今週のポイント
今週(9/12- )は、13日に米国の8月CPI(消費者物価指数)が発表されます。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、米ドル/カナダドルは米CPIの結果に影響を受けそう。米CPIが強い結果になれば、米ドルが買われて、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下押し圧力、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わる可能性があります。
豪ドル/円やNZドル/円、カナダドル/円、メキシコペソ/円については、堅調に推移しそうです。RBA(豪中銀)やRBNZ(NZ中銀)、BOC(カナダ中銀)、BOM(メキシコ中銀)は今後さらに利上げを行うとみられる一方、日銀は大規模な金融緩和を続けると予想されるからです。日本の当局者が円安けん制のトーンを強めれば、豪ドル/円などは下落する可能性があるものの、RBAなどと日銀との金融政策の方向性の違いを考えれば、下落したとしても一時的に終わりそうです。
今週の注目通貨ペア(1): <豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.11000NZドル~1.13000NZドル>
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)はいずれも利上げ局面にあり、現在の政策金利はRBAが2.35%、RBNZは3.00%です。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、RBAの政策金利は23年5月までに3.60%へ、RBNZの政策金利は23年4月までに4.25%へと上昇するとの見方が有力です。
今週(9/12- )は、NZの4-6月期GDPと豪州の8月雇用統計が発表されます(いずれも15日)。市場予想は、GDPが前期比1.0%・前年比0.0%、雇用統計は失業率が3.4%・雇用者数が前月比3.45万人増。市場予想からかい離する結果になれば、RBAやRBNZの利上げ観測が変化して豪ドル/NZドルが反応する可能性があります。豪ドル/NZドルの目先のメドとして、下値が1.11135NZドル(9/8安値)、上値は1.12910NZドル(17年10月高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア(2):<カナダドル/円 予想レンジ:107.000円~113.000円>
BOC(カナダ中銀)は7日の政策会合で0.75%の利上げを行うことを決定。政策金利を2.50%から3.25%へと引き上げました。利上げは5会合連続です。BOCは声明で、「インフレ見通しを考慮すると、政策金利をさらに引き上げる必要があると判断している」と表明し、追加利上げを示唆。また、ロジャースBOC上級副総裁は8日の講演で、「インフレの根本的な原因に対処し、また経済を軟着陸させるためには、利上げを前倒しして実施することが最善の方法だ」と語りました。
市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、BOCは10月と12月の会合でいずれも0.25%の利上げを行うとの見方が有力です。一方で、日銀は大規模な金融緩和を今後も続けるとみられます。BOCと日銀の金融政策の方向性の違いが引き続き支援材料となり、カナダドル/円は堅調に推移しそう。カナダドル/円は、113.280円(08年1月高値)が上値メドです。
原油価格の動向には注意が必要かもしれません。米WTI原油先物(原油価格の代表的な指標)は8日に一時1バレル=81.20ドルへと下落し、約8カ月ぶりの安値をつけました。原油価格が下落を続ける場合、市場の意識は原油安にも向かってカナダドル/円の上値を抑える要因になる可能性があります。
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