*14:49JST GMOペパボ Research Memo(9):金融支援事業の資金需要に対応すべく銀行借入を実施するも財務内容は健全
■業績動向
3. 財務状況
GMOペパボ<3633>の2022年12月期末の資産合計は前期末比2,565百万円増加の11,435百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では未収入金が1,470百万円及び新会計基準の適用に伴い前払費用が1,193百万円増加した。また、固定資産では有形固定資産が224百万円及び無形固定資産が181百万円増加し、投資有価証券が216百万円減少した。
負債合計は前期末比2,829百万円増加の8,746百万円となった。流動負債で短期借入金が1,200百万円及び新会計基準の適用により契約負債(前期末は前受金)が1,626百万円増加した。借入金については金融支援事業における資金需要の増加に対応したもので、今後のさらなる成長を見据えて金融機関からの借入枠を増額している。純資産合計は前期末比264百万円減少の2,689百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益510百万円を計上した一方で、配当金支出360百万円、自己株式取得60百万円を実施したことや、その他有価証券評価差額金が167百万円減少したこと、新会計基準の適用に伴い期首の利益剰余金を150百万円減額したことなどが減少要因となった。
キャッシュ・フローの状況について見ると、営業キャッシュ・フローは213百万円のマイナスとなった。税金等調整前当期純利益771百万円及び契約負債の増加額が404百万円となった一方で、未収入金の増加額が1,471百万円となったほか法人税等の支払額が292百万円となったことによる。金融支援事業の拡大が未収入金増加の一因となっている。投資キャッシュ・フローは510百万円のマイナスとなった。無形固定資産の取得326百万円及び有形固定資産の取得169百万円が主因となっている。この結果、フリーキャッシュ・フローは723百万円のマイナスとなったが、財務活動によるキャッシュ・フローが借入金による収入1,200百万円等により712百万円のプラスとなったことで、期末の現金及び現金同等物は前期末比11百万円減の3,609百万円となった。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は新会計基準適用の影響もあって前期末の32.9%から23.5%に低下したが、手元キャッシュは30億円超と潤沢にあることから財務の健全性は維持しているものと判断される。収益性については既述のとおりEC支援事業の収益悪化により売上高営業利益率、ROA、ROEともに前期比で低下したが、ROEについては18.2%と高い水準を維持している。同社の収益構造はストック型ビジネスとフロー型ビジネスのハイブリッド型で、収益の安定性が比較的高いことが特徴であり、今後、フロー型ビジネスが回復してくれば収益性も上昇に転じるものと予想される。また、資金需要もプロモーション費用や金融支援事業を除けば大きくないため、今後も財務状況は健全な状態が続くものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 財務状況
GMOペパボ<3633>の2022年12月期末の資産合計は前期末比2,565百万円増加の11,435百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では未収入金が1,470百万円及び新会計基準の適用に伴い前払費用が1,193百万円増加した。また、固定資産では有形固定資産が224百万円及び無形固定資産が181百万円増加し、投資有価証券が216百万円減少した。
負債合計は前期末比2,829百万円増加の8,746百万円となった。流動負債で短期借入金が1,200百万円及び新会計基準の適用により契約負債(前期末は前受金)が1,626百万円増加した。借入金については金融支援事業における資金需要の増加に対応したもので、今後のさらなる成長を見据えて金融機関からの借入枠を増額している。純資産合計は前期末比264百万円減少の2,689百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益510百万円を計上した一方で、配当金支出360百万円、自己株式取得60百万円を実施したことや、その他有価証券評価差額金が167百万円減少したこと、新会計基準の適用に伴い期首の利益剰余金を150百万円減額したことなどが減少要因となった。
キャッシュ・フローの状況について見ると、営業キャッシュ・フローは213百万円のマイナスとなった。税金等調整前当期純利益771百万円及び契約負債の増加額が404百万円となった一方で、未収入金の増加額が1,471百万円となったほか法人税等の支払額が292百万円となったことによる。金融支援事業の拡大が未収入金増加の一因となっている。投資キャッシュ・フローは510百万円のマイナスとなった。無形固定資産の取得326百万円及び有形固定資産の取得169百万円が主因となっている。この結果、フリーキャッシュ・フローは723百万円のマイナスとなったが、財務活動によるキャッシュ・フローが借入金による収入1,200百万円等により712百万円のプラスとなったことで、期末の現金及び現金同等物は前期末比11百万円減の3,609百万円となった。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は新会計基準適用の影響もあって前期末の32.9%から23.5%に低下したが、手元キャッシュは30億円超と潤沢にあることから財務の健全性は維持しているものと判断される。収益性については既述のとおりEC支援事業の収益悪化により売上高営業利益率、ROA、ROEともに前期比で低下したが、ROEについては18.2%と高い水準を維持している。同社の収益構造はストック型ビジネスとフロー型ビジネスのハイブリッド型で、収益の安定性が比較的高いことが特徴であり、今後、フロー型ビジネスが回復してくれば収益性も上昇に転じるものと予想される。また、資金需要もプロモーション費用や金融支援事業を除けば大きくないため、今後も財務状況は健全な状態が続くものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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