増)となった。
負債合計は2,569百万円(前期末比887百万円増)となったが、これは主に買掛金の減少48百万円、長短借入金の増加735百万円などによる。純資産合計は2,826百万円(同419百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加518百万円などによる。この結果、2024年3月期末の自己資本比率は52.3%(前期末は58.9%)となった。
(4) キャッシュ・フローの状況
2024年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは457百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益820百万円及び減価償却費101百万円の計上などで、主な支出は売上債権及び契約資産の増加59百万円、仕入債務の減少55百万円、法人税等の支払額448百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは859百万円の支出となったが、主な支出は有形固定資産の取得による支出77百万円、投資有価証券の取得による支出50百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出622百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは625百万円の収入となったが、主に長期借入金の増加による収入827百万円などであった。この結果、現金及び現金同等物は225百万円の増加となり、2024年3月期末の残高は1,740百万円となった。
2. 2024年3月期のセグメント別状況
(1) ソフトウェアテストサービス事業
売上高は9,074百万円(前期比10.6%増)、セグメント利益は851百万円(同12.9%減)、営業利益率9.4%(同2.5pt減)となった。
案件数は3,384件(前期比13.3%増)と順調に拡大したが、当初計画に対しては下回った。案件増となった主な要因は、新規大型再構築案件の上流工程にPMO※1、QMO※2として多数参画したこと、マイグレーション※3案件の獲得が増加したこと、ターゲット業界(金融等)へのアプローチが好調であったことによる。
※1 Project Management Officeの略で、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムのこと。
※2 Quality Management Officeの略で、組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システムのこと。
※3 マイグレーションとは、ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること。
「単価」は765千円(同25千円増)となった。主な要因としては、エンタープライズ領域の売上割合増、既存顧客の継続好調、テスト自動化導入支援の積極提案などが挙げられる。稼働人員数は972名(同26名減)となったが、前期はテスト事業のビジネスパートナー活用がピークであったのに対して、今期は正社員の採用・教育に注力したことによる。また、案件の大型化も進んでおり、1億円以上の案件の売上高は5,123百万円(前期比24.4%増、前々期比106.7%増)となり、順調に増加している。
(2) Web/モバイルアプリ開発サービス事業
売上高は1,256百万円(前期比54.4%増)、セグメント利益は30百万円(同56.9%減)、営業利益率2.5%(同6.3pt減)となった。シンフォーが加わったことで案件数は1,077件(同40.6%増)と増加し、売上高も大幅増となったが以前からのバルテス分は減少した。このため、全体の利益率が低下しセグメント利益は減益となった。
(3) オフショアサービス事業
売上高は31百万円(前期比23.1%減)、セグメント損失24百万円(前期は利益0百万円)となった。フィリピンでの現地日系企業からの引き合いは増加傾向にあったものの、コロナ禍の影響が残り取引規模が縮小し、案件数が68件(同30.6%減)となったことから損益は赤字となった。
3. 2024年3月期のトピックス
(1) 持株会社体制への移行
持続的な成長を実現し、経営資源の最適化を推進するために2023年10月から持株会社体制へ移行した。
移行の目的として同社は、(1)ソフトウェア品質向上の価値提供を行う事業の強化、(2)グループガバナンスの強化、(3)経営者人材の育成の3つを挙げている。
(2) ホワイト企業認定のプラチナランクを取得
一般財団法人 日本次世代企業普及機構(ホワイト財団)が展開する「ホワイト企業認定制度」において、最高ランクとなるプラチナランクを取得した。
満点取得:人材育成・働きがい、リスクマネジメント、健康経営
90%得点獲得:ワーク・ライフバランス、ビジネスモデル/生産性
57%UP得点獲得:ダイバーシティ&インクルージョン
(3) Forbes Asiaが発表した「Asia’s 200 Best Under A Billion」に初選出
Asia’s 200 Best Under A Billionとは、アジア太平洋地域にあり、売上高が1,000万ドル超、10億ドル未満の上場企業2万社超のうち、長期的に堅実な成長が見込める企業200社をForbes Asiaが選出するもので、日本企業では同社を含む26社が選出された。
主に、「直近1年、3年の売上高」「ガバナンス」「一株当たり当期純利益(EPS)」「経営品質」「自己資本利益率(ROE)」の指標が評価されて選出された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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