*12:01JST AIAI Research Memo(1):保育・療育・教育を一体的に提供する「AIAI三育圏」
■要約
AIAIグループ<6557>(旧global bridge HOLDINGSが2022年1月1日付で商号変更)は、経営理念に「夢に向かって成長しつづけよう」、グループミッションに「人口問題の解決」を掲げ、未就学期の子どもに関する事業として東京・千葉・大阪を中心に「保育・療育・教育」を一体的に提供し、3つの事業のシナジー効果を最大化させる「AIAI三育圏」を展開している。
1. 認可保育園AIAI NURSERYと多機能型施設AIAI PLUSが主力
認可保育園AIAI NURSERY、多機能型施設(児童発達支援及び保育所等訪問支援事業所)AIAI PLUSを主力に、サービス付高齢者向け住宅AIAI MAISONや住宅型有料老人ホームAIAI HOUSEも展開している。千葉県・東京都・大阪市及び神奈川県に展開し、2023年3月期末時点の施設数はAIAI NURSERYが84施設、AIAI PLUSが17施設、AIAI MAISON/AIAI HOUSEが2施設、AIAI FACTORYが1施設、合計が104施設となった。認可保育園経営数は業界6位規模である。特徴・強みとしては、特色のある独自の教育プログラムが高い評価を得ていることなどがあり、この結果、特に千葉県において圧倒的なシェアを誇っている。認可保育園AIAI NURSERYの収益特性として、新規施設開設時は費用先行や低在籍数・低在籍率で赤字だが、開設後3~4年目以降になると在籍数増加・在籍率上昇によって収益化(黒字化)する。なお、2023年3月期まで事業区分をチャイルドケア事業、ライフケア事業、テック事業としていたが、2024年3月期より単一セグメントに変更する。
2. 2023年3月期はAIAI NURSERYの収益化で初の営業黒字
2023年3月期の連結業績は売上高が10,822百万円、営業利益が80百万円、経常利益が413百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が506百万円の損失だった。連結ベースで初めて営業利益が黒字化した。2022年3月期が決算期変更に伴う経過措置として15ヶ月決算だったため比較はできないが、利益面では、AIAI NURSERYの開業後3~4年経過して収益化した施設数が増加したことに加えて、職員配置適正化など施設運営の効率化、AIAI PLUSの稼働率上昇、オフィス組織における販管費見直しの効果なども寄与した。開設施設数の差異により営業外収益での補助金収入は減少したが、営業利益は大幅に増加した。なお当期は減損損失549百万円を計上したため最終赤字だった。四半期別の推移を見ると、売上面は新規施設開設と期中の充足率・稼働率上昇によって増収基調である。営業利益は、新規施設開設時にあたる第1四半期が開園関連費用先行で赤字だが、第2四半期以降は黒字基調となっている。
3. 2024年3月期もAIAI NURSERYの収益拡大で大幅営業増益予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比4.4%増の11,300百万円、営業利益が同147.8%増の200百万円、経常利益が同15.4%減の350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(2023年3月期は506百万円の損失)としている。特に営業利益はAIAI NURSERYの収益拡大により大幅増益の予想としている。新規施設はAIAI NURSERYが5施設(うち1施設は移転して定員拡大)、AIAI PLUSが3施設(いずれも2024年3月期開設予定)、合計が8施設の計画としている。主力のAIAI NURSERYを中心に、新規開設や既存施設の園児数充足によって売上高及び利益規模の拡大を図るとともに、人員の最適配置などの取り組みも継続的に推進する方針だ。
4. 新中期経営計画「AIAIグループ中期経営計画2023~2025」
