*15:03JST GMOメディア Research Memo(3):メディア事業とソリューション事業を展開(1)
■会社概要
3. 事業内容
GMOメディア<6180>は2022年12月期よりSaaS事業を今後の収益柱の1つとして育成していくため、事業セグメントを「メディア事業」と「ソリューション事業」の2セグメントに変更した。メディア事業は、自社で運営するポイントサイトやHTML5ゲームプラットフォーム、ヴァーティカルメディアを通じて広告収入や課金収入を獲得するビジネスモデルである。ソリューション事業は、メディア運営事業で蓄積してきたアフィリエイト広告に関するナレッジを生かしたASP事業「affi town(アフィタウン)」や、ポイントサイトの運営ノウハウを生かして他社ポイントサイトの構築・運営支援を行うポイントCRM(顧客関係管理)ツール「GMOリピータス」などを展開している。2022年12月期の事業セグメント別構成比を見ると、メディア事業は売上高で86.1%、営業利益で47.8%を占めている。営業利益の構成比率が低いのは、投資育成事業(「コエテコ」「キレイパス」)の先行投資費用が含まれていることが一因と見られる。
(1) メディア事業
メディア事業は、ポイントインセンティブ等による「ECメディア」と、業界特化型の「ヴァーティカルメディア」を運営している。ユーザーはこれらのメディアを無料で利用可能で(一部、課金サービスあり)、広告収入で利益を得るビジネスモデルとなっている。売上高の大半は「ポイントタウン」や「ゲソてん」「かんたんゲームボックス」「くまポン」など収益事業のメディアを通じて得られる広告・課金収入で占められ、投資育成事業として「コエテコ」「キレイパス」の育成に注力している。
a) 収益事業
収益事業のうち、「ポイントタウン」は1999年にサービスを開始した国内最大級のポイントサイトであり、購買力があり「消費したい、得をしたい」という欲求を持つ30代後半から50代前半の世代がコア・ユーザーとなっている。一方、HTML5ゲームプラットフォームの「ゲソてん」「かんたんゲームボックス」では、シミュレーションゲーム、カードゲームなど多くの無料ソーシャルゲーム(一部課金)を自社開発タイトルも含めて取り揃えており、ユーザーは無料でゲームを楽しみながらポイントを獲得できることが特徴となっている。「かんたんゲームボックス」については、無料で遊べるという特性からCRM施策として他社提携サイトへの導入も進んでおり、2022年12月時点で大手携帯キャリアをはじめ39媒体に導入されている。
ポイントメディアのビジネスモデルを見ると、同社は広告主とユーザーの間に位置し、広告主から代理店(ASP)経由でサイト内に掲載されるポイント付き広告に対して、ユーザーが申込みや購入等の一定の行動を取ることで広告収入が発生する。その広告収入の一部をユーザーにポイント還元した費用との差分が同社の収益となる成果報酬型ビジネスモデルとなっている。例えば、クレジットカード会社が会員を獲得する際に入会ポイントを付与することが多いが、そうしたポイントの発行を「ポイントタウン」を通じて同社が行い、ユーザーに還元する流れとなる。なお、ユーザーが貯めたポイントは金融機関等で現金に交換できるほか、主要電子マネーやビットコイン、同社が運営する「ゲソてん」のゲームアイテム等との交換が可能となっている。売上高に影響する広告単価は広告主ごとに異なるほか、季節によっても変動する。広告枠は変わらないため広告出稿ニーズの高い1月~3月期は需給がタイトとなり、広告単価も上昇傾向となる。
子会社のGMOくまポンが運営するクーポン購入サイト「くまポン」に関しては、ユーザーが商品・サービスのクーポンを当該サイトで事前購入し、その後、商品の送付や店舗でのサービス提供を受けることになる。2022年12月期より新会計基準を適用したことに伴い、売上高はグロス計上(クーポン販売額)から純額計上(販売手数料)に変更した。
b) 投資育成事業
