ドラフト Research Memo(7):2026年12月期の目標は売上高145億円、時価総額150億円(1)

配信元:フィスコ
投稿:2024/03/19 16:37
*16:37JST ドラフト Research Memo(7):2026年12月期の目標は売上高145億円、時価総額150億円(1) ■中期経営計画

1. 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画(2021年12月期~2023年12月期)において、ドラフト<5070>は、世界的なデザインマーケットの拡大及びニーズの高まりのなかで、2030年12月期を目途にデザインの領域拡大とプロジェクト規模の拡大を長期的な成長目標とした。その下で、同社は、2021年12月期から2023年12月期まで「収益化と価値創造を循環させるプロジェクトタイプ戦略」「持続的イノベーションを起こす組織体制の強化」を基盤に成長戦略を実践してきた。

(1) 収益化と価値創造を循環させるプロジェクトタイプ戦略
同社はコア事業としてのインテリア・建築プロジェクトを3つのタイプに分類し、それぞれの特性を活かした戦略を実行した。まず、業績基盤となる「レギュラープロジェクト」は、安定した収益を確保し、事業の持続可能性を支える役割を担った。次に、「プロポーザルプロジェクト」を通じて、新たなビジネスチャンスを探求し、企業の成長機会を広げた。そして最も注目すべきは、「リーディングプロジェクト」。企業のブランド価値を大幅に向上させることを目的として、社会的に意義のある大型案件に取り組んだ。

この3つのプロジェクトタイプを同時に進行させることで、同社は収益化と価値創造の良い循環を実現している。この戦略の成果は顕著で、2023年12月期には売上高が100億円を超えることに成功した。さらに、リーディングプロジェクトからレギュラープロジェクトへのポジティブなフィードバックループが形成され、クライアントからの紹介件数は、2020年3月期の8件から2023年12月期には28件へと大幅に増加した。これは、企業が高品質なサービスを提供し続けることで、顧客満足度を高め、新たなビジネス機会を生み出している結果だと見ている。

(2) 持続的イノベーションを起こす組織体制の強化
同社は、組織体制の強化と新規企画やコンテンツ開発によるイノベーションの促進に重点を置いた。リーディングプロジェクトを推進するため、山下泰樹建築デザイン研究所を社内組織として新たに設置した。ここは、同社がデザインとイノベーションのフロントランナーであることを示すもので、社内における創造的な取り組みと研究開発の中心地となっている。さらに、セルビアに海外子会社を設立し、3Dデザインチームを拡充した。これにより、国際的な才能を取り込み、デザインの多様性と競争力を高めている。一方、国内では、福岡に新たな営業拠点を設置し、都市再開発が進む九州地区の需要を積極的に取り込んでいる。この動きは、地域経済の活性化に貢献するとともに、企業の地域社会への貢献を示している。加えて、クリエーション事業の一環として、新しいライフスタイルブランド「DAFT about DRAFT」を立ち上げた。このブランドは、企業のクリエイティブなビジョンを体現し、消費者に新しいライフスタイルの提案を行っている。加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進責任者を任命し、3Dチームの強化と研究開発をさらに推進している。これは、技術進化の速い現代において、常に最先端を行く企業であり続けるための戦略的な取り組みである。

同社は、大型案件の喪失とプロジェクト見積もりの不精密さにより、2022年12月期に売上目標100億円を達成できなかった。しかし、案件管理体制の見直しとシステム化の導入により、プロジェクト管理の精度が向上。この改善により、同社は2023年12月期に1年遅れで目標売上100億円を達成した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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