ファンペップ Research Memo(9):2024年12月期は研究開発が先行し損失計上が続く見通し

配信元:フィスコ
投稿:2024/04/04 13:39
*13:39JST ファンペップ Research Memo(9):2024年12月期は研究開発が先行し損失計上が続く見通し ■業績及び財務状況

1. 業績動向
(1) 2023年12月期の業績概要
ファンペップ<4881>の2023年12月期の連結業績は、事業収益が0.5百万円(前期実績は1百万円)、営業損失が994百万円(同1,169百万円の損失)、経常損失が940百万円(同1,175百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が933百万円(同1,172百万円の損失)となった。

事業収益は、化粧品分野向け機能性ペプチドの販売収入が減少した。費用面では、「SR-0379」の臨床試験費用が減少したことにより研究開発費が前期比231百万円減少の680百万円となった。一方、販管費は人員増に伴う人件費の増加に加えて、ファンペップヘルスケアを2022年10月に子会社化したことに伴い、のれん償却額が同7百万円増、減価償却費が同22百万円増となった。期末の連結従業員数は19名(派遣社員含む、研究開発部門は13名)と前期末比で3名増(うち、研究開発部門は4名増)となっている。そのほか、営業外収益として研究開発に係る補助金収入57百万円(FPP003の強直性脊椎炎の研究に係るAMEDからの補助金)を計上し、営業外収支の改善要因となった。

(2) 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の業績見通しについては、同社グループの事業収益が研究開発の進捗状況や提携候補先との交渉状況などによって大きく変動する可能性があるため、現時点では合理的に見積もることは困難なことから未定としている。ただ、「FPP004X」のオプション契約締結によって契約一時金を受領する見込みで、2024年12月期に収益が計上されるか否かについては、今後会計処理方法を精査していく。

費用に関しては、研究開発費で500百万円、販管費で300百万円を見込んでいる。研究開発費については「FPP004X」の前臨床試験や新規パイプラインの創出に向けたアカデミアとの共同研究などが中心となるため、前期から減少する格好となるが、2025年12月期は「SR-0379」の第3相臨床試験が開始された場合、2024年12月期の500百万円を超える水準になることが予想される。人員については研究開発部門の体制強化を目的に、状況を見ながら若干程度増員したい考えだ。


事業活動資金は2~3年分を目安に確保すべく、資金調達を適宜実施
2. 財務状況
2023年12月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比501百万円減少の2,491百万円となった。流動資産では、現金及び預金が452百万円減少し、固定資産では有形固定資産が3百万円、ファンペップヘルスケアに係るのれん及び契約関連無形資産が38百万円減少した。

負債合計は前期末比108百万円減少の189百万円となった。未払金及び未払費用が45百万円、前受金が39百万円、未払法人税等が13百万円それぞれ減少した。また、純資産合計は前期末比392百万円減少の2,301百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失933百万円を計上した一方で、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ271百万円増加したことによる。なお、2023年3月開催の株主総会決議に基づき、欠損填補として2,678百万円を資本剰余金から利益剰余金へ振り替えた。

2023年12月期末の現金及び預金の残高は1,793百万円となっている。同社は今後も開発ステージが続くことから、研究開発を中心とした事業活動のための手元資金については2~3年分を目安に確保する意向である。2024年3月に第三者割当増資を塩野義製薬に対して実施したことにより約2億円を調達したほか、オプション契約の一時金3億円が発生したことで直近のキャッシュは若干積み上がった格好になっているが、期間損益については大型ライセンス契約などがない場合は、研究開発費の先行により当面は損失が続く見通しであり、状況を見ながら新株予約権などの発行により資金調達を実施していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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