ただ、ここから先は“上値も重い”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/11/18 11:12

◆ 「米利上げペース鈍化」への思惑後退 - 140円回復


 『金利は十分抑制的な水準に達していない』
 『最低でも5.00-5.25%への利上げ必要に』

ブラード・セントルイス連銀総裁のこの発言は、にわかに台頭していた「米利上げペース鈍化」との思惑に冷や水を浴びせました。
このため米10年債利回りは“上昇(3.67%→3.80%)”する中、カナダドル以外に対して“ドル買い(戻し)”が進行しました。
こうした流れの中で、ドル円は“大きく反発(138.871円→140.739円)”しています。

◆ ただし払拭されたわけではない…? - 「米利上げペース鈍化」への思惑


一方で昨日発表された「米住宅着工件数(前月比△4.2%)/建設許可件数(同△2.4%)/フィラデルフィア連銀製造業景気指数(△19.4)」は、いずれも“芳しい”とはいいがたい結果に終わりました。
このため“一方向への動意”にはつながっておらず、「米利上げペース鈍化」への思惑は依然として残存し続けているのが実状といえます。

◆ “割り引いて”考える必要も…!? - ブラード発言


個人的に昨日は、前記「ブラード・セントルイス連銀総裁発言」に期待したところがありますので、まさに“想定通り”の結果だったといえます。
しかし“最もタカ派”とされる人物の発言ですので、“割り引いて”考える必要があるのは否めないところです。
特に同氏は「2023-24年のFOMC投票権」を保有していませんので、その分も“割り引いて”考える必要があるのが実状といえます。

引き続き“下値は堅い(浅い)”とは考えますが、「米利上げペース鈍化」との思惑が残存している以上、ここから先は“上値も重い”との認識も持っておく必要がありそうです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しております。

143.302(11/9~11/15の61.8%戻し)
143.120(10/21~11/15の38.2%戻し)
143.000(大台)
142.865(ピボットハイブレイクアウト)
142.618(日足・一目均衡表転換線)
142.480(11/11高値)
142.225(11/9~11/15の50%戻し)
142.000(大台)
141.802(ピボット2ndレジスタンス)
141.148(11/9~11/15の38.2%戻し、-1σ)
上値5:140.976(100日移動平均線、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値4:140.739(11/17高値、20週移動平均線)
上値3:140.479(11/17高値後の61.8%戻し)
上値2:140.399(11/17高値後の50%戻し)
上値1:140.291(日足・一目均衡表先行スパン下限)
前営業日終値:140.192
下値1:140.000(大台、11/17安値後の38.2%押し)
下値2:139.805(11/17安値後の50%押し)
下値3:139.585(11/17安値後の61.8%押し)
下値4:139.312(11/17安値後の76.4%押し)
下値5:139.154(週足・一目均衡表基準線、ピボット1stサポート)
139.000(大台)
138.871(11/17安値)
138.724(11/16安値)
138.066(ピボット2ndサポート)
138.000(大台)
137.661(11/15安値)
137.530(8/29安値)
137.377(-2σ)
137.261(ピボットローブレイクアウト)
137.000(大台)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想