-含有窒素量の低減技術を開発し製品化-
株式会社イーディーピー(本社:大阪府豊中市)は、これまでダイヤモンドのデバイス応用開発に適用する各種素材を提供してまいりました。その一環として、近年急速に進展している量子デバイス開発に対応した、高純度な(111)単結晶基板を2024年4月より発売いたします。
1.背景
ダイヤモンド中の不純物である窒素は、空孔(結晶格子に炭素原子が無い位置)と結びついて、窒素-空孔センター(NVセンターと称す)を形成することが知られています。このNVセンターは、室温で操作可能なスピン量子ビットとして機能することが判明しており、一つのNVセンターの状態を光により制御・観察することが可能です。このようなことから、このNVセンターを制御することで、ダイヤモンドの超高感度量子センサーや量子コンピュータへの応用が期待されております。
現在の研究においては、高純度のダイヤモンド単結晶にNVセンターを一定方向に形成することで、光による読み取りが容易になるとされております。そのためには、NVセンターの向きを制御しやすい結晶面である(111)面の基板を用い、その上に高純度(窒素含有量ほぼ0)の単結晶ダイヤモンド層を形成し、これを用いた開発が進められています。
当社はこれまでも(111)面基板を販売してまいりましたが、当社の既存製品は窒素を8ppm以下含有しているため、高純度の成長層を形成した場合に、微小な結晶格子定数の差異が生じていました。このことは、成長したダイヤモンド層に応力を発生させたり、場合によっては欠陥が生じる要因となっておりました。
このたび、この窒素濃度の差異を低減するため、これまでより大幅に窒素含有量を低減した(111)基板を開発し、発売することといたしました。今後、世界中でさらに活発になると見込まれるダイヤモンド量子デバイス開発に、大きな貢献が出来ると考えております。
2.製品の概要
量子デバイス開発用ダイヤモンド(111)単結晶基板
・不純物 : 窒素;0.5ppm以下、B及びSi;SIMSで計測限界以下
・結晶方位 : (111)面 3°内外のオフ角
・表面仕上げ : 通常研磨Ra<5nm
・サイズ : 片方の辺が3mm以内(3x3mm、6x3mm等)で製作可能
・厚さ : 0.2~0.5mm
写真1:新(111)基板の製品、及び既存の(111)基板の製品
表1:既存の製品との比較
■株式会社イーディーピーとは
産総研で開発した大型ダイヤモンド単結晶製造技術の事業化を目的として設立。現社長の藤森が産総研ダイヤモンド研究センター長として技術開発を主導し、2009年に創業。
気相合成法で成長したダイヤモンドを親結晶から分離する技術で、天然では得られない高純度で大型のダイヤモンド単結晶を量産できる技術を実用化。
ダイヤモンドの優れた特性を生かす、光学部品、ヒートシンク、センサー、電子デバイスとしての応用開発は、世界中で進展している。研究開発用の各種基板、ウエハ、窓材、ヒートシンク素材等を研究機関や企業に供給。
10年ほど前から立ち上がった人工宝石ビジネスで、気相合成宝石の製造に不可⽋な種結晶を2012年に発売し、現在の形状をデファクトスタンダード化した。ビジネスの広がりとともに、世界各国の人工宝石製造企業へ販売。
詳しくは、当社ホームページ(https://www.d-edp.jp/)をご覧ください。
■この件に関するお問い合わせ先
株式会社イーディーピー 営業部
〒560-0085 大阪府豊中市上新田4-6-3
(メール)edp.info@d-edp.jp
当社ホームページ https://www.d-edp.jp/products/
株式会社イーディーピー(本社:大阪府豊中市)は、これまでダイヤモンドのデバイス応用開発に適用する各種素材を提供してまいりました。その一環として、近年急速に進展している量子デバイス開発に対応した、高純度な(111)単結晶基板を2024年4月より発売いたします。
1.背景
ダイヤモンド中の不純物である窒素は、空孔(結晶格子に炭素原子が無い位置)と結びついて、窒素-空孔センター(NVセンターと称す)を形成することが知られています。このNVセンターは、室温で操作可能なスピン量子ビットとして機能することが判明しており、一つのNVセンターの状態を光により制御・観察することが可能です。このようなことから、このNVセンターを制御することで、ダイヤモンドの超高感度量子センサーや量子コンピュータへの応用が期待されております。
現在の研究においては、高純度のダイヤモンド単結晶にNVセンターを一定方向に形成することで、光による読み取りが容易になるとされております。そのためには、NVセンターの向きを制御しやすい結晶面である(111)面の基板を用い、その上に高純度(窒素含有量ほぼ0)の単結晶ダイヤモンド層を形成し、これを用いた開発が進められています。
当社はこれまでも(111)面基板を販売してまいりましたが、当社の既存製品は窒素を8ppm以下含有しているため、高純度の成長層を形成した場合に、微小な結晶格子定数の差異が生じていました。このことは、成長したダイヤモンド層に応力を発生させたり、場合によっては欠陥が生じる要因となっておりました。
このたび、この窒素濃度の差異を低減するため、これまでより大幅に窒素含有量を低減した(111)基板を開発し、発売することといたしました。今後、世界中でさらに活発になると見込まれるダイヤモンド量子デバイス開発に、大きな貢献が出来ると考えております。
2.製品の概要
量子デバイス開発用ダイヤモンド(111)単結晶基板
・不純物 : 窒素;0.5ppm以下、B及びSi;SIMSで計測限界以下
・結晶方位 : (111)面 3°内外のオフ角
・表面仕上げ : 通常研磨Ra<5nm
・サイズ : 片方の辺が3mm以内(3x3mm、6x3mm等)で製作可能
・厚さ : 0.2~0.5mm
写真1:新(111)基板の製品、及び既存の(111)基板の製品
表1:既存の製品との比較
■株式会社イーディーピーとは
産総研で開発した大型ダイヤモンド単結晶製造技術の事業化を目的として設立。現社長の藤森が産総研ダイヤモンド研究センター長として技術開発を主導し、2009年に創業。
気相合成法で成長したダイヤモンドを親結晶から分離する技術で、天然では得られない高純度で大型のダイヤモンド単結晶を量産できる技術を実用化。
ダイヤモンドの優れた特性を生かす、光学部品、ヒートシンク、センサー、電子デバイスとしての応用開発は、世界中で進展している。研究開発用の各種基板、ウエハ、窓材、ヒートシンク素材等を研究機関や企業に供給。
10年ほど前から立ち上がった人工宝石ビジネスで、気相合成宝石の製造に不可⽋な種結晶を2012年に発売し、現在の形状をデファクトスタンダード化した。ビジネスの広がりとともに、世界各国の人工宝石製造企業へ販売。
詳しくは、当社ホームページ(https://www.d-edp.jp/)をご覧ください。
■この件に関するお問い合わせ先
株式会社イーディーピー 営業部
〒560-0085 大阪府豊中市上新田4-6-3
(メール)edp.info@d-edp.jp
当社ホームページ https://www.d-edp.jp/products/
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