投資育成事業のうち「コエテコ」は、小学生向けプログラミング・ロボット教室の情報を提供するポータルサイトで、2017年に運営を開始した。掲載教室数は2022年12月時点で1.2万教室を超え、口コミ件数も含めて国内最大規模となっている。売上高の大半は掲載教室に対する送客によって発生する成果報酬である。「コエテコ」の掲載教室に対してユーザーがサイトまたは電話で体験申込みを行い、訪問した時点で成果報酬を得られる。また、リスキリング需要の拡大に対応するため、2020年12月より開始した社会人向けのプログラミング・Webデザインスクールのポータルサイト「コエテコcampus」に関しては、成果報酬発生時点が様々(資料請求や入校等)であるほか、月額有料プランでのサービス提供も行っている。そのほか、プログラミング教室等のスクール運営業務の効率化を支援する「コエテコPlus」や、誰でも簡単にオンラインスクールを構築し講座を販売できる「コエテコカレッジ」といったDX事業の育成に取り組んでいる。
GMOくまポンが運営する美容医療サービスのチケット購入サイト「キレイパス」は、2022年12月時点でチケット購入件数が前年同期比1.83倍、登録会員数も前年同期比1.76倍と業界最大規模となっている。ユーザーはチケットを当該サイトで事前購入して、クリニックでサービス提供を受けることになる。「くまポン」と同様、売上高は新会計基準の適用によりグロス計上から純額計上に変更した。また、クリニック向けのDX事業として予約管理から電子カルテ・会計までを一括管理できる経営支援プラットフォーム「キレイパスコネクト」の育成に取り組んでいる。
(2) ソリューション事業
ソリューション事業では、ASP事業「affi town(アフィタウン)」とポイントCRMツール「GMOリピータス」を提供している。「GMOリピータス」についてはシステム開発から導入支援、運用サポートまで手掛けており、同ツールを導入しているサイトは「イオンカードポイントモール」や「Pontaポイントモール」、(株)NTTドコモの「ポイント広場」など合計8サイトとなっている。なお、2022年12月期より新会計基準を適用したことに伴い、「affi town」と「GMOリピータス」の売上高はグロス計上から純額計上に変更した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 事業内容
GMOメディア<6180>は2022年12月期よりSaaS事業を今後の収益柱の1つとして育成していくため、事業セグメントを「メディア事業」と「ソリューション事業」の2セグメントに変更した。メディア事業は、自社で運営するポイントサイトやHTML5ゲームプラットフォーム、ヴァーティカルメディアを通じて広告収入や課金収入を獲得するビジネスモデルである。ソリューション事業は、メディア運営事業で蓄積してきたアフィリエイト広告に関するナレッジを生かしたASP事業「affi town(アフィタウン)」や、ポイントサイトの運営ノウハウを生かして他社ポイントサイトの構築・運営支援を行うポイントCRM(顧客関係管理)ツール「GMOリピータス」などを展開している。2022年12月期の事業セグメント別構成比を見ると、メディア事業は売上高で86.1%、営業利益で47.8%を占めている。営業利益の構成比率が低いのは、投資育成事業(「コエテコ」「キレイパス」)の先行投資費用が含まれていることが一因と見られる。
(1) メディア事業
メディア事業は、ポイントインセンティブ等による「ECメディア」と、業界特化型の「ヴァーティカルメディア」を運営している。ユーザーはこれらのメディアを無料で利用可能で(一部、課金サービスあり)、広告収入で利益を得るビジネスモデルとなっている。売上高の大半は「ポイントタウン」や「ゲソてん」「かんたんゲームボックス」「くまポン」など収益事業のメディアを通じて得られる広告・課金収入で占められ、投資育成事業として「コエテコ」「キレイパス」の育成に注力している。
a) 収益事業
収益事業のうち、「ポイントタウン」は1999年にサービスを開始した国内最大級のポイントサイトであり、購買力があり「消費したい、得をしたい」という欲求を持つ30代後半から50代前半の世代がコア・ユーザーとなっている。一方、HTML5ゲームプラットフォームの「ゲソてん」「かんたんゲームボックス」では、シミュレーションゲーム、カードゲームなど多くの無料ソーシャルゲーム(一部課金)を自社開発タイトルも含めて取り揃えており、ユーザーは無料でゲームを楽しみながらポイントを獲得できることが特徴となっている。「かんたんゲームボックス」については、無料で遊べるという特性からCRM施策として他社提携サイトへの導入も進んでおり、2022年12月時点で大手携帯キャリアをはじめ39媒体に導入されている。
