今週のポイント
9月23日に豪ドル/米ドルは2年4カ月ぶり、NZドル/米ドルは2年6カ月ぶりの安値をつけました。足もとの豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル下落の主な要因として、米国の長期金利(10年物国債利回り)上昇やリスクオフ(リスク回避)の動き、そして資源価格の軟化が挙げられます。米長期金利が上昇を続けるなどすれば、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは一段と下落する可能性があります。
主要国の株価動向には注意が必要です。世界の景気減速への懸念から主要国株価には下押し圧力が加わっており、NYダウは23日に年初来安値を更新しました。主要国の株価が下落を続ければ、リスクオフの動きが強まる可能性があります。その場合には豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルのほか、豪ドル/円などクロス円に対して下押し圧力が加わりそうです。メキシコペソ/円やカナダドル/円については、原油価格の動向にも注目です。
今週の注目通貨ペア(1): <米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.32000カナダドル~1.38000カナダドル>
米ドル/カナダドルは23日に一時1.36カナダドル台へと上昇。20年7月以来、2年2カ月ぶりの高値をつけました。
足もとの米ドル/カナダドル上昇の主な要因として、米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇に支えられて米ドル高が全般的に進んでいることが挙げられます。また、軟調な原油価格(米WTI原油先物)や主要国株価も米ドル/カナダドルの支援材料です。米FRBや欧州の中銀が積極的に利上げすることによって世界の景気が減速するとの懸念から、原油価格や主要国株価には下押し圧力が加わっており、23日にWTI原油先物は1バレル=80ドルを割り込み約8カ月ぶりの安値をつけ、NYダウは年初来安値を更新しました。
米長期金利が一段と上昇し、原油安や株安がさらに進めば、米ドル/カナダドルは上値を試す展開になりそう。米ドル/カナダドルの目先の上値メドとして、1.38020カナダドル(20年6月高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア(2): <メキシコペソ/円 予想レンジ:6.800円~7.200円>
BOM(メキシコ中銀)は21年6月に利上げを開始し、22年8月まで10会合連続で利上げを実施。現在の政策金利は8.50%です。
メキシコでもインフレが加速しており、メキシコの9月前半のCPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年比8.76%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数は同8.27%と、上昇率はいずれも前月(8.62%、7.97%)から加速。BOMのインフレ目標(3%。2~4%が許容レンジ)から一段と上方へかい離しました。
インフレ圧力の高まりを受け、BOMは次回29日の会合で政策金利をさらに引き上げそう。利上げ幅は、直近2会合と同じく0.75%になるとみられます。その通りの結果になれば、5人の政策メンバーの投票行動やBOMのインフレ見通しに注目。前回8月会合時は、全会一致で0.75%利上げすることが決定され、また総合CPIとコアCPIはいずれも23年7-9月期にインフレ目標の許容レンジ上限である4%を下回るとの見通しが示されました。29日の会合で0.75%を上回る幅の利上げを主張するメンバーがいる、あるいは総合CPIとコアCPIが4%を下回る時期が後ズレすれば、メキシコペソ高材料になりそう。メキシコペソ/円は堅調に推移する可能性があります。
一方で、原油価格(米WTI原油先物)や主要国の株価の動向には要注意です。原油安や株安が進む場合、メキシコペソ/円は下押しする可能性があります(原油安はメキシコペソにとってマイナス材料、株安は円高材料のため)。
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