*16:35JST LeTech Research Memo(5):2023年7月期は業績V字回復。得意のレジデンス開発・販売が好調
■業績動向
1. 2023年7月期の業績概要
LeTech<3497>の2023年7月期では、売上高15,989百万円(前期比12.2%減)、営業利益1,392百万円(前期は3,232百万円の損失)、経常利益821百万円(同3,957百万円の損失)、当期純利益1,162百万円(同4,688百万円の損失)と公約通り業績のV字回復を達成した。
2023年7月期における国内経済は、コロナ禍が終息の兆しを見せ、経済活動の正常化に方針転換した時期であり、国内外における行動制限が解除されるなど個人消費や企業の設備投資が活発になった。1ヶ月当たりの海外からの入国者数が200万人を超えるなど、特に個人消費の顕著な回復ぶりが見られた。同社の属する不動産業界においては、住宅取得環境は依然として良好であり、同時に住居系不動産を中心とする不動産投資は過熱する状況にある。一方で、需要拡大に供給が追い付かず品薄感も強まっており、地価の高止まりや用地取得競争の激化等の下、事業環境としては厳しさもある。
このような事業環境において、同社は2022年7月期にコロナ禍による市場減少の大きな影響を受けたインバウンド向け大型開発案件の売却により損失計上となったものの、2023年7月期は、主力商品「LEGALAND」の販売を順調にこなし、経常利益の計画値(330百万円)を大幅に上回る821百万円を達成し、業績を大幅回復させた。販管費に関しては、役員報酬の削減等による経費削減で成果を出した(販管費は前期比222百万円減)。
セグメント別に見ると、不動産ソリューション事業では、売上高14,794百万円(前期比13.4%減)、営業利益1,721百万円(前期は2,441百万円の損失)となった。主力商品である「LEGALAND」で販売実績を積み重ねたほか、新ブランド「LEGALAND+」2棟の売却など、得意とするレジデンス開発が好調に推移し、売上ボリュームを抑えながらも増益となっている。
不動産賃貸事業は、売上高1,148百万円(同2.6%増)、営業利益247百万円(同43.8%増)となった。2023年7月期においては、過去の収益物件の売却により物件数の減少が影響したものの、2022年10月に行われた入国上限撤廃や個人旅行の解禁などのコロナ禍の行動制限緩和を皮切りに、同社の保有するホテル・民泊マンションの収支が大きく改善し、増収増益となった。
その他事業は、売上高46百万円(同542.7%増)、営業利益39百万円(前年同期は7百万円の損失)となった。東西の拠点における不動産仲介案件の成約により増収増益となった。
資本増強と利益計上により財務基盤の健全化が進む。自己資本比率は19.5%に回復
2. 財務状況と経営指標
2023年7月期末の資産合計は、前期末比2,901百万円増の21,724百万円となった。このうち、流動資産は同2,611百万円増の20,655百万円となった。物件契約に伴う前渡金が1,588百万円、現金及び預金が1,296百万円増加したことが主な要因である。固定資産は同289百万円増の1,069百万円となった。これは、主に税効果会計における繰延税金資産の計上に伴う「繰延税金資産」が318百万円増加したことが主な要因である。
負債合計は、前期末比1,267百万円減の17,490百万円となった。このうち、流動負債は同924百万円減の10,897百万円となった。返済などにより1年内返済予定の長期借入金や短期借入金が減少したことが主な要因である。固定負債は同342百万円減の6,592百万円となった。返済や1年内返済予定の長期借入金への振替により、長期借入金が減少したことが主な要因である。この結果、短期借入金・長期借入金等を合算した有利子負債は同2,631百万円減少し14,967百万円となった。
純資産合計は、前期末比4,168百万円増の4,234百万円と大幅に増加した。これは、資本剰余金が2,209百万円増加したこと、繰越利益剰余金が1,596百万円増加したこと及び当期純利益1,162百万円を計上したことによる。
この結果、自己資本比率は0.3%(2022年7月期末)から19.5%(2023年7月期末)に急回復した。資本の増強と利益の計上により、今後の安定成長に向けた財務体質の健全化が進んだと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2023年7月期の業績概要
