ただ“ここからの上値模索”も抑制されやすい…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/01/10 11:13

◆ やはり“下値は限定的” - “143円半ば”を底にして…


3連休明けとなった国内勢は、需給面を背景に“ドル売り”からスタートし、一時“143.422円”へと値を落とす場面が見られました。
一方で米CPI(11日)を見極めたいとの思惑は強く、その後は“ドル買い(戻し)”が先行しています。
こうして一旦割り込んだ4%台を米10年債利回りが回復したこともあり、NYタイム終盤には“144.624円”へと上値を拡大する場面も見られました。
方向感が定まらない展開が続いており、まさに米CPI待ちの様相を示しているのが実状といえます。



◆ テクニカル的には“下値の堅さ”が意識されるところではあるが…?


“200日移動平均線(昨日は143.376円)”で切り返した格好となるだけに、テクニカル的には“下値の堅さ”が意識されていると見られます。
一方で「米早期利下げ観測後退」は根強いものの、「米利下げ観測そのもの」が後退したわけではありません。
このため現時点では“どっちつかず”の印象は否めず、“一方向への動意”は抑制されやすいのが実状といえます。
そうなると米CPIの結果を見極めない限り、現在の“方向感定まらず”は継続すると見るのが妥当…?

米10年債利回りとの相関関係は再び強まりつつあるだけに、直近の“4.0-4.1%”から抜け出さない限り、“新たなポジション形成”は手控えられると見るのが妥当といえます。
ただマーケットは思惑で動くだけに、その度合い次第では“揺れ動き”がさらに値幅を伴う可能性は否めない…?
かなりの規模のドル売りオーダーが“心理的な節目(145円ライン)”で待ち構えていると見られるだけに、ここから先は“上値の重さ”を意識せざるを得ませんが、予断を持つことなく、臨機応変に対応したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

146.580(12/11高値)
146.473(50日移動平均線)
146.163(12/12高値、ピボットハイブレイクアウト)
146.011(12/13高値、週足・一目均衡表転換線、11/13~12/28の50%戻し)
145.965(1/5高値)
145.537(+2σ)
145.365(1/5~1/8の76.4%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値5:145.085(12/11~12/28の76.4%戻し
上値4:145.000(1/5~1/8の61.8%戻し、大台)
上値3:144.916(1/8高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:144.815(週足・一目均衡表基準線)
上値1:144.624(1/9高値、1/5~1/9の50%戻し)
前営業日終値:144.482
下値1:144.293(+1σ)
下値2:144.000(大台)
下値3:143.871(日足・一目均衡表基準線)
下値4:143.658(1/8安値、ピボット1stサポート)
下値5:143.422(1/9安値、200日移動平均線)
143.105(12/28~1/5の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
143.000(大台、ピボット2ndサポート)
142.928(20日移動平均線)
142.844(1/4安値)
142.697(月足・一目均衡表転換線)
142.526(ピボットローブレイクアウト)
142.430(12/28~1/5の61.8%押し)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想