■業績動向
1. 2023年3月期第2四半期の業績動向
テノックス<1905>の2023年3月期第2四半期の業績は、売上高8,511百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益234百万円(同384.1%増)、経常利益265百万円(同265.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益207百万円(同236.5%増)となった。日本経済は、コロナ禍の行動制限が緩和されたことで持ち直しの動きが見られるものの、資源・エネルギー価格の急騰や急速に進行する円安の影響により、先行き不透明感が増した。建設業界では、公共投資は防災や減災、国土強靭化の推進などを背景に引き続き堅調に推移、民間投資もコロナ後を見据えた設備投資が動き出しつつある。大型工事は、物流センターとデータセンターが根強いところに半導体連関連の設備投資も加わり、環境は着実に改善している。一方、中小の工事は価格競争が依然激しく、建設資材価格の上昇もあって厳しい環境が続いている。また、高騰する建設資材や燃料価格の受注価格への転嫁や、慢性的な現場従事者の不足などの課題が残されている。
このような状況のなかで、同社は中期経営計画に沿った取り組みを進め、高速道路や鉄道の杭工事が伸長した。地盤改良工事においては民間の工場建設案件も寄与し、売上高は大幅増収となった。営業利益は、増収効果などにより増益幅が拡大、通期予想に対する進捗率も高く、非常に好調であった。
なかでも、2022年3月期よりずれ込んだ「渋井川水門本体工事」「大阪モノレール支柱建設工事」など大型の土木杭工事が第2四半期に完工したことで、全体の売上高をけん引した。土木杭工事の好調は、中期経営計画の営業・施工戦略でターゲットにしていた、リダンダンシー整備事業など土木インフラ工事への取り組みが成果となって表れた。期待の北海道新幹線も、2023年3月期下期から2024年3月期以降に施工が順次始まる予定である。地盤改良工事は、「SUBARU(泉)工場」などの大型工事の完工はあったものの、おおむね前年同期並みであった。だが、引き続きデータセンターと物流センターが根強く、強みの一貫体制や協力会社網が大型案件の確保に有利に働いているようだ。海外はベトナムのロックダウンや金融引き締めが影響し減収となったが、国の成長性や住宅投資の堅調さから早晩回復する見込みのため、施工体制は万全を期している。利益面では、原材料コストが上昇基調となったものの、増収効果に加えて施工機械の稼働が高まったことなどから工事利益率が改善した。販管費は、仕事量の増加に対応して即戦力となる中途採用を増やすなど多くの費目で増加したが、増収効果により販管費率は改善した。また、土木杭工事を中心に建築杭工事や地盤改良工事それぞれで大型物件を受注したことから、受注高、受注残高ともに増加した。なかでも半導体関連工場の工事の盛り上がりは注目に値する。コロナ禍で停滞していた都市・インフラの再開発が動き出しただけでなく、基幹産業の設備投資も動き出したようで、受注高・売上高の強い状況や稼働の高い状況は今後も期待できそうだ。
セグメント別では、建設事業は、2022年3月期からずれ込んだ大型の土木杭工事が上期に多く完工したことから増収となった。セグメント利益は、増収効果に施工機械の稼働が高まったことなども加わって、前年同期比3倍増と大きく伸びた。土木建築コンサルティング全般等事業は、例年下期に納期が集中するため上期は経費先行により営業損失となった。その他の事業は不動産賃貸で、川崎市の特別養護老人ホームからの収益は低位であるものの安定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 2023年3月期第2四半期の業績動向
テノックス<1905>の2023年3月期第2四半期の業績は、売上高8,511百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益234百万円(同384.1%増)、経常利益265百万円(同265.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益207百万円(同236.5%増)となった。日本経済は、コロナ禍の行動制限が緩和されたことで持ち直しの動きが見られるものの、資源・エネルギー価格の急騰や急速に進行する円安の影響により、先行き不透明感が増した。建設業界では、公共投資は防災や減災、国土強靭化の推進などを背景に引き続き堅調に推移、民間投資もコロナ後を見据えた設備投資が動き出しつつある。大型工事は、物流センターとデータセンターが根強いところに半導体連関連の設備投資も加わり、環境は着実に改善している。一方、中小の工事は価格競争が依然激しく、建設資材価格の上昇もあって厳しい環境が続いている。また、高騰する建設資材や燃料価格の受注価格への転嫁や、慢性的な現場従事者の不足などの課題が残されている。
このような状況のなかで、同社は中期経営計画に沿った取り組みを進め、高速道路や鉄道の杭工事が伸長した。地盤改良工事においては民間の工場建設案件も寄与し、売上高は大幅増収となった。営業利益は、増収効果などにより増益幅が拡大、通期予想に対する進捗率も高く、非常に好調であった。
なかでも、2022年3月期よりずれ込んだ「渋井川水門本体工事」「大阪モノレール支柱建設工事」など大型の土木杭工事が第2四半期に完工したことで、全体の売上高をけん引した。土木杭工事の好調は、中期経営計画の営業・施工戦略でターゲットにしていた、リダンダンシー整備事業など土木インフラ工事への取り組みが成果となって表れた。期待の北海道新幹線も、2023年3月期下期から2024年3月期以降に施工が順次始まる予定である。地盤改良工事は、「SUBARU(泉)工場」などの大型工事の完工はあったものの、おおむね前年同期並みであった。だが、引き続きデータセンターと物流センターが根強く、強みの一貫体制や協力会社網が大型案件の確保に有利に働いているようだ。海外はベトナムのロックダウンや金融引き締めが影響し減収となったが、国の成長性や住宅投資の堅調さから早晩回復する見込みのため、施工体制は万全を期している。利益面では、原材料コストが上昇基調となったものの、増収効果に加えて施工機械の稼働が高まったことなどから工事利益率が改善した。販管費は、仕事量の増加に対応して即戦力となる中途採用を増やすなど多くの費目で増加したが、増収効果により販管費率は改善した。また、土木杭工事を中心に建築杭工事や地盤改良工事それぞれで大型物件を受注したことから、受注高、受注残高ともに増加した。なかでも半導体関連工場の工事の盛り上がりは注目に値する。コロナ禍で停滞していた都市・インフラの再開発が動き出しただけでなく、基幹産業の設備投資も動き出したようで、受注高・売上高の強い状況や稼働の高い状況は今後も期待できそうだ。
セグメント別では、建設事業は、2022年3月期からずれ込んだ大型の土木杭工事が上期に多く完工したことから増収となった。セグメント利益は、増収効果に施工機械の稼働が高まったことなども加わって、前年同期比3倍増と大きく伸びた。土木建築コンサルティング全般等事業は、例年下期に納期が集中するため上期は経費先行により営業損失となった。その他の事業は不動産賃貸で、川崎市の特別養護老人ホームからの収益は低位であるものの安定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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