■EMシステムズ<4820>の市場環境と強み
1. 市場環境
2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢社会、いわゆる「2025年問題」を迎えることもあり、医療費全体の抑制に向けた動きが今後さらに進む見通しである。また、大手薬局によるM&Aの加速や、ドラッグストアの調剤併設店舗の増加により収益性の格差が拡大する環境のなかで、中小薬局は厳しい経営を強いられる状況がさらに継続すると予想される。このため、後発医薬品の使用促進や残薬管理の強化など、薬局の業務効率向上が一層求められるとともに、かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局としての機能が求められている。また、厚生労働省により一定条件下で電子処方箋が解禁される一方、診療所における電子カルテの普及率が40%を超えるなど、医療分野におけるICT化が進んでいる。このため、既に様々な地域でPHR(Personal Health Record:個人医療情報)、EHR(Electronic Health Record:医療情報の連携)の実証事業に参画している同社の役割はこれまで以上に重要であると考えられる。
当面のトピックとしては、オンライン資格確認等システムが注目される。厚生労働省は、患者が保険証機能を持つマイナンバーカードを利用できるよう、2023年4月からすべての保険医療機関、薬局でオンライン資格確認等システムの導入を原則義務化した。また、2023年1月には、電子処方箋(従来、紙で運用されていた処方箋を電子的に管理・運用する仕組み)の運用開始も計画されている。
2. 強み
同社の強みの1つは、ストック型ビジネスモデルを確立したことである。薬局向けのレセプトコンピュータが普及し始めた初期段階においてハードのコストが高いオフコンではなく、安価なパソコンをベースとした。オフコンのシステム導入に比べ導入コストが低かったことが優位に働き、薬局市場で35%を超える高いシェアを確保した。加えて、業界内でいち早く売切り制から初期導入費を抑えた従量課金制度を採用したため、同業他社製品に比べ価格競争力が高い。さらに、同業他社が販売代理店制をとっているのに対して、同社は直販が主体の製販一体体制であることもユーザーサポート力の高さを評価される要因として働いている。また、同社の安全性・セキュリティレベルの高いデータセンターにデータを蓄積できる仕組みになっていることも強みとして挙げられる。
医科システムに関しては、後発であるため市場シェアは現時点で3.1%と低いものの、その弱点を逆手に取り、同社オリジナルのMRN(Medical Recepty NEXT)は同業他社製品以上の機能を保有する設計になっている。戦略製品「MAPs for CLINIC」においても、AI支援機能などの高機能を備えつつ、低価格なクラウド型サービスとなっており、競争力が非常に高い。
なお、同社では薬局及びクリニックのデータをデータセンターに保有しているため、ほぼ現状の設備のままEHRが可能である。
今後の医療・介護情報連携に活かすことができるほか、厚生労働省がガイドラインを打ち出し、実施解禁となった電子処方箋への対応も、同業他社よりも少ない設備投資で可能と考えられる。また、厚生労働省により一定条件下で電子処方箋が解禁される一方、診療所における電子カルテの普及率が40%を超えるなど、既に様々な地域でPHR・EHRの実証事業に参画している同社の役割は重要である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 市場環境
2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢社会、いわゆる「2025年問題」を迎えることもあり、医療費全体の抑制に向けた動きが今後さらに進む見通しである。また、大手薬局によるM&Aの加速や、ドラッグストアの調剤併設店舗の増加により収益性の格差が拡大する環境のなかで、中小薬局は厳しい経営を強いられる状況がさらに継続すると予想される。このため、後発医薬品の使用促進や残薬管理の強化など、薬局の業務効率向上が一層求められるとともに、かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局としての機能が求められている。また、厚生労働省により一定条件下で電子処方箋が解禁される一方、診療所における電子カルテの普及率が40%を超えるなど、医療分野におけるICT化が進んでいる。このため、既に様々な地域でPHR(Personal Health Record:個人医療情報)、EHR(Electronic Health Record:医療情報の連携)の実証事業に参画している同社の役割はこれまで以上に重要であると考えられる。
当面のトピックとしては、オンライン資格確認等システムが注目される。厚生労働省は、患者が保険証機能を持つマイナンバーカードを利用できるよう、2023年4月からすべての保険医療機関、薬局でオンライン資格確認等システムの導入を原則義務化した。また、2023年1月には、電子処方箋(従来、紙で運用されていた処方箋を電子的に管理・運用する仕組み)の運用開始も計画されている。
2. 強み
同社の強みの1つは、ストック型ビジネスモデルを確立したことである。薬局向けのレセプトコンピュータが普及し始めた初期段階においてハードのコストが高いオフコンではなく、安価なパソコンをベースとした。オフコンのシステム導入に比べ導入コストが低かったことが優位に働き、薬局市場で35%を超える高いシェアを確保した。加えて、業界内でいち早く売切り制から初期導入費を抑えた従量課金制度を採用したため、同業他社製品に比べ価格競争力が高い。さらに、同業他社が販売代理店制をとっているのに対して、同社は直販が主体の製販一体体制であることもユーザーサポート力の高さを評価される要因として働いている。また、同社の安全性・セキュリティレベルの高いデータセンターにデータを蓄積できる仕組みになっていることも強みとして挙げられる。
医科システムに関しては、後発であるため市場シェアは現時点で3.1%と低いものの、その弱点を逆手に取り、同社オリジナルのMRN(Medical Recepty NEXT)は同業他社製品以上の機能を保有する設計になっている。戦略製品「MAPs for CLINIC」においても、AI支援機能などの高機能を備えつつ、低価格なクラウド型サービスとなっており、競争力が非常に高い。
なお、同社では薬局及びクリニックのデータをデータセンターに保有しているため、ほぼ現状の設備のままEHRが可能である。
今後の医療・介護情報連携に活かすことができるほか、厚生労働省がガイドラインを打ち出し、実施解禁となった電子処方箋への対応も、同業他社よりも少ない設備投資で可能と考えられる。また、厚生労働省により一定条件下で電子処方箋が解禁される一方、診療所における電子カルテの普及率が40%を超えるなど、既に様々な地域でPHR・EHRの実証事業に参画している同社の役割は重要である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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