「月末要因」はすでに剥落となれば…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/12/28 11:37

◆ 上を下へと揺れ動き… - 最終的には“141円半ば”へ下落


“ハト派寄り”となった「日銀会合・主な意見」を背景に、まず昨日は“円売り(戻し)”からスタートしました。
このため“142.848円”へと上値を伸ばす場面も見られましたが、ただ「2024年1-3月期の国債買入額抑制」との方針から押し戻されました。
一方でクリスマス休暇明けの欧州勢は“ユーロ買い”で参戦し、「米利下げ観測」を背景にした“米利回り低下→ドル売り”も確認されています。
こうしてNYタイム中盤以降は主に対ユーロにて“ドル売り”が目立ち、ドル円も“141.540円”へと押し下げられて、昨日の取引を終えています。

◆ “12/14安値”を割ると“加速”も否めなくなってくるが…?


こうして再び押し下げられたことで、テクニカル的なポイントは「“12/14安値(140.945円)”を維持できるか?」と見られるところです。
下回ると“加速”しかねない反面、維持できると“戻りの急所”として意識されてもおかしくない分水嶺…。

「米3月利下げ」の確率を短期金融市場が“90%超”織り込む中、さらに「年1.75%超利下げ(7回以上の利下げ)」へとさらに織り込みが進んでいる節が見られています。
そうなると方向感は“下方向(ドル売り)”ではあるものの、“往き過ぎ/織り込み過ぎ”を意識せざるを得ないというのが実状といえます。

「スポット取引の最終応当日」を終えたことで、ポートフォリオ調整等に絡む「月末要因」はすでに剥落しています。
意識は“下方向”へと傾きやすい状況ではありますが、“下値は堅い”は健在と見ておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

143.960(20日移動平均線、ピボットハイブレイクアウト、大台)
143.654(12/19~12/27の61.8%戻し)
143.568(12/21高値)
143.375(ピボット2ndレジスタンス)
143.251(12/19~12/27の50%戻し)
143.062(日足・一目均衡表転換線)
上値5:142.979(200日移動平均線、大台)
上値4:142.848(12/27高値、12/19~12/27の38.2%戻し)
上値3:142.594(ピボット1stレジスタンス)
上値2:142.204(12/27高値後の61.8%戻し)
上値1:142.000(大台、-1σ、12/27高値後の50%戻し)
前営業日終値:141.813
下値1:141.540(12/27安値)
下値2:141.421(12/15安値)
下値3:141.259(月足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値4:141.040(50週移動平均線、大台)
下値5:140.945(12/14安値)
140.759(ピボット2ndサポート)
140.683(7/31安値)
140.159(-2σ)
140.000(大台、ピボットローブレイクアウト)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想