ハイブリッドテクノロジーズ、業績予想に対し想定どおり着地 今期は事業部の体制強化に投資し売上収益向上を見込む

投稿:2023/11/28 13:00

2023年9月期決算説明

藤本雅之氏(以下、藤本):「相場の福の神」こと、藤本でございます。「相場の福の神 IRセミナー」ということで、本日は株式会社ハイブリッドテクノロジーズのチャン バン ミン社長をお招きしています。今回は、2023年9月期第4四半期の決算説明です。ミン社長、ご挨拶をお願いします。

チャン バン ミン氏(以下、ミン):みなさま、こんばんは。ハイブリッドテクノロジーズのミンです。本日はよろしくお願いします。

藤本:まずは、2023年9月期第4半期の決算説明資料から、ご説明いただければと思います。

エグゼクティブサマリー

ミン:エグゼクティブサマリーです。前期比で、売上収益はプラス21パーセント、売上総利益はプラス11パーセント、営業利益はマイナス11パーセントとなっています。

藤本:前期としては、売上収益、売上総利益、営業利益は伸びたものの、営業利益は若干苦しかったということですか?

ミン:おっしゃるとおりです。売上自体は上がっているのですが、シンプルにコストコントロールが甘かったです。また、2桁の数のエンジニアが半年くらい待機していました。それにより、利益も減ってしまったと思います。

2023年9月期業績予想の達成状況

藤本:スライドは、2023年9月期業績予想の達成状況です。こちらは、ほぼ100パーセント達成というかたちですね。

ミン:おっしゃるとおり、概ね予想どおりとなっています。

決算概要

藤本:決算概要を簡単に教えていただけますか?

ミン:売上収益は、上期は為替の影響もあり、新規ストックサービスの受注が遅れていました。

下期は新規案件の獲得、さらに既存案件の拡大により、前期比プラス21パーセントの29億円となっています。先ほどお話ししたとおり、上期の売上総利益は、売上収益の停滞時、売上原価に占める人件費割合が増加した結果、低下しています。

下期は売上拡大に伴って、待機人材が稼働し始めますので、結果として売上総利益は前期比でプラス11パーセント増の10億4,700万円です。営業利益は、当期に実施した2つのM&A関連費用が大きく影響しています。現在は新しい期に入っていますが、基本的にはPMIも順調に進捗しています。

四半期毎の推移:売上収益

藤本:四半期ごとの推移でいえば、第4四半期は盛り返したのですか?

ミン:第4四半期はM&Aを行なった2社の数字が含まれていましたし、新規の提案もうまくはまりました。それが結果として、数字に表れてきました。

四半期毎の推移:売上総利益、営業利益

藤本:スライドは、売上総利益及び営業利益です。第4四半期が一番よかったということですね。

ミン:そのとおりです。季節性と思われることが多いのですが、そのようなことはありません。営業とタイミングが第4四半期に入ってヒットしたかたちです。

当期に実施したM&A関連費用の影響

藤本:スライドは、M&A関連費用の影響です。

ミン:第3四半期までに、M&A関連費用3,400万円を販管費に計上しました。第4四半期はこちらが発生していませんので、第4四半期は営業利益が12パーセントに改善しています。

重要KPI

藤本:重要KPIとしては、ストックサービス件数の推移ですね。

ミン:ストックサービス件数は69件と、第3四半期比で微減しています。一方で平均単価は上昇し、375万7,000円です。

藤本:件数は減ったものの、単価は上がったというかたちでしょうか?

ミン:おっしゃるとおりです。このKPI自体は、お互いに関連しています。件数が伸びる時に、単価は下がる傾向があります。

藤本:新規案件を取ると、最初から大きい案件でドーンと行きませんので、まずはスモールスタートというかたちです。ですので、平均単価は下がってしまいますが、その代わりに件数が伸びます。小規模案件の撤退に伴って件数が落ちているということは、逆にいえば、大きな案件だけになっているので、単価が上がるのですよね。

ミン:おっしゃるとおりです。

KPI予想との差分に関する補足_ストックサービス件数

藤本:スライドは、撤退による減少と新規案件の数ですね。

ミン:そのとおりです。先ほどのグラフを分解しました。

藤本:「撤退による減少」は、トライアルを行ったものの、やめたということですか?

