“100日線”を巡る攻防戦は継続…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/12/06 11:18

◆ “揺れ動く”も“方向感定まらず”… - 結局“147円前半”


昨日は「米早期利下げ観測」を背景にした“ドル売り”と、「ECB早期利下げ観測」を背景にした“ユーロ売り”が交錯しました。
このため“揺れ動き”こそするものの、“方向感定まる”に至ることはありませんでした。
こうしてドル円はNYタイム中盤には“146.557円”へと押し下げられ、一方でNYタイム終盤には“147.390円”へと押し戻されたものの、“方向感定まず”から脱却できずに昨日の取引を終えています。
なお昨日発表の「JOLTS求人件数」は“予想以上の減少(873.3万件)”を見せたものの、「ISM非製造業景況指数」が“3ヶ月ぶりの上昇(52.7)”となったことで、相殺されました。

◆ “さらなる円買い(戻し)”は抑制される…?


“下値は堅いが、上値も重い”を地で往く状況下、本日も“同様の展開”が想定されるところです。
特に上値を押さえているのは昨日も記した“100日移動平均線(本日は147.410円)”であり、一方で下値を支えるのは“4日安値(146.206円)”ですが、どちらに突破するにも“材料不足”の印象は否めない…?

それでも「米早期利下げ観測」に続いて、昨日は冒頭で記した「ECB早期利下げ観測」も台頭しました。
また昨日の“据え置き”で「豪利上げ終了観測」も台頭しつつある中、「日銀緩和策修正への道筋」は一向に見えないのが実状といえます。
そうした中では、「円キャリートレード」が一気に解消される展開も想定しづらい…?
さらに「米早期利下げ観測」が“前のめり的”に織り込まれている状況を踏まえれば、“さらなる円買い戻し(ドル売り戻し)”も手控えざるを得ない…?

“方向感定まず”が変わらないだけに、本日も“揺れ動き(膠着)”が基本路線とは考えます。
それでもさらなるネガティブが飛び出さない限り、少なくとも“さらなる下値模索”に関しては抑制されると見たいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

149.747(11/22-24高値、11/13~12/4の61.8%戻し)
149.668(11/27高値)
149.481(50日移動平均線)
149.056(11/13~12/4の50%戻し、20日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、大台)148.825(11/28高値)
148.518(11/30高値)
148.340(12/1高値、11/13~12/4の38.2%戻し、11/22~12/4の61.8%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値5:148.074(日足・一目均衡表先行スパン下限)
上値4:147.977(11/22~12/4の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、大台)
上値3:147.869(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:147.559(11/22~12/4の38.2%戻し、20週移動平均線、-1σ、ピボット1stレジスタンス)
上値1:147.453(12/4-5高値、100日移動平均線)
前営業日終値:147.160
下値1:147.000(大台)
下値2:146.681(ピボット1stサポート)
下値3:146.557(12/5安値)
下値4:146.206(12/4安値、ピボット2ndサポート)
下値5:146.000(大台)
145.895(9/11安値、-2σ、ピボットローブレイクアウト)
145.000(大台)
144.573(週足・一目均衡表基準線)
144.441(9/1安値)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想