待機児童問題が解消に向かう一方で発達に障害をかかえる子どもの増加という事業環境の変化や、同社のAIAI NURSERYが利益化フェーズ入り連結営業利益が2023年3月期に初めて黒字化したことなどを踏まえて、同社は従来の中期経営計画を見直し、2023年5月に新たな「AIAIグループ中期経営計画2023~2025」を策定した。テック分野の位置付け見直し、訪問支援サービスや幼児教育プログラムなどの新たなビジネスモデル構築なども織り込んだ。目標数値としては、2026年3月期の売上高120億円~130億円、営業利益3億円~5億円、3ヶ年累計投資予定額6.8億円などを掲げた。AIAI NURSERYについては、自前出店のほかM&Aも視野に入れて、規模の拡大と利益の安定成長を推進する。AIAI PLUSについては、認可保育園に次ぐ成長の柱として育成を継続するが、出店計画は見直して、サービス品質のさらなる向上と収益の最大化を図るべく作業療法士など有資格者の獲得・育成に注力するとともに、人材獲得・育成ペースに合わせた出店計画を新たに策定した。同時に、専門家が保育施設を訪問してプログラムを提供する保育所等訪問支援を軸に、新たなビジネスモデルを構築して収益拡大を図る。
5. 新たなビジネスモデル構築も注目点
同社は2023年3月期に初めて営業利益が黒字化した。AIAI NURSERYにおいて開設から3~4年経過した既存施設の割合が上昇し、安定収益フェーズに移行した形だ。保育市場は今後競争激化が予想されるが、同社はAIAI PLUSとの連携によるインクルーシブな保育の提供や質の高い教育プログラムや千葉県を中心とするドミナント戦略によって高い競争力を維持しながら、収益が安定的に拡大するだろうと弊社では考えている。加えて、発達に障害をかかえる子どもの増加への対応が今後の国の重要政策となる可能性があり、同社が視野に入れている保育所等訪問支援を軸とする新たなビジネスモデルの構築についても注目したいと弊社では考えている。
■Key Points
・グループミッションに掲げる「人口問題を解決する」に寄与する事業を展開
・「保育・療育・教育」を一体的に提供し、3つの事業のシナジー効果を最大化させる「AIAI三育圏」
・2023年3月期は初の営業黒字化
・2024年3月期もAIAI NURSERYの収益化が進展して大幅営業増益予想
・事業環境変化に対応して「AIAIグループ中期経営計画2023~2025」を策定
・保育所等訪問支援を軸とする新たなビジネスモデル構築にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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AIAIグループ<6557>(旧global bridge HOLDINGSが2022年1月1日付で商号変更)は、経営理念に「夢に向かって成長しつづけよう」、グループミッションに「人口問題の解決」を掲げ、未就学期の子どもに関する事業として東京・千葉・大阪を中心に「保育・療育・教育」を一体的に提供し、3つの事業のシナジー効果を最大化させる「AIAI三育圏」を展開している。
1. 認可保育園AIAI NURSERYと多機能型施設AIAI PLUSが主力
認可保育園AIAI NURSERY、多機能型施設(児童発達支援及び保育所等訪問支援事業所)AIAI PLUSを主力に、サービス付高齢者向け住宅AIAI MAISONや住宅型有料老人ホームAIAI HOUSEも展開している。千葉県・東京都・大阪市及び神奈川県に展開し、2023年3月期末時点の施設数はAIAI NURSERYが84施設、AIAI PLUSが17施設、AIAI MAISON/AIAI HOUSEが2施設、AIAI FACTORYが1施設、合計が104施設となった。認可保育園経営数は業界6位規模である。特徴・強みとしては、特色のある独自の教育プログラムが高い評価を得ていることなどがあり、この結果、特に千葉県において圧倒的なシェアを誇っている。認可保育園AIAI NURSERYの収益特性として、新規施設開設時は費用先行や低在籍数・低在籍率で赤字だが、開設後3~4年目以降になると在籍数増加・在籍率上昇によって収益化(黒字化)する。なお、2023年3月期まで事業区分をチャイルドケア事業、ライフケア事業、テック事業としていたが、2024年3月期より単一セグメントに変更する。
2. 2023年3月期はAIAI NURSERYの収益化で初の営業黒字
2023年3月期の連結業績は売上高が10,822百万円、営業利益が80百万円、経常利益が413百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が506百万円の損失だった。連結ベースで初めて営業利益が黒字化した。2022年3月期が決算期変更に伴う経過措置として15ヶ月決算だったため比較はできないが、利益面では、AIAI NURSERYの開業後3~4年経過して収益化した施設数が増加したことに加えて、職員配置適正化など施設運営の効率化、AIAI PLUSの稼働率上昇、オフィス組織における販管費見直しの効果なども寄与した。開設施設数の差異により営業外収益での補助金収入は減少したが、営業利益は大幅に増加した。なお当期は減損損失549百万円を計上したため最終赤字だった。四半期別の推移を見ると、売上面は新規施設開設と期中の充足率・稼働率上昇によって増収基調である。営業利益は、新規施設開設時にあたる第1四半期が開園関連費用先行で赤字だが、第2四半期以降は黒字基調となっている。
3. 2024年3月期もAIAI NURSERYの収益拡大で大幅営業増益予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比4.4%増の11,300百万円、営業利益が同147.8%増の200百万円、経常利益が同15.4%減の350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(2023年3月期は506百万円の損失)としている。特に営業利益はAIAI NURSERYの収益拡大により大幅増益の予想としている。新規施設はAIAI NURSERYが5施設(うち1施設は移転して定員拡大)、AIAI PLUSが3施設(いずれも2024年3月期開設予定)、合計が8施設の計画としている。主力のAIAI NURSERYを中心に、新規開設や既存施設の園児数充足によって売上高及び利益規模の拡大を図るとともに、人員の最適配置などの取り組みも継続的に推進する方針だ。
4. 新中期経営計画「AIAIグループ中期経営計画2023~2025」
待機児童問題が解消に向かう一方で発達に障害をかかえる子どもの増加という事業環境の変化や、同社のAIAI NURSERYが利益化フェーズ入り連結営業利益が2023年3月期に初めて黒字化したことなどを踏まえて、同社は従来の中期経営計画を見直し、2023年5月に新たな「AIAIグループ中期経営計画2023~2025」を策定した。テック分野の位置付け見直し、訪問支援サービスや幼児教育プログラムなどの新たなビジネスモデル構築なども織り込んだ。目標数値としては、2026年3月期の売上高120億円~130億円、営業利益3億円~5億円、3ヶ年累計投資予定額6.8億円などを掲げた。AIAI NURSERYについては、自前出店のほかM&Aも視野に入れて、規模の拡大と利益の安定成長を推進する。AIAI PLUSについては、認可保育園に次ぐ成長の柱として育成を継続するが、出店計画は見直して、サービス品質のさらなる向上と収益の最大化を図るべく作業療法士など有資格者の獲得・育成に注力するとともに、人材獲得・育成ペースに合わせた出店計画を新たに策定した。同時に、専門家が保育施設を訪問してプログラムを提供する保育所等訪問支援を軸に、新たなビジネスモデルを構築して収益拡大を図る。
5. 新たなビジネスモデル構築も注目点
同社は2023年3月期に初めて営業利益が黒字化した。AIAI NURSERYにおいて開設から3~4年経過した既存施設の割合が上昇し、安定収益フェーズに移行した形だ。保育市場は今後競争激化が予想されるが、同社はAIAI PLUSとの連携によるインクルーシブな保育の提供や質の高い教育プログラムや千葉県を中心とするドミナント戦略によって高い競争力を維持しながら、収益が安定的に拡大するだろうと弊社では考えている。加えて、発達に障害をかかえる子どもの増加への対応が今後の国の重要政策となる可能性があり、同社が視野に入れている保育所等訪問支援を軸とする新たなビジネスモデルの構築についても注目したいと弊社では考えている。
■Key Points
・グループミッションに掲げる「人口問題を解決する」に寄与する事業を展開
・「保育・療育・教育」を一体的に提供し、3つの事業のシナジー効果を最大化させる「AIAI三育圏」
・2023年3月期は初の営業黒字化
・2024年3月期もAIAI NURSERYの収益化が進展して大幅営業増益予想
・事業環境変化に対応して「AIAIグループ中期経営計画2023~2025」を策定
・保育所等訪問支援を軸とする新たなビジネスモデル構築にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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