*12:07JST 日本情報C Research Memo(7):プラットフォーム構築ステージと位置付け積極先行投資を実施
■成長戦略
1. 市場環境
不動産仲介・管理領域では全国に12万を超える宅地建物取引事業者が存在する。小規模事業者が多く、毎年5,000社前後が廃業しているが、一方では宅地建物取引資格を取得するなどして新規開業する事業者が毎年6,000社前後あり、結果的に法人事業者数は緩やかに拡大基調となっている。そして新規開業事業者にはデジタルネイティブ世代と言われる若い経営者が多く、DXを積極的に推進する傾向が強いため、日本情報クリエイト<4054>のDXソリューションの市場開拓余地は大きく、同社にとって市場環境は良好と言えるだろう。
2. 3ヶ年成長戦略
同社は、2022年6月期~2024年6月期をプラットフォーム構築ステージと位置付ける3ヶ年成長戦略を策定した。積極的な先行投資により、独自プラットフォーム構築に向けた商品・サービス力強化戦略、顧客数拡大及び市場シェア拡大に向けた営業体制強化戦略を推進している。
商品・サービス力強化では商品ラインナップ拡充によるプラットフォーム強化を推進している。2021年11月に発売開始した「電子契約サービス」は導入数が順調に拡大している。2022年11月には「不動産BB」のリニューアルを実施し、機能を充実するとともに使いやすさも向上した。2023年8月には蓄積したデータを活用する「CRIX」を有料コンテンツとして提供開始するとともに、AIを活用した「空室対策ロボ」の発売も開始した。また、周辺関連事業者とのデータ連携も拡大している。さらに今後は、国内最大級の業者間物件流通サービスである「不動産BB」と「リアプロ」を一本化(開発中)するとともに、一本化したサービスを有償サービスとすることも想定している。
営業体制強化では2023年6月期までに全国30拠点体制を構築した。顧客との接点強化やコンサルティング・サポート力強化によって顧客基盤を拡大するとともに、既存顧客へのクロスセル・アップセル戦略による有償サービスへの切り替え、新規顧客獲得を推進している。2022年6月期に大量採用した営業人員も徐々に戦力化する見込みだ。
これらの施策を推進した結果、2024年6月期の主要KPIとしては、子会社化したリアルネットプロも寄与して、業者間物件流通サービス(無償)の顧客数が48,017事業所、月額有償サービスの利用顧客数が6,500事業所、MRRについては仲介ソリューションが152,000千円、管理ソリューションが147,500千円、合計で299,500千円まで拡大する計画である。
顧客数やストック売上が拡大基調である点を評価
3. アナリストの視点
同社は、2023年6月期が実質2期連続減益となったため利益成長のトレンドが崩れた形となったが、これは先行投資などの影響である。2024年6月期は顧客数やストック売上の順調な拡大、先行投資負担の一巡や一時的費用の剥落により、収益が回復基調に転じる見込みだ。弊社では中長期的な視点で見て、顧客数やストック売上が拡大基調である点を評価している。そして、同社を取り巻く市場環境が良好であることも勘案すれば、さらなる新サービス開発やきめ細かなコンサルティング・サポートによって収益拡大が加速する可能性があり、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。したがって当面は2024年6月期の収益回復の進捗状況、2025年6月期以降の新たな成長戦略に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
1. 市場環境
不動産仲介・管理領域では全国に12万を超える宅地建物取引事業者が存在する。小規模事業者が多く、毎年5,000社前後が廃業しているが、一方では宅地建物取引資格を取得するなどして新規開業する事業者が毎年6,000社前後あり、結果的に法人事業者数は緩やかに拡大基調となっている。そして新規開業事業者にはデジタルネイティブ世代と言われる若い経営者が多く、DXを積極的に推進する傾向が強いため、日本情報クリエイト<4054>のDXソリューションの市場開拓余地は大きく、同社にとって市場環境は良好と言えるだろう。
2. 3ヶ年成長戦略
同社は、2022年6月期~2024年6月期をプラットフォーム構築ステージと位置付ける3ヶ年成長戦略を策定した。積極的な先行投資により、独自プラットフォーム構築に向けた商品・サービス力強化戦略、顧客数拡大及び市場シェア拡大に向けた営業体制強化戦略を推進している。
商品・サービス力強化では商品ラインナップ拡充によるプラットフォーム強化を推進している。2021年11月に発売開始した「電子契約サービス」は導入数が順調に拡大している。2022年11月には「不動産BB」のリニューアルを実施し、機能を充実するとともに使いやすさも向上した。2023年8月には蓄積したデータを活用する「CRIX」を有料コンテンツとして提供開始するとともに、AIを活用した「空室対策ロボ」の発売も開始した。また、周辺関連事業者とのデータ連携も拡大している。さらに今後は、国内最大級の業者間物件流通サービスである「不動産BB」と「リアプロ」を一本化(開発中)するとともに、一本化したサービスを有償サービスとすることも想定している。
営業体制強化では2023年6月期までに全国30拠点体制を構築した。顧客との接点強化やコンサルティング・サポート力強化によって顧客基盤を拡大するとともに、既存顧客へのクロスセル・アップセル戦略による有償サービスへの切り替え、新規顧客獲得を推進している。2022年6月期に大量採用した営業人員も徐々に戦力化する見込みだ。
これらの施策を推進した結果、2024年6月期の主要KPIとしては、子会社化したリアルネットプロも寄与して、業者間物件流通サービス(無償)の顧客数が48,017事業所、月額有償サービスの利用顧客数が6,500事業所、MRRについては仲介ソリューションが152,000千円、管理ソリューションが147,500千円、合計で299,500千円まで拡大する計画である。
顧客数やストック売上が拡大基調である点を評価
3. アナリストの視点
同社は、2023年6月期が実質2期連続減益となったため利益成長のトレンドが崩れた形となったが、これは先行投資などの影響である。2024年6月期は顧客数やストック売上の順調な拡大、先行投資負担の一巡や一時的費用の剥落により、収益が回復基調に転じる見込みだ。弊社では中長期的な視点で見て、顧客数やストック売上が拡大基調である点を評価している。そして、同社を取り巻く市場環境が良好であることも勘案すれば、さらなる新サービス開発やきめ細かなコンサルティング・サポートによって収益拡大が加速する可能性があり、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。したがって当面は2024年6月期の収益回復の進捗状況、2025年6月期以降の新たな成長戦略に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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