C&GSYS Research Memo(4):2022年12月期第2四半期は前年同期比31.6%の営業増益

配信元:フィスコ
投稿:2022/09/26 16:34
■業績動向

1. 2022年12月期第2四半期の業績概要
C&Gシステムズ<6633>の2022年12月期第2四半期決算は、売上高が2,144百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益が252百万円(同31.6%増)、経常利益が281百万円(同15.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が165百万円(同3.3%増)となった。前期までは多少なりともコロナ禍の影響を受けていたが、今回の決算はほぼコロナ禍前に戻ったと言える。以下に述べるように、増益の大部分は金型製造事業の寄与による。

セグメント別状況では、CAD/CAMシステム等事業全体の売上高は1,707百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益199百万円(同6.7%増)、営業利益率は11.7%(同0.7ポイントアップ)となった。仕向地別の状況は、国内ではコロナ禍の影響等により抑制されていた設備投資が持ち直したことにより比較的堅調に推移した。売上高は1,488百万円(同0.5%増)となり、堅調であった前年同期並みを維持した。海外CAD/CAMは、中国・ASEANの一部でコロナ禍の影響を受けたが、円安効果もあり売上高は218百万円(同0.1%増)と前年同期並みとなった。

金型製造事業の売上高は437百万円(同94.3%増)、営業利益は53百万円(同953.7%増)、営業利益率は12.2%(同10.0ポイントアップ)となり、前年同期と比較し大幅な増収となった。前年下半期に堅調だった受注が売上計上されたこと、米国の自動車業界が活況であったことに加え、円安傾向も増収に寄与した。一部で原材料費や輸送コストの上昇があったが、増収により利益率が改善し大幅増益となった。以上から明らかなように、今回の増益の大部分は金型製造事業の増収の寄与による。


財政状況は堅固、手元の現金及び預金は28億円超と豊富
2. 財政状況
2022年12月期第2四半期末の財政状況は、総資産は前期末比349百万円増加して5,715百万円となったが、主な要因は現金及び預金の56百万円増、受取手形、電子記録債権101百万円増、棚卸資産の84百万円増などであった。

負債合計は前期末比221百万円増加して2,724百万円となったが、主な増加要因は、契約負債184百万円増、退職給付に係る負債24百万円増などであった。

純資産合計は前期末比128百万円増加して2,990百万円となった。主な増加要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加165百万円および為替換算調整勘定50百万円などであった。

3. キャッシュ・フローの状況
2022年12月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは149百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益281百万円、減価償却費24百万円、契約負債の増加157百万円などで、主な支出は売上債権及び契約資産の増加126百万円、棚卸資産の増加76百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは187百万円の支出であったが、主な支出は定期預金の預入271百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは128百万円の支出であったが、主な支出は、配当金の支払額96百万円、非支配株主への配当金の支払額31百万円などであった。

この結果、期中の現金及び現金同等物は102百万円減少し、2022年12月期第2四半期末残高は2,617百万円となった。

4. トピックス
(1) 研究開発部門を新設
既存製品のブラッシュアップ(品質向上)を目的とした従来の研究開発分野に加え、製造業すべてのユーザーに貢献できる「高付加価値製品」「高付加価値機能」の提供を目指した新しい研究開発部門を開設(2021年1月1日付)した。この研究部門は、北九州学研都市内にある「技術開発交流センター」に設置されたもので、同社の事業領域に関連する研究及び独自技術に関する基礎研究/応用研究を推進する。長期的な視点からの基礎研究が中心となるため研究成果がすぐに業績に貢献するわけではないが、今後の成果が注目される。

(2) ベトナムに進出
同社は、2023年1月にベトナム・ハノイ市内に駐在員事務所を設立することを発表した。ベトナムはアセアン5の中でも3番目の人口数(9,500万人)を有し急速な経済発展を遂げ、都市化の進行と中間層の拡大により、二輪四輪車をはじめ様々な家電製品の需要が急増している。このため、各社メーカーの現地生産化に伴い同社の主要顧客である日系金型メーカーも多数進出し、その勢いは今後も継続していくものと判断される。さらに今後、同国からはローカル企業からのシステム需要と同時に、米中貿易摩擦の影響から代替え生産の受け皿として韓国系、中華系企業からの需要も見込める。その結果、同国を今後の重要市場と捉えて将来の現地法人化も視野にアジア市場における事業基盤の構築を図る計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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