スカラ Research Memo(8):手元キャッシュは潤沢で、財務の健全性は高い

配信元:フィスコ
投稿:2022/09/16 15:08
スカラ<4845>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2022年6月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比486百万円増加の20,816百万円となった。流動資産では、保険事業の開始により再保険資産を363百万円計上した一方で、現金及び現金同等物が184百万円減少したほか、その他の流動資産が減少した。また、非流動資産ではM&Aの実施によりのれんが406百万円、無形資産が1,043百万円、投資事業有価証券が263百万円それぞれ増加した。

負債合計は前期末比1,951百万円増加の11,810百万円となった。有利子負債が977百万円増加したほか、保険事業の開始に伴い保険契約負債644百万円を計上した。資本合計は同1,464百万円減少の9,006百万円となった。主に親会社の所有者に帰属する当期損失523百万円の計上及び配当による利益剰余金の減少634百万円、自己株式の取得174百万円などによる。

経営指標を見ると、親会社所有者帰属持分比率は前期末の50.0%から41.7%に低下し、有利子負債比率は58.8%から80.0%に上昇した。財務体質はやや悪化したように見えるが、積極的なM&Aの実施による先行費用の増加が主因であり、当初の戦略(ソフトブレーン株式の売却資金をM&Aや成長投資に充当し高成長を目指す)に沿っている。ネットキャッシュ(現金及び現金同等物−有利子負債)も2,674百万円と潤沢で、財務の健全性は高いと判断される。なお、M&Aについては2022年に入って2件実施しており、当面はこれらのPMI(M&A後の統合プロセス)に傾注していく方針だ。新たなM&Aについてはこれらの取り組みが一段落してからになると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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