*13:31JST フォーシーズ Research Memo(1):通販事業は売上高増、卸売事業も利益増により黒字体質へ
■要約
フォーシーズHD<3726>は、化粧品・健康食品・アロマテラピー関連商品を中心とした製造及び販売を行っている。「美」「健康」「癒し」をテーマに「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」「衛生コンサルティング事業」の4事業を展開しており、各セグメント間で高いシナジー効果を創出している。また、既存事業にこだわらず、多角的・発展的なビジネス展開を得意とし、企業価値向上の1つの手法としてM&Aを積極的に活用している。
1. 2023年9月期の連結業績
2023年9月期決算の連結業績は、売上高2,136百万円(前期比8.1%減)、営業損失214百万円(前期は119百万円の損失)、経常損失216百万円(同116百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失272百万円(同156百万円の損失)となった。各セグメントの営業スタイル特性に合わせた施策を推進した結果、通販事業及び卸売事業はセグメント利益を確保、安定的な黒字化へ向けた収益性の向上が図られた。一方、衛生コンサルティング事業とリテール事業はセグメント損失を計上した。衛生コンサルティング事業では、飲食業界におけるHACCP※の浸透の遅れが影響、リテール事業では、店舗数減少に伴う売上高減少や原価率改善の遅れが影響した。販売費及び一般管理費では、上場維持費等の報告セグメント以外に係る管理費を予算対比約70百万円計上したこと及び、M&Aのアドバイザリー費用や臨時株主総会による想定外の支出が影響した。
※HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握したうえで、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程のなかで、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。2021年6月から、HACCPに沿った衛生管理が原則としてすべての食品事業者に義務付けられており、今後は食品等事業者に対して同制度に対する理解が求められる。
2. 2024年9月期の業績予想
2024年9月期連結業績については、売上高2,790百万円(前期比30.6%増)、営業利益29百万円(前期は214百万円の損失)、経常利益23百万円(同216百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益19百万円(同272百万円の損失)を見込んでいる。販路拡大・海外展開強化とともに事業体制の構築を推進することで売上拡大を目指す。利益面では、経費削減活動の徹底、EC部門や生産部門統一化による効率的かつ効果的なコスト配分の徹底、OEM商品開発による原価改善により営業利益の改善を図ることで、各利益段階の黒字転換を計画している。通販事業では、2023年9月期第2四半期より(株)iiyの売上が追加となっており、他ブランドのEC販売へ販売手法を展開していることから売上高の増加が見込まれる。また、卸売事業における海外戦略については、「Cure」の主力商品である「ナチュラルアクアジェル」の販売規制解除や、海外展開を目的とした50百万円相当の資金調達が完了していることからも、一層の拡大が期待できると弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は、2022年2月に中期経営計画を策定した。2022年9月期~2025年9月期をV字回復ステージの4年とし、2025年9月期に売上高60.9億円、営業利益4.7億円(営業利益率7.7%)、経常利益4.6億円、時価総額73億円、ROE3.8%を目指す。具体的な取り組みのうち(1) 海外展開の加速としては、海外向け新商品の開発を進めるとともに、アジア・中華圏・中東への販売を強化する。(2) 販路拡大の加速としては、販売スタイル別のセグメント区分に変更し、ブランドごとの販路売上分析を行い、投資すべきセグメントや販路業態にスピーディに経営資源を投下することで売上拡大を目指す。(3) 事業体制の構築強化としては、収益性の確保が課題であるリテール事業及び衛生コンサルティング事業に対して、重点的に施策を推進する。
■Key Points
・「美」「健康」「癒し」をテーマに、化粧品・健康食品・アロマテラピー関連商品を中心とした製造及び販売を展開
・2023年9月期連結業績は減収減益となるも、通販事業及び卸売事業で安定的な黒字確保を実現
・2024年9月期連結業績は、販路拡大・海外展開強化とともに事業体制の構築を推進し、増収増益と各利益段階での黒字転換を目指す
・「海外展開の加速」「販路拡大の加速」「事業体制の構築強化」により、2025年9月期に売上高60.9億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<SI>
