*13:56JST バルテスHD Research Memo(6):2024年3月期は内部体制不備により前期比13.3%の営業減益
■バルテス・ホールディングス<4442>の業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年3月期の連結業績は、売上高が10,362百万円(前期比14.4%増)、営業利益が840百万円(同13.3%減)、経常利益が850百万円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が518百万円(同20.5%減)となった。2024年3月期第2四半期時点では営業増益を予想していたが、会社の成長に対して内部体制の整備が追い付かず、期待した案件の一部が下半期に失注し、通年では減益となった。
主なKPIでは、「月間単価(ソフトウェアテスト)」は765千円(前期比25千円増)、期中の案件数は4,529件(前期比661件増)、期末の稼働エンジニア数は1,222名(社員、ビジネスパートナー合計で65名増、正社員は144名増※)となり、いずれも過去最高となった。
※案件が進捗すると契約社員数やビジネスパートナー数は減る場合があるため。
売上総利益率は28.9%(前期は29.8%)と前期比で低下したが、これは期初に多くの技術者を採用したことから一時的に収益性が低下したことによるもので、同社によれば「個別案件での利益率は低下していない」とのことである。一方で、販管費は採用の増加や業容の拡大に伴い前期比24.2%増となった。販管費の増加の内訳は、人件費が158百万円増(採用チーム、営業等の管理部門強化に伴う人数増加)、採用費が86百万円増(採用数増加に伴う手数料、採用サービス利用料、採用広告の増加)、研究開発費が54百万円増(自社ツール開発投資、メタバース研究開発投資の増加)、その他が120百万円増(M&A費用、のれん償却費の増加、投資費用の増加、自社開発ツール広告増加)であった。
営業利益の増減要因を分析すると、増収効果による増益が388百万円(うちソフトウェアテストサービス事業259百万円増、Web/モバイルアプリ開発サービス事業132百万円増、オフショアサービス事業2百万円減)、売上総利益率の低下(主に事業所拡張移転に伴う固定費増加、開発案件の大型化に伴う工数増など)による減益が98百万円(うちソフトウェアテストサービス事業78百万円増、Web/モバイルアプリ開発サービス事業145百万円減、オフショアサービス事業31百万円減)、販管費の増加による減益が419百万円(内訳は人件費158百万円増、採用費86百万円増、研究開発費54百万円増、その他120百万円増)であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<AS>
1. 2024年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年3月期の連結業績は、売上高が10,362百万円(前期比14.4%増)、営業利益が840百万円(同13.3%減)、経常利益が850百万円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が518百万円(同20.5%減)となった。2024年3月期第2四半期時点では営業増益を予想していたが、会社の成長に対して内部体制の整備が追い付かず、期待した案件の一部が下半期に失注し、通年では減益となった。
主なKPIでは、「月間単価(ソフトウェアテスト)」は765千円(前期比25千円増)、期中の案件数は4,529件(前期比661件増)、期末の稼働エンジニア数は1,222名(社員、ビジネスパートナー合計で65名増、正社員は144名増※)となり、いずれも過去最高となった。
※案件が進捗すると契約社員数やビジネスパートナー数は減る場合があるため。
売上総利益率は28.9%(前期は29.8%)と前期比で低下したが、これは期初に多くの技術者を採用したことから一時的に収益性が低下したことによるもので、同社によれば「個別案件での利益率は低下していない」とのことである。一方で、販管費は採用の増加や業容の拡大に伴い前期比24.2%増となった。販管費の増加の内訳は、人件費が158百万円増(採用チーム、営業等の管理部門強化に伴う人数増加)、採用費が86百万円増(採用数増加に伴う手数料、採用サービス利用料、採用広告の増加)、研究開発費が54百万円増(自社ツール開発投資、メタバース研究開発投資の増加)、その他が120百万円増(M&A費用、のれん償却費の増加、投資費用の増加、自社開発ツール広告増加)であった。
営業利益の増減要因を分析すると、増収効果による増益が388百万円(うちソフトウェアテストサービス事業259百万円増、Web/モバイルアプリ開発サービス事業132百万円増、オフショアサービス事業2百万円減)、売上総利益率の低下(主に事業所拡張移転に伴う固定費増加、開発案件の大型化に伴う工数増など)による減益が98百万円(うちソフトウェアテストサービス事業78百万円増、Web/モバイルアプリ開発サービス事業145百万円減、オフショアサービス事業31百万円減)、販管費の増加による減益が419百万円(内訳は人件費158百万円増、採用費86百万円増、研究開発費54百万円増、その他120百万円増)であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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