ドル円は160円を試す動きが続く=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/06/26 05:50
ドル円は160円を試す動きが続く=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は160円を試す動きが続き159円台後半に上昇している。本日は東京時間に159円台前半まで値を落とす場面も見られていたが、海外時間に入って買い戻された。160円に接近すると介入警戒感もあるようで、6月期末を向かえてドル円は159円台での神経質な展開が続いている状況。

 ただ、状況に変化はない。日米の金利差がドル円の下値を支えており、FRBの利下げ観測が期待ほど高まらない一方、日銀は正常化に慎重姿勢も垣間見せている。この状態はしばらくは解消しそうにないことから、ドル買い・円売りの需要は根強いようだ。

 前日のドル円は急速に下落する場面が見られたが、日銀当座預金残の明日の予測値からは、どうも介入ではなかったようだ。160円を超えると口先介入は活発に出そうだが、現在の緩やかな上昇から、実弾介入は前回の160円台前半よりも上になるとの見方が多い。

 ただ、期待したほどではないとは言え、市場は年内のFRBの利下げ開始を視野に入れる中で、ロング勢も以前ほどの積極的な買いは躊躇している模様。少なくとも今週の5月の米PCEデフレータに対する反応を待ちたいところのようだ。

 ユーロドルは再び下向きの動きが再開し、一時1.06ドル台に下落する場面も見られた。1.06ドル台に入ると買い圧力も出るものの、21日線と200日線のデッドクロスも示現しており、上値の重さは意識される。

 日曜日にフランス総選挙の第1回目の投票が実施され、その行方を確認したい雰囲気も強まっているようだ。ルペン氏率いる右派の国民連合(RN)さらに勢力を伸ばしている状況。

 市場からは欧州市場が混乱している中、米国債とドルを選好すべきとの指摘が出ている。今後のフランス選挙の結果を巡る市場の懸念を警戒しているという。引き続きドルを選好し、ユーロドルのショートを維持すべきだという。

 ポンドドルはやや戻り売りに押されたものの、1.26ドル台後半でのレンジ取引に終始した。6月期末を迎えて下げ止まってはいるものの、依然として上値は重い印象。

 市場では8月利下げ期待が高まっている。短期金融市場では65%程度の確率で織り込んでいるが、エコノミストの間ではもっと確率が高い印象だ。一部からは、8月利下げ後も更に追加利下げへの期待が高まり、ポンドはさらに下落する可能性があるとの指摘が出ている。

 フォワード・カーブを見ると、英金利は米国に近い水準にあることがわかる。英米ともに年内2回の利下げが見込まれ、その利下げサイクルは3.30-3.40%程度での終了が予想されている。7月4日の英総選挙以降に一部の英中銀委員が、利下げを示唆する可能性があるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)