フォーシーズHD<3726>は、化粧品・健康食品・アロマテラピー関連商品を中心とした製造及び販売を行っている。「美」「健康」「癒し」をテーマに「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」「衛生コンサルティング事業」の4事業を展開しており、各セグメント間で高いシナジー効果を創出している。また、既存事業にこだわらず、多角的・発展的なビジネス展開を得意とし、企業価値向上の1つの手法としてM&Aを積極的に活用している。
1. 2023年9月期の連結業績
2023年9月期決算の連結業績は、売上高2,136百万円(前期比8.1%減)、営業損失214百万円(前期は119百万円の損失)、経常損失216百万円(同116百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失272百万円(同156百万円の損失)となった。各セグメントの営業スタイル特性に合わせた施策を推進した結果、通販事業及び卸売事業はセグメント利益を確保、安定的な黒字化へ向けた収益性の向上が図られた。一方、衛生コンサルティング事業とリテール事業はセグメント損失を計上した。衛生コンサルティング事業では、飲食業界におけるHACCP※の浸透の遅れが影響、リテール事業では、店舗数減少に伴う売上高減少や原価率改善の遅れが影響した。販売費及び一般管理費では、上場維持費等の報告セグメント以外に係る管理費を予算対比約70百万円計上したこと及び、M&Aのアドバイザリー費用や臨時株主総会による想定外の支出が影響した。
※HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握したうえで、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程のなかで、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。2021年6月から、HACCPに沿った衛生管理が原則としてすべての食品事業者に義務付けられており、今後は食品等事業者に対して同制度に対する理解が求められる。
2. 2024年9月期の業績予想
2024年9月期連結業績については、売上高2,790百万円(前期比30.6%増)、営業利益29百万円(前期は214百万円の損失)、経常利益23百万円(同216百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益19百万円(同272百万円の損失)を見込んでいる。販路拡大・海外展開強化とともに事業体制の構築を推進することで売上拡大を目指す。利益面では、経費削減活動の徹底、EC部門や生産部門統一化による効率的かつ効果的なコスト配分の徹底、OEM商品開発による原価改善により営業利益の改善を図ることで、各利益段階の黒字転換を計画している。通販事業では、2023年9月期第2四半期より(株)iiyの売上が追加となっており、他ブランドのEC販売へ販売手法を展開していることから売上高の増加が見込まれる。また、卸売事業における海外戦略については、「Cure」の主力商品である「ナチュラルアクアジェル」の販売規制解除や、海外展開を目的とした50百万円相当の資金調達が完了していることからも、一層の拡大が期待できると弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は、2022年2月に中期経営計画を策定した。2022年9月期~2025年9月期をV字回復ステージの4年とし、2025年9月期に売上高60.9億円、営業利益4.7億円(営業利益率7.7%)、経常利益4.6億円、時価総額73億円、ROE3.8%を目指す。具体的な取り組みのうち(1) 海外展開の加速としては、海外向け新商品の開発を進めるとともに、アジア・中華圏・中東への販売を強化する。(2) 販路拡大の加速としては、販売スタイル別のセグメント区分に変更し、ブランドごとの販路売上分析を行い、投資すべきセグメントや販路業態にスピーディに経営資源を投下することで売上拡大を目指す。(3) 事業体制の構築強化としては、収益性の確保が課題であるリテール事業及び衛生コンサルティング事業に対して、重点的に施策を推進する。
■Key Points
・「美」「健康」「癒し」をテーマに、化粧品・健康食品・アロマテラピー関連商品を中心とした製造及び販売を展開
・2023年9月期連結業績は減収減益となるも、通販事業及び卸売事業で安定的な黒字確保を実現
・2024年9月期連結業績は、販路拡大・海外展開強化とともに事業体制の構築を推進し、増収増益と各利益段階での黒字転換を目指す
・「海外展開の加速」「販路拡大の加速」「事業体制の構築強化」により、2025年9月期に売上高60.9億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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