*14:11JST デイトナ Research Memo(1):Eコマース向け好調で第4四半期は前年同期並みに回復
■要約
デイトナ<7228>は、二輪車部品・用品を中心に企画・開発及び卸販売、並びに小売販売を行うメーカーである。世界にバイクカスタマイズの楽しさを発信すると同時に、世界から吸収した新しい世界観を日本のライダーに提案し、バイク文化創造へチャレンジを続けているクリエイティブな企業である。独自の企画力、開発力を発揮し、世界のバイクライダーのニーズに対応する商品・サービスを提供することで、世界で最も支持されるブランドを目指している。また、二輪事業を核に多様な新規事業を展開しており、アウトドアや小型電動モビリティ、発電機、リユースなどへ事業領域を拡大させている。
1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期の連結業績は、売上高13,961百万円(前期比4.3%減)、営業利益1,968百万円(同17.4%減)、経常利益1,749百万円(同17.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,181百万円(同17.6%減)となった。2023年12月期第2四半期決算とあわせて2023年12月期業績予想の下方修正を発表しており、修正計画に沿った着地となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う特需の反動による需要減により、国内拠点卸売事業及び小売事業は減収、減益となったものの、第4四半期(10-12月)にEコマース向け販売が好調となるなど回復基調も見られた。アジア拠点卸売事業では、インドネシアでのパーツ販売店への直販強化策が奏功し、大幅な増収、増益となった。
2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高14,413百万円(前期比3.2%増)、営業利益1,772百万円(同4.4%増)、経常利益1,784百万円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,214百万円(同2.8%増)を見込んでいる。上期はコロナ特需の反動や円安による仕入コスト上昇の影響から、前年同期比で減収減益とやや慎重な見方をしているが、下期についてはその反動も薄れることを見越しているほか、価格改定商品への移行、新商品投入を想定しており、通期では増収増益を見込んでいる。セグメント別では、国内拠点卸売事業や小売事業については、下期から円安前提の新商品に切り替わることで、通期では増収増益を予想しており、Eコマースの売上高はオフロードバイク用品の拡充などから引き続き好調に推移すると見込んでいる。また、アジア拠点卸売事業はパーツ販売店への直接販売の強化とともに、フィリピンに設立する海外子会社が下期から本格的に稼働するため、増収増益を予想する。
3. 中期経営方針
2022年4月に創立50周年を迎えたことを踏まえ、3ヶ年の中期経営方針を策定し、その後は修正しスライドさせて目標を立てている。市場の変化に柔軟に対応できる「ファブレス型」メーカーの特徴を最大限に活用し、既存の新事業へのチャレンジを継続して多角化を図ることで、次の50年も発展し続ける企業を目指している。数値目標として、2026年12月期連結売上高17,000百万円、営業利益2,050百万円を掲げた。経営方針としては、同社が属する二輪車関連市場の成熟や衰退といった将来の経営リスクを考慮し、新規事業へのチャレンジ・事業化として新領域での事業展開やM&Aを推進することで、売上構成比の25%程度を二輪車アフターパーツ販売を除く事業領域で確保する(2024年12月期は18%以上)。国内市場での商品力・ブランド力を強化し、ユーザー支持率No.1ブランドとしての地位を確立するほか、インドネシアを中心に海外市場への展開を進め、世界のバイクライダーに認知・支持されるブランド・グループを目指す。さらに、共感・相互成長が期待できる、同業のみならず異業種企業とのグループ化や資本業務提携などにより、特に「趣味」の領域でシナジー効果を発揮し、連結売上高200億円以上を達成できる状態を目指す。
4. SDGsへの取り組み
同社はSDGs(持続可能な開発目標)に対しても積極的に取り組んでおり、化石燃料に代わる、または化石燃料使用量の削減により環境へ貢献できる代替エネルギーの研究と、それを実用化するための商品開発を行っている。一例を挙げると、再生可能エネルギー事業の一環として自社太陽光発電設備で発電した電力を活用し、同社及びグループ企業で使用する電力を2021年度内に100%再生可能エネルギーで賄う取り組みを実行した。2032年にFIT(再生可能エネルギーの普及を目的とした固定価格買取制度)が終了する同社本社の太陽光発電設備を継続運用することにより、「本社電力オフグリッド」を目指す。このほか、2021年11月には気候変動テックで脱炭素社会に貢献するアスエネ(株)と連携し、2022年6月に同社グループの全使用電力の脱炭素化を実現した。
■Key Points
・二輪事業を基幹に、アウトドア、電動モビリティやエネルギー事業などの新規領域に事業拡大
・2023年12月期は減収減益も、アジア拠点卸売事業は大幅な増収増益
・2024年12月期は増収増益の予想、下期からフィリピンへ本格展開
・2026年12月期に連結売上高17,000百万円、営業利益2,050百万円を目指す中期経営方針を策定
