“神経質な乱高下”が待っている…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/06/28 11:31

◆ そして“161円台”に到達…!


「日米金利格差は当面高水準を維持」との見方は継続する中、“ドル買い”は継続しています。
一方で「円買い介入」への警戒感は払拭されないまま、“円売り”は抑制されている印象があります。
もっとも「仏総選挙」を控えた対ユーロでは“円売り”が継続しているように、やや“前者”が上回っているのが実状といえます。
このため「160円ラインを巡る攻防戦」から「160円台での攻防戦」へと移行した印象はあるものの、実質的には“高止まり”となっています。
そして「米大統領選・テレビ討論会」が始まった本日東京タイム序盤には、到頭“161円台”へ駆け上がるに至っています。

◆ ただ結果次第で“180度変わる”…? - 米PCEコア・デフレータ


こうした中、いよいよ本日はFRBが重要視する「PCEコア・デフレータ」が予定されています。
事前予想は“やや鈍化(前月比+0.1%/前年比+2.6%)”ですので、ここからの乖離具合はポイントということになります。
ただ直近の米インフレ指標(CPI/PPI)ではすでに“鈍化”が示されていましたので、この数値は“織り込み済”と見るのが妥当ということになります。
そうなると“下振れ or そこまで鈍化しない”の有無で、180度方向性が変わってくる展開を想定せざるを得ない…?

週末・四半期末というスケジュール感に加えて、先ほど「神田財務官退任」との財務省人事も報じられました。
「米早期利下げ観測の有無」で揺れ動き、しかしながら「円買い介入」への警戒感は残りますので、“神経質な揺れ動き(乱高下)”と見るべき局面といえるかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

162.700(86/12/23高値)
162.000(大台)
上値5:162.507(ピボットハイブレイクアウト、+2σ)
上値4:161.450(86/12/24-25高値)
上値3:161.165(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:160.963(ピボット1stレジスタンス、大台)
上値1:160.869(6/26高値《年初来高値》)
前営業日終値:160.762
下値1:160.419(ピボット1stサポート)
下値2:160.278(6/27安値)
下値3:160.046(6/24~6/26の38.2%押し、ピボット2ndサポート、大台)
下値4:159.875(ピボットローブレイクアウト)
下値5:159.792(6/24~6/26の50%押し)
159.696(+1σ)
159.609(6/26安値、6/12~6/26の23.6%押し)
159.537(6/24~6/26の61.8%押し)
159.327(日足・一目均衡表転換線)
159.191(6/25安値、6/24~6/26の76.4%押し)

《11:00》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想