ポートフォリオ調整は“ドル売り”優勢…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/05/28 11:43

◆ やや“上値の重さ”が目立つ… - “156円後半”


昨日は「米英休場」ということで“流動性低下”は否めず、“方向性/動意共に不在”といった一日でした。
ただ月末に向けたポートフォリオ調整では「積み上がったドル買い削減」が意識されたこともあり、全般的に“ドル売り”が目立ちました。
また『デフレではない状態を実現』との内田日銀副総裁発言から、ポジション調整的な“円買い(戻し)”も目立ちました。
こうして本邦10年債利回りが“2012年4月以来(→1.025%)”へと上昇する中、ドル円は“156.562円”へと一時押し下げられる場面が見られました。

ただし冒頭の“ドル売り”は、“クロス円上昇”をもたらす要因でもあります。
このためドル円の下値そのものは限定されており、“156円後半”で膠着したまま、昨日の取引を終えているというのが実状といえます。

◆ 米・英国勢の動向次第だが…?



まず3連休明けとなる「米・英国勢の動向を見極めたい」との思惑が立ちやすく、新たな材料が飛び出さない限り、“新規のポジション形成は手控えられる”と見られます。
ただ直近こそ『利下げは急がない』とのFRB要人発言にて再び後ズレしていますが、5月発表の米経済指標は総じて“弱め”が目立ったのは事実です。
このためその際に「米株式・米国債に追い風」つれて「ドル買いも構築」されたことを考えれば、冒頭で記した“ポジション調整”はやはり継続しやすいと見るのが妥当です。
そうした中で行く手を遮るのは「日米金利差は当面高水準を維持」という思惑になるだけに…?

本日は「コンファレンス・ボード消費者信頼感指数」がありますが、ここで“強め”となっても、前記“ポジション調整”との相殺を意識せざるを得ないところです。
逆に“弱め”ともなると、前記“ポジション調整”と相俟って“加速”しないとも限りませんが、その際は「日米金利格差」が行く手を阻む格好となる…?

「米・英国勢の動向次第」といった面はありますが、基本は“膠着”、やや“ポジション調整(ドル売り)先行”と見たいところです。
それでどこまで下押せるか…?

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

159.000(大台)
158.228(4/29~5/3の76.4%戻し)
上値5:158.212(+2σ)
上値5:157.980(5/1高値、大台)
上値4:157.340(ピボットハイブレイクアウト)
上値2:157.189(5/23-24高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:157.000(大台、5/27高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:156.929(+1σ)
下値1:156.740(ピボット1stサポート)
下値2:156.662(5/27安値)
下値3:156.551(ピボット2ndサポート)
下値4:156.499(5/23安値、ピボットローブレイクアウト)
下値5:156.344(5/16~5/23の23.6%押し)
156.091(5/22安値)
156.000(大台、日足・一目均衡表基準線)
155.847(5/21安値、5/16~5/23の38.2%押し)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想