やや買い戻し先行も、ポジション調整主体…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/08/07 11:14

◆ “下放れ”も、“崩れる”には至らず… - 米雇用統計


注目の米雇用統計では、労働市場の逼迫が和らいでいる可能性が示唆されました。

失業率は“改善(3.5%)”平均時給も“高止まり(+4.4%)”となったものの、非農業部門雇用者数が“予想を下回った(+18.7万人)”からです。
さらに前月・前々月にも“下方修正(合わせて△4.9万人)”が加わったことで、「米利上げは最終局面」との思惑が再燃しました。
この影響から米10年債利回りが“急低下(4.20%→4.03%)”を見せる中、ドル円も“141.549円”へと値を落としていきました。

◆ このまま“下値追い”につながるかは微妙…?


こうして“上値の重さ”が目立ちましたが、一方でマーケットが期待する「米利上げ停止」を正当化するには心もとないというのが実状といえます。
このため“仕掛け的なドル売り”は入りづらく、このまま“下値追い”へつながるかは些か微妙といわざるを得ないのも、また事実です。

今週の注目は週央以降の米インフレ指標であり、すでに欧米勢は「サマーバケーション入り」したとの見方がもっぱらです。
特に本日は主だった米経済指標も予定されていませんので、「ポジション調整主体」にならざるを得ないと見られるところです。

◆ テクニカルも“膠着”を示唆…!?


「短期の円売りポジション」はその大半がすでに解消済みと見られるだけに、テクニカル的には“50日移動平均線(141.315円)”で支えられそうな印象は強いです。
一方で「ポジション調整主体」と踏まえれば、“日足・一目均衡表先行スパン上限(142.459円)”を窺う展開は想定しづらい…?
「株価動向・債券利回り動向」を睨みながらに大きな変化はないと見られるだけに、本日は“142円ラインを挟んだ揺れ動き”と見るのが妥当なところかもしれませんね。
新たな材料が飛び出さない限りは…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

144.195(7/7高値)
144.000(大台)
143.894(8/3高値、+2σ、ピボットハイブレイクアウト)
143.389(ピボット2ndレジスタンス)
142.998(8/3~8/4の61.8%戻し、大台)
142.877(8/4高値)
上値5:142.722(8/3~8/4の50%戻し)
上値4:142.572(ピボット1stレジスタンス)
上値3:142.459(日足・一目均衡表先行スパン上限、8/3~8/4の38.2%戻し)
上値2:142.288(+1σ)
上値1:142.000(大台)
前営業日終値:141.756
下値1:141.549(8/4安値)
下値2:141.315(50日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:141.155(週足・一目均衡表転換線)
下値4:141.075(日足・一目均衡表基準線)
下値5:140.981(7/28~8/3の50%押し、日足・一目均衡表転換線、大台)
140.683(7/31安値、20日移動平均線、ピボット2ndサポート)
140.293(7/28~8/3の61.8%押し)
140.000(大台)
139.916(ピボットローブレイクアウト)
139.442(7/28~8/3の76.4%押し)
139.111(-1σ)
139.042(日足・一目均衡表先行スパン下限、大台)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想