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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デイトナ<7228>は、二輪車部品・用品を中心に企画・開発及び卸販売、並びに小売販売を行うメーカーである。世界にバイクカスタマイズの楽しさを発信すると同時に、世界から吸収した新しい世界観を日本のライダーに提案し、バイク文化創造へチャレンジを続けているクリエイティブな企業である。独自の企画力、開発力を発揮し、世界のバイクライダーのニーズに対応する商品・サービスを提供することで、世界で最も支持されるブランドを目指している。また、二輪事業を核に多様な新規事業を展開しており、アウトドアや小型電動モビリティ、発電機、リユースなどへ事業領域を拡大させている。
1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期の連結業績は、売上高13,961百万円(前期比4.3%減)、営業利益1,968百万円(同17.4%減)、経常利益1,749百万円(同17.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,181百万円(同17.6%減)となった。2023年12月期第2四半期決算とあわせて2023年12月期業績予想の下方修正を発表しており、修正計画に沿った着地となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う特需の反動による需要減により、国内拠点卸売事業及び小売事業は減収、減益となったものの、第4四半期(10-12月)にEコマース向け販売が好調となるなど回復基調も見られた。アジア拠点卸売事業では、インドネシアでのパーツ販売店への直販強化策が奏功し、大幅な増収、増益となった。
2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高14,413百万円(前期比3.2%増)、営業利益1,772百万円(同4.4%増)、経常利益1,784百万円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,214百万円(同2.8%増)を見込んでいる。上期はコロナ特需の反動や円安による仕入コスト上昇の影響から、前年同期比で減収減益とやや慎重な見方をしているが、下期についてはその反動も薄れることを見越しているほか、価格改定商品への移行、新商品投入を想定しており、通期では増収増益を見込んでいる。セグメント別では、国内拠点卸売事業や小売事業については、下期から円安前提の新商品に切り替わることで、通期では増収増益を予想しており、Eコマースの売上高はオフロードバイク用品の拡充などから引き続き好調に推移すると見込んでいる。また、アジア拠点卸売事業はパーツ販売店への直接販売の強化とともに、フィリピンに設立する海外子会社が下期から本格的に稼働するため、増収増益を予想する。
3. 中期経営方針
2022年4月に創立50周年を迎えたことを踏まえ、3ヶ年の中期経営方針を策定し、その後は修正しスライドさせて目標を立てている。市場の変化に柔軟に対応できる「ファブレス型」メーカーの特徴を最大限に活用し、既存の新事業へのチャレンジを継続して多角化を図ることで、次の50年も発展し続ける企業を目指している。数値目標として、2026年12月期連結売上高17,000百万円、営業利益2,050百万円を掲げた。経営方針としては、同社が属する二輪車関連市場の成熟や衰退といった将来の経営リスクを考慮し、新規事業へのチャレンジ・事業化として新領域での事業展開やM&Aを推進することで、売上構成比の25%程度を二輪車アフターパーツ販売を除く事業領域で確保する(2024年12月期は18%以上)。国内市場での商品力・ブランド力を強化し、ユーザー支持率No.1ブランドとしての地位を確立するほか、インドネシアを中心に海外市場への展開を進め、世界のバイクライダーに認知・支持されるブランド・グループを目指す。さらに、共感・相互成長が期待できる、同業のみならず異業種企業とのグループ化や資本業務提携などにより、特に「趣味」の領域でシナジー効果を発揮し、連結売上高200億円以上を達成できる状態を目指す。
4. SDGsへの取り組み
同社はSDGs(持続可能な開発目標)に対しても積極的に取り組んでおり、化石燃料に代わる、または化石燃料使用量の削減により環境へ貢献できる代替エネルギーの研究と、それを実用化するための商品開発を行っている。一例を挙げると、再生可能エネルギー事業の一環として自社太陽光発電設備で発電した電力を活用し、同社及びグループ企業で使用する電力を2021年度内に100%再生可能エネルギーで賄う取り組みを実行した。2032年にFIT(再生可能エネルギーの普及を目的とした固定価格買取制度)が終了する同社本社の太陽光発電設備を継続運用することにより、「本社電力オフグリッド」を目指す。このほか、2021年11月には気候変動テックで脱炭素社会に貢献するアスエネ(株)と連携し、2022年6月に同社グループの全使用電力の脱炭素化を実現した。
■Key Points
・二輪事業を基幹に、アウトドア、電動モビリティやエネルギー事業などの新規領域に事業拡大
・2023年12月期は減収減益も、アジア拠点卸売事業は大幅な増収増益
・2024年12月期は増収増益の予想、下期からフィリピンへ本格展開
・2026年12月期に連結売上高17,000百万円、営業利益2,050百万円を目指す中期経営方針を策定
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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