LeTech<3497>の2023年7月期では、売上高15,989百万円(前期比12.2%減)、営業利益1,392百万円(前期は3,232百万円の損失)、経常利益821百万円(同3,957百万円の損失)、当期純利益1,162百万円(同4,688百万円の損失)と公約通り業績のV字回復を達成した。
2023年7月期における国内経済は、コロナ禍が終息の兆しを見せ、経済活動の正常化に方針転換した時期であり、国内外における行動制限が解除されるなど個人消費や企業の設備投資が活発になった。1ヶ月当たりの海外からの入国者数が200万人を超えるなど、特に個人消費の顕著な回復ぶりが見られた。同社の属する不動産業界においては、住宅取得環境は依然として良好であり、同時に住居系不動産を中心とする不動産投資は過熱する状況にある。一方で、需要拡大に供給が追い付かず品薄感も強まっており、地価の高止まりや用地取得競争の激化等の下、事業環境としては厳しさもある。
このような事業環境において、同社は2022年7月期にコロナ禍による市場減少の大きな影響を受けたインバウンド向け大型開発案件の売却により損失計上となったものの、2023年7月期は、主力商品「LEGALAND」の販売を順調にこなし、経常利益の計画値(330百万円)を大幅に上回る821百万円を達成し、業績を大幅回復させた。販管費に関しては、役員報酬の削減等による経費削減で成果を出した(販管費は前期比222百万円減)。
セグメント別に見ると、不動産ソリューション事業では、売上高14,794百万円(前期比13.4%減)、営業利益1,721百万円(前期は2,441百万円の損失)となった。主力商品である「LEGALAND」で販売実績を積み重ねたほか、新ブランド「LEGALAND+」2棟の売却など、得意とするレジデンス開発が好調に推移し、売上ボリュームを抑えながらも増益となっている。
不動産賃貸事業は、売上高1,148百万円(同2.6%増)、営業利益247百万円(同43.8%増)となった。2023年7月期においては、過去の収益物件の売却により物件数の減少が影響したものの、2022年10月に行われた入国上限撤廃や個人旅行の解禁などのコロナ禍の行動制限緩和を皮切りに、同社の保有するホテル・民泊マンションの収支が大きく改善し、増収増益となった。
その他事業は、売上高46百万円(同542.7%増)、営業利益39百万円(前年同期は7百万円の損失)となった。東西の拠点における不動産仲介案件の成約により増収増益となった。
資本増強と利益計上により財務基盤の健全化が進む。自己資本比率は19.5%に回復
2. 財務状況と経営指標
2023年7月期末の資産合計は、前期末比2,901百万円増の21,724百万円となった。このうち、流動資産は同2,611百万円増の20,655百万円となった。物件契約に伴う前渡金が1,588百万円、現金及び預金が1,296百万円増加したことが主な要因である。固定資産は同289百万円増の1,069百万円となった。これは、主に税効果会計における繰延税金資産の計上に伴う「繰延税金資産」が318百万円増加したことが主な要因である。
負債合計は、前期末比1,267百万円減の17,490百万円となった。このうち、流動負債は同924百万円減の10,897百万円となった。返済などにより1年内返済予定の長期借入金や短期借入金が減少したことが主な要因である。固定負債は同342百万円減の6,592百万円となった。返済や1年内返済予定の長期借入金への振替により、長期借入金が減少したことが主な要因である。この結果、短期借入金・長期借入金等を合算した有利子負債は同2,631百万円減少し14,967百万円となった。
純資産合計は、前期末比4,168百万円増の4,234百万円と大幅に増加した。これは、資本剰余金が2,209百万円増加したこと、繰越利益剰余金が1,596百万円増加したこと及び当期純利益1,162百万円を計上したことによる。
この結果、自己資本比率は0.3%(2022年7月期末)から19.5%(2023年7月期末)に急回復した。資本の増強と利益の計上により、今後の安定成長に向けた財務体質の健全化が進んだと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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