ミン:おっしゃるとおりです。グラフに記載のとおり、4件は予想どおり増加し、さらに1件追加で増加したものの、7件減少しました。トライアルで小規模で開始したのですが、お客さまの事業計画の変更やトライアルなどでうまくいかなかった分も含まれています。

KPI予想との差分に関する補足_ストックサービス単価

藤本:こちらも先ほどの補足ですね。

ミン:金額ベースで分解したものです。既存のお客さまの発注増加によって45万6,000円、小規模な案件が減ったことで22万5,000円、平均単価が向上しました。

営業利益(累計)の分析

藤本:スライドは、営業利益の分析です。第3四半期までのM&A費用を計上したということですね。

ミン:おっしゃるとおりです。

2023年9月期 B/S及びC/F

藤本:期末時点のB/S及びC/Fはスライドに記載のとおりですね。

ミン:自己資本比率は60.6パーセントです。

藤本:ここは安定的な水準で、今後、投資余力があるように見えます。

ミン:おっしゃるとおりです。キャッシュは潤沢にあると思っています。

Hybrid Technologies Capitalの状況

藤本:「Hybrid Technologies Capital」の状況はいかがでしょうか?

ミン:2022年3月に始動し、9月末までに累計20案件に対して出資しました。グラフをご覧のとおり、「出資した金額=売上」になっているのが現在の進捗状況です。

藤本:要するに、御社の場合は単なるベンチャーキャピタルではありません。出資するとともに、企業のDX化をサポートします。まさに、ハイブリッドですね。

ミン:そのとおりです。一見すると、売上と出資した額が同じです。しかし、シナジーを出すことが主な目的ですので、基本的には今後もストックとして売上が積み上がっていきます。

Hybrid Technologies Capitalの状況

藤本:スライドは、主な投資先ですね。

ミン:業界・業種を限定していませんので、基本的にはシナジーがある会社とパートナーシップを構築しています。

藤本:今後、いろいろと期待できる企業もあるということですね。

ミン:そのように思っています。

投資先との協業事例:株式会社GIG

藤本:例えば、協業先にGIGがあります。こちらとの提携は、どのようなかたちになっているのですか?

ミン:GIGは第1弾の案件で、UI/UXのデザインをしている会社です。当社も同じ領域かもしれませんが、どちらかというと、GIGはUI/UXに特化した会社です。私たちも、当時は開発がメインでしたので、シナジーがあり、社内案件だけでなく、GIGが提案できなかった開発に対して、僕らが一緒になって提案しました。その結果、投資額の何倍もの金額が売上に直結し、今でも追加で発注をいただいています。

2024年9月期業績予想

藤本:投資家は、「今期、どうなの?」というところが気になると思います。御社の場合、前期は発表した数字どおりの結果だったと思いますが、今期はいかがでしょうか?

ミン:今期は、全体としては非常に保守的に計画しています。

藤本:前期に一度修正しているので、さすがに強気な計画を出すのは難しいということですね。

ミン:前期の下方修正はとても反省しています。今期一番感じているのは、周りの士気が非常に高まってきていることです。もちろん数字は大事ですが、それを意識させないくらいの士気の高さが生まれています。また、個々人も「今期しかない」というつもりで取り組んでいます。

藤本:今期の特徴として、売上収益はプラス14パーセントですが、営業利益、税引前利益、当期利益などの増益率が増収率より高いところです。ですので、利益率も上がるということですよね。

ミン:コストコントロールがうまくできなかったことが、前期の各利益が減速した原因です。そちらについては非常に反省しています。端的にいえば、待機人材が多いと、その分利益が減ってしまいます。そのため、そちらをうまくコントロールするだけでも利益は増えていくと見込んでいます。

藤本:それにより、増収率より増益率のほうが高い数字になっているのですね。

2024年9月期の方針

藤本:今期の方針について教えてください。やはり、前期に吸収合併したイクシアス社の衣笠CTOの存在が、1つの肝になりますか?

ミン:衣笠CTOの存在は、非常に大きいです。日本のお客さま向けにビジネスを展開して、提案をしてデリバリーしていく中で、やはり衣笠CTOのような人物の知見が、とても重要なポイントになると思います。イクシアス社の買収で、その部分の強化ができたと考えており、デリバリーに関しては、かなり自信が生まれました。

藤本:このようなかたちで体制を整えて、増収増益を目指すということですね。

事業体制の変更

藤本:事業体制については、少し変更があったのでしょうか?

ミン:営業人員の強化だけでなく、提案力を強化しています。当社に求められるのは、日本の市場におけるエンジニア不足やエンジニア単価が高すぎることへの対応です。我々の存在意義はそこにあります。

しかし、お客さまに寄り添い、喜んでもらうための事業というのは、お客さまが考えていることや、やりたいことを一緒に考え、舞台に立つことだと思います。それがここでいう事業創造です。開発だけではなく、事業企画のところをしっかり構築していくということです。

藤本:お客さまのビジネスについてしっかり考え、そのビジネスがうまくいくように、できる限りシステム面でサポートしていくということですね。

ミン:そのとおりです。

藤本:「ビジネスがわからなければ」というかたちでいえば、その部分を少し強化するということでしょうか?

ミン:おっしゃるとおりです。

売上収益の予想

藤本:売上収益の予想です。今回は14パーセント増収という予想値ですが、スライドのグラフはこれを四半期に分けたものですよね。上期はある程度抑えており、下期に伸びていくような予想値になっている理由について、教えてください。

ミン:こちらは、営業のリードタイムが影響しています。また、先ほどもお話ししましたが、案件を受注しても、急に人数は増えません。まずは5人くらいから始めることが多く、人数は徐々に積み重なっていくものです。それを表したものが、スライドのグラフです。

利益の予想

藤本:利益の予想です。こちらも売上収益と同様、売上幅の伸びとともに売上総利益が上がっていくということでしょうか?

ミン:そのとおりです。

重要KPIの考え方について

藤本:KPIの考え方について教えてください。長期ストックサービスの件数とストックサービス単価は掛け算ですので、その両方がKPIであるということですか?

ミン:おっしゃるとおりです。今回買収した会社の1つであるハイブリッドテックエージェントは、人材派遣事業やSES事業を担っています。この派遣業も顧客に対して継続的に役務提供をする事業なので、分類はストックサービスです。ただ、派遣業は1案件の構成チームの拡大を目指す長期ストックサービスとは性質が異なるので、ストックサービスの中に新しい区分を設けて、重要KPIの対象にはしていません。結果的に重要KPIは今までどおりから変更はありません。

藤本:なるほど。

重要KPIの予想

藤本:今回の重要KPIの予想では、ストックサービス件数が69件から75件に伸びるとされています。一方、ストックサービス単価に関しては、若干減少すると記載されています。こちらは、やはり新規案件が入ることにより、平均が少し下がってしまうのでしょうか?

ミン:そのとおりです。

藤本:投資家として気になるのは、現在1ドル150円を超えるような為替レートで、十数年ぶりのドル高円安水準となっていることです。しかし、御社の予想では、為替レートの想定は、上期で1ドル140円、下期で1ドル136円としています。こちらについて、足元では1ドル150円程度のレートかと思いますが、その場合、御社のストックサービス単価は上がる見込みなのでしょうか?

ミン:少々ややこしいのですが、シンプルにいえば、為替レートを1ドル140円と見ている上期で、仮に円安がさらに進んで1ドル150円となった場合、1ドルあたり10円分の売上が増えます。

藤本:そうですよね。御社の場合は、基本的にドル建てでお客さまと契約しているケースが非常に多いという前提から考えると、140円で計算するのと150円台で計算するのでは、7パーセントから8パーセント程度ずれてしまうかと思います。そうすると、そのぶん売上高は上振れするかたちになるのでしょうか?

ミン:そのとおりです。

藤本:逆にいえば、円高になっていくほうが、件数としては受注を取りやすいですよね。

ミン:おっしゃるとおりです。

藤本:そうですよね。御社の場合は、これはなかなか難しい問題ですね。

ミン:ご指摘のとおり、1ドル160円から170円台になるとしたら、また変わってくると思います。為替レートが不安定だと、実際問題としてお客さまの事業計画も立てにくい状況になります。やはり円高の時のほうが、提案も受け入れられやすいのではないかというのが、温度感としてはあります。

重要KPIと為替影響の考え方

藤本:為替影響の考え方についてお聞きします。為替の状況に対応して、ストックサービスの件数と平均単価を向上させることにより、総合的な成長を図るとスライドに記載されています。現在は、そのとおりの状況なのでしょうか?

ミン:そうです。何が何でもUSドルで契約しなければならないわけではありません。また、今まさにいろいろなリードを進めていますが、外貨を稼ぐことも目指しています。今後は、円だけではなくドルで契約できる市場の開拓、あるいはM&Aを積極的に進めていきます。

イクシアス吸収合併

藤本:前期の第4四半期のトピックスについて、教えてください。

ミン:先ほども話題に出ましたが、イクシアス社の吸収合併を行いました。これにより、衣笠CTOが事業体制に加わりました。

藤本:これで、体制を大きく変えるということですね。

新規子会社とのシナジーに関する事例

ミン:スライドには、事業内容が異なる当社子会社のハイブリッドテックエージェントから、当社の出資先の企業に、エンジニアを供給できたという事例を記載しています。

藤本:そのような他業種への対応もできつつあるという状況でしょうか?

ミン:そのとおりです。

第4四半期のトピックス:ベトナム合弁会社の稼働開始

藤本:ベトナム合弁会社のCirclace HTが、稼働を開始しましたね。

ミン:今期から本格的に稼動を開始します。

藤本:こちらはサークレイス社、グロースリンク社との合弁会社ですよね。

ミン:そのとおりです。

Circlace HTの概要と進捗

藤本:Circlace HTの概要について教えてください。

ミン:視察ツアーを開催し、13社が参加されました。「そもそもベトナムってなんだっけ?」というところから始まり、実際に現場でどのように進めているかを見たり、ヒアリングをしたりしました。当社の営業目的だけではなく、ベトナムという国、あるいは所在地であるホーチミン市を理解していただくために、ホーチミン人民委員会にも依頼して、ベトナム政府の要人の方々とも面会し、意見交換を行いました。

第4四半期のトピックス:サイバーセキュリティサービスの進捗

藤本:サイバーセキュリティサービスの進捗について、やはりマーケットの関心も非常に高いかと思いますが、こちらはいかがでしょうか?

ミン:スライドに記載のとおり、2022年9月からセキュリティサービスを提供しています。今期は、11案件でセキリティテストサービスを提供できましたが、もう少しスピード感を持って進めていきたいと思います。

成長戦略

藤本:今後の成長戦略について、教えてください。

ミン:繰り返しになりますが、やはり既存事業の成長と、M&Aなどによる非連続的な成長を目指します。今期はM&Aを2件行ったほか、サークレイス社・グロースリンク社と合弁会社を設立しており、そのような業務提携などの対応を積極的に進めています。

藤本:やはり既存事業を着実に伸ばすとともに、非連続的な成長については、別途M&Aのような業務提携などの手段で行うということですね。

ミン:そのとおりです。

成長戦略:既存事業の成長

藤本:既存事業の成長については、件数の増加と単価の向上の掛け算で決まってくるということですね。

ミン:おっしゃるとおりです。

成長戦略:Hybrid Technologies Capital

藤本:続いて、「Hybrid Technologies Capital」についてです。こちらは、以前から取り組んでいるもので、単純に投資するだけではなく、投資先が開発を進める中で、サービス提供の受注にもつながるというサイクルであり、よい展開が持続するというものですよね。

ミン:そうですね。

藤本:投資、開発、事業成長の好循環を期待しているのですね。

ミン:そのとおりです。プロジェクトを進めてきた中での実績と数字を、先ほどグラフでお示ししました。

藤本:金額を分解したというお話ですね。

Hybrid Technologies Capitalの投資実績:株式会社EmbodyMe

藤本:スライドは、出資先の事例ですね。

ミン:EmbodyMe社は、AIや物流、医療系など、さまざまな事業を展開している企業です。

藤本:興味深いのが、生成系AIで表情や動きをリアルタイムにアバターに反映させることで、画像左側のアバターはスーツを着て真面目そうな姿が表示されていますが、画像右側の実際の姿は、そうではないのですね。

ミン:まさにそのようなサービスを提供しています。

藤本:画像右側の家での姿を、生成系AIによって左側の仕事用の姿に切り替えているということでしょうか?

ミン:このサービスは、AIにバグが起きたら大変なことになると思いますよね。

藤本:確かにそうですね。そうすると、私がイケメンになったり、可愛くなったりすることもあり得えますか?

ミン:そうですね。

藤本:生成系AIで、そのように指示しているということですよね。おもしろいサービスですね。

Hybrid Technologies Capitalの投資実績:株式会社 H.I.F

藤本:スライドの事例では、AIによって与信審査を行うのですか?

ミン:そのとおりです。H.I.F社は、事業がかなり好調な企業です。与信審査には、さまざまな情報が必要となりますので、具体的な内容は私たちからお話しできませんが、基本的には金融機関に代わって与信審査を行う企業です。この与信審査にAIを使っています。

そのような金融サービスを提供している会社ですが、驚くことに、業界平均のデフォルト率1.08パーセントに対し、H.I.F社は0.05パーセントです。

藤本:なるほど。やはりAI技術を活用することで、不良債権になりづらいのですね。

ミン:不良債権になるリスクを低減できる、すばらしいサービスだと思います。

成長戦略:当社のM&A戦略

藤本:M&Aに関しては、既存事業に好影響のあるもので進めていくということでよろしいでしょうか?

ミン:そのとおりです。

藤本:また、事業の多角化についても記載されていますね。

ミン:多角化といっても、重要KPIに寄与する事業を選択していきます。

藤本:寄与する事業を選ぶということで、まったく違うビジネスを始めるわけではないのですね。

ミン:そうですね。例えば、急にエネルギー事業を始めるわけではありません。

藤本:飲食業を始めるなど、そのようなことはないのですね。

ミン:おっしゃるとおりです。

成長戦略:既存事業の単価上昇、件数増加を目的にしたM&A

藤本:御社は、件数増加を目的としたM&Aというかたちですよね。お金を出すだけではなく、そこにDX人材を提供できることが大きいですよね。

ミン:そうですね。想定しているわけではありませんが、そうしなければ、「投資会社やベンチャーキャピタルなのではないか」という話になるかもしれないと感じています。

成長戦略:事業の多角化を目的にしたM&A

藤本:もう1つが、事業の多角化を目的にしたM&Aですね。

ミン:そのとおりです。

ESGへの当社の取組

藤本:ESGについて簡単に教えてください。

ミン:オープンな環境でグローバルに事業に取り組んでいます。やはり、当社のグロースが社会課題解決の一助になるのではないかと思っています。

質疑応答(要旨)①

藤本雅之氏(以下、藤本):「そろそろ新興企業への投資の自社効果を見せてもらいたいです」ということです。自社効果はあったということですよね?

チャン バン ミン氏(以下、ミン):そうですね。今回初めてまとめさせていただいていますので、そのグラフと、投資した金額、それから投資先からの売上、今後もその数字を追いかけて、進捗も適宜、決算発表などでみなさんに報告できればなと考えています。

質疑応答(要旨)②

藤本:あとは配当の検討については、御社の場合グロース企業で、大きな成長を今している途中ですよね。売上高に関しても2桁以上の成長をきちんと続けていることを考えると、まだまだ配当するような段階ではないと、僕は思ってしまうんですけど、どうですかね?

ミン:そうですね。今は配当よりも事業成長を通じて株主のみなさんにお返ししていきたいと思っています。もちろん、還元できるステージに早く行きたいなとも思っています。

藤本:そうですよね。今はまだまだ、やはり成長に対して投資していくフェーズだから、還元、配当っていうところは、まだもうちょっと先っていう感じですよね。

ミン:時短したいところですけどね。

藤本:できるだけ早くしたいけどっていうことですか。なるほど。

質疑応答(要旨)③

藤本:「円安は御社にとって有利または不利ですか?」というご質問をいただいているんですが。

ミン:当社にとっては有利ですね。売上が上がりますし、ドル建ての契約ですので売上が上がり、決算の数字では有利になります。

ただ中長期的に見ると、じゃあ、お客さまからすると海外に仕事を出していいのか、という心理になります。海外のほうが高くなってしまう時に、そこまでしてやらないといけないのか。

あるいは今は150円だけど、例えば、200円くらいだったら、さすがにそれは不利になりますよね。はい。

藤本:160円、170円と、もしいった時にっていうことですよね、なるほど。

ミン:だからこれは「Yes and no.」ですよね。

藤本:要は、足元の業績だけをいうと、円安のほうが有利だと。先ほど140円の想定で今の業績予想をしているけど、クォーターを通してずっと150円だったら、売上高と利益がぐっと上がるから、その部分だけをいうとプラスと。

ただし、中長期的なところで考えたら、新規の受注とかっていうところでは若干不利になるから、ちょっとしんどくなるということですよね。

ミン:そうですね。

藤本:なるほど、なかなか難しい。御社にとって本当に、ここって、一番いいのは動かないってことがいいんですか? やっぱり。

ミン:動いてもいいんですけど、緩やかに動いてくれるのが望ましいです。僕らというよりは、お客さまの事業計画が不安定になってしまいますね。

藤本:なるほど。じっとしていてくれて、緩やかに動くんだったら、動いてくれたらそれは対応できるよっていうことですよね。なるほど。

質疑応答(要旨)④

藤本:次に、ベトナム合弁法人のサークルレイスHTについて質問です。「100人以上のIT人材を構築するとのことですが、現在のところの人材は何割ほど採用できておられますか? また、収益化するのはいつくらいになるとお考えになりますか?」と。サークレイスさんとかと一緒に作ったベトナムの合弁会社、Salesforce関連の、ということですよね。

ミン:そうですね。これはちょっと、開示はサークレイス社がしていないので、僕のほうではちょっと言えないです。

藤本:そうですね、サークレイスさんに断りなく勝手に公開するわけにいかないということですよね。

ミン:それはよくないと思うので。

ただ、例えば、今回の視察などを経て、提案がスムーズにいけば、ベトナムにおいて100人の採用はそんなに難しくない、すぐできることなんです。なので、すぐに拡大はできると思います。

もう1つ、収益化でいうと、たぶん、今すでに赤字会社ではない状況です。当社とサークレイスさんのシナジーで、そんなに赤字をずっと掘る会社ではないので。そういう意味では、どれだけの収益になるかのステージにいます。開示はおそらくされていないので、詳しくは話せませんが。

藤本:なるほど。

質疑応答(要旨)⑤

藤本:「たまに質問をしている者です。その後、瞑想はなさっていますか?」

ミン:はい、毎日しています。

藤本:毎日しているんですか。毎日、何分くらいするんですか? 時間とか決まっているんですか? 朝するとか夜寝る前にするとか、何か決まっているんですか?

ミン:場所とタイミングなので。場所は、うるさくないところですね。

藤本:なるほど。確かに。うるさいところで瞑想している人って、あんまり見たことがないから。

ミン:いやでも、歩きながらの瞑想とかあるので。僕、その境地に至っていないんですけど、やっぱり静かなところを探して、もう本当に5分の時もあれば、長い時は数時間もありますし、あんまり時間の長さは関係ないんですよね。

藤本:なるほど。「疲れた時のリフレッシュ方法についても詳しく教えてください。社長の人となりがわかると、ステークホルダーも親しみを持ってかかわれると思います」やっぱり、疲れたときは瞑想すると。

ミン:そうですね。

藤本:なるほど。

質疑応答(要旨)⑥

藤本:「第4四半期でストック件数が減り、複数の小規模案件の撤退とありますが、撤退の理由はなんですか? 単価では?」というふうに書かれているんですけど。これ、ちょっと違うっていうことですよね?

ミン:これもちょっと重複になってしまいますが、撤退の理由はさまざまで、トライアルがうまく行かなかったお客さまの離脱などもあります。一方で、確かに円安になると単価が上昇します。それによって、お客さまも継続を躊躇することもあります。

藤本:なるほど。「今期の売上成長が、例年よりはるかに控えめに見えるんですが、これは組織変更によるものでしょうか?」

ミン:組織変更によるものではないですね。組織変更は、今後もっとグロースをさせるためという意味合いのほうが強いです。どちらかというと、前期に反省すべきところがたくさんあったので、今期の場合は、絶対外さない計画で作らせていただいたという背景があります。計画は必達として、それ以上のところを目指して経営しています。

藤本:前期、正直、下方修正しているところがあるから、やっぱり今期は絶対したくないですよね。ある程度やっぱり堅い数字をまず出して、そこをきちっと固めてから次のジャンプアップをしていきたい、という感じですか?

ミン:そうですね。

藤本:なるほど。

質疑応答(要旨)⑦

藤本:あといただいているのは、「待機人材のコントロールは具体的にどのように行うのでしょうか? 受注を増やすこと以外に方法はあるんですか?」と。

ミン:受注を増やすことが、一番の解決策ですね。

藤本:それは当然そうですよね。

ミン:もう1ついうと、ベトナムの労働市場は、すごい流動的なんです。流動的がゆえに、1ヶ月、2ヶ月くらい仕事がない状況が続くと、すぐ辞めてっちゃうんですよね。

藤本:なるほど。そりゃそうですよね。仕事していなくて給料をもらえるけど、成長できないですもんね。

ミン:そうですね。エンジニアさんのモチベーションって、別にエンジニアさんだけじゃないんですけど、ほとんどの人はそういう方々が多いですので、すぐに転職してしまうというところがあります。

ただ当社の場合、待機人材っていう言葉のとおり、本当に待機させています。受注できるから、ちょっと待ってほしいとか。でも気づいたら3ヶ月から4ヶ月ぐらい待っちゃっています、っていうのが、前期の失敗でした。これは僕の経営責任ですが、それが大きかったなっていうのがあります。

藤本:なるほど。

質疑応答(要旨)⑧

藤本:「ミン社長、なんか元気がないように見えるんですけど、そんなことはないですか?」と。

ミン:そんなことはないです。今期はすこぶる元気です。

藤本:すこぶる元気ですか。今期はかなり期待できますよね。

ミン:そうですね。がんばります。

藤本:このあたりでですね、ご質問に回答いただいたかなっていうふうに思いますので、最後ですね、ミン社長、締めの言葉をいただけたらなと思うんですが。

ミン:すごく、前期は元気がなかったです。いろいろ、僕自身も感じるものがたくさんありました。上場会社って、こういうものか。もちろん、いろんな話を聞きますし、いろんな先輩が教えてくれますけど、やっぱり身を持って体験したという気持ちです。

いろいろありますが、もっと結果を出して、期待を裏切らない。それから、期待を超えるようなパフォーマンスを出していきたいなと思っています。

藤本:なるほど。やっぱり投資家の方は。御社には大きな成長を期待しているというかたちで、やはり日本はDX人材がいない。ITをやりたい、交渉したいっていっても人がいない。だから、御社のような企業の活躍に期待していると思いますので。

今期はぜひがんばっていただいて、またこういうところでですね、元気にお会いできればなと思います。

最後、元気出してくださいっていう、これから、これからですよというふうにいただいていますので。ありがとうございました。本日はミン社長、どうもありがとうございました。

ミン:どうも、ありがとうございました。

※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。

配信元: ログミーファイナンス

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