ポイントメディアのビジネスモデルを見ると、同社は広告主とユーザーの間に位置し、広告主から代理店(ASP)経由でサイト内に掲載されるポイント付き広告に対して、ユーザーが申込みや購入等の一定の行動を取ることで広告収入が発生する。その広告収入の一部をユーザーにポイント還元した費用との差分が同社の収益となる成果報酬型ビジネスモデルとなっている。例えば、クレジットカード会社が会員を獲得する際に入会ポイントを付与することが多いが、そうしたポイントの発行を「ポイントタウン」を通じて同社が行い、ユーザーに還元する流れとなる。なお、ユーザーが貯めたポイントは金融機関等で現金に交換できるほか、主要電子マネーやビットコイン、同社が運営する「ゲソてん」のゲームアイテム等との交換が可能となっている。売上高に影響する広告単価は広告主ごとに異なるほか、季節によっても変動する。広告枠は変わらないため広告出稿ニーズの高い1月~3月期は需給がタイトとなり、広告単価も上昇傾向となる。
子会社のGMOくまポンが運営するクーポン購入サイト「くまポン」に関しては、ユーザーが商品・サービスのクーポンを当該サイトで事前購入し、その後、商品の送付や店舗でのサービス提供を受けることになる。2022年12月期より新会計基準を適用したことに伴い、売上高はグロス計上(クーポン販売額)から純額計上(販売手数料)に変更した。
b) 投資育成事業
投資育成事業のうち「コエテコ」は、小学生向けプログラミング・ロボット教室の情報を提供するポータルサイトで、2017年に運営を開始した。掲載教室数は2022年12月時点で1.2万教室を超え、口コミ件数も含めて国内最大規模となっている。売上高の大半は掲載教室に対する送客によって発生する成果報酬である。「コエテコ」の掲載教室に対してユーザーがサイトまたは電話で体験申込みを行い、訪問した時点で成果報酬を得られる。また、リスキリング需要の拡大に対応するため、2020年12月より開始した社会人向けのプログラミング・Webデザインスクールのポータルサイト「コエテコcampus」に関しては、成果報酬発生時点が様々(資料請求や入校等)であるほか、月額有料プランでのサービス提供も行っている。そのほか、プログラミング教室等のスクール運営業務の効率化を支援する「コエテコPlus」や、誰でも簡単にオンラインスクールを構築し講座を販売できる「コエテコカレッジ」といったDX事業の育成に取り組んでいる。
GMOくまポンが運営する美容医療サービスのチケット購入サイト「キレイパス」は、2022年12月時点でチケット購入件数が前年同期比1.83倍、登録会員数も前年同期比1.76倍と業界最大規模となっている。ユーザーはチケットを当該サイトで事前購入して、クリニックでサービス提供を受けることになる。「くまポン」と同様、売上高は新会計基準の適用によりグロス計上から純額計上に変更した。また、クリニック向けのDX事業として予約管理から電子カルテ・会計までを一括管理できる経営支援プラットフォーム「キレイパスコネクト」の育成に取り組んでいる。
(2) ソリューション事業
ソリューション事業では、ASP事業「affi town(アフィタウン)」とポイントCRMツール「GMOリピータス」を提供している。「GMOリピータス」についてはシステム開発から導入支援、運用サポートまで手掛けており、同ツールを導入しているサイトは「イオンカードポイントモール」や「Pontaポイントモール」、(株)NTTドコモの「ポイント広場」など合計8サイトとなっている。なお、2022年12月期より新会計基準を適用したことに伴い、「affi town」と「GMOリピータス」の売上高はグロス計上から純額計